2026-2027 プレミアリーグ 第4節
Tottenham Hotspur 0 – 0 Everton
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:110勝55敗20分(勝率:60%)
得点
なし
トッテナム・ホットスパー
FW マルムシュ(77’マディソン)、ソランケ(63’テル)、サヴィオ
MF トナーリ、ベンタンクール(63’クドゥス)、フェルナンデス(63’ベリヴァル)
DF ロバートソン、ファンデフェン、ファンヘッケ、グレイ(85’アダラバイヨ)
GK キンスキー
sub:ドゥブラフカ、デイビス、セネシ、ギャラガー
エヴァートン
FW ジョージ(65’グリーリッシュ)、バリー、ジョンソン(75’ハックニー)
MF ガーナー、ドゥーズバリーホール、アームストロング
DF ミコレンコ、ブランスウェイト、ターコウスキ、メイトランドナイルズ(75’オブライエン)
GK ピックフォード
sub:トラバース、キング、キーン、アルカラス、ディブリング、グラハム
もっと走り回ろう
3試合連続無得点の心強い仲間だったアストンヴィラが直前の試合でゴールを奪っていたことに気を取られながら、流石にこっちも大丈夫やろと若干の楽観が頭に流れる。しかし今日もゴールが遠かった。開幕4試合得点なしはクラブワースト記録らしいです。なんか昨年からクラブワースト記録を更新しまくっている気がするのでそんなに大事には思えずにいます。まだ付き合ってくれているコベントリーがいるから安心だね。
今日もまた先発の入れ替えがある。そりゃ結果が出ていないのだから色々試すものですよね。サイドバックは負傷の懸念があるために大事をとってということらしい。あとはギャラガーに替えてフェルナンデスがトップ下、テルの位置にマルムシュを移してソランケがセンターフォワードだ。ところで先発の紹介を見ていて思ったんですけど、エヴァートンの先発に8人もイングランド人がいるの偉くないですか。この大金持ち多国籍フットボールの時代に残る数少ない良心。やっぱり昔からエヴァートンはちょっと応援したくなるね。勝手に仲間みたいなものだと思ってる。
今日もまずは良かったところから。前節はウイングがサイドで待ちすぎていて怖さがないみたいなことを言ったと思うが。それが改善されるマルムシュの左ウイング起用だった。左ウイングというのは表記上のもので、実際は左のトップ下と言っても良いくらい中央に流れたポジショニングを取り、左の大外はロバートソンが担当していた。これにより、中央の人数の薄さみたいなものはかなり緩和されていたと思う。主に右サイドからの崩しが多かった中で、クロスのタイミングにちゃんと中に2人は入ってくる状態が作れていた。決定機を多く作れたわけではないので課題はまだまだあるものの、立ち位置のバランスは良くなっていたと思っている。その課題部分は後述します。
続いて攻撃の中心は右サイドのトライアングル。サヴィオの突破力を最大の武器としながら、フェルナンデスとグレイが上手にサポートしていた。特にグレイが良かったんじゃないでしょうか。グレイはイマイチ何が得意なのかわかりにくい選手である。クロッサーというイメージもドリブラーというイメージもない。そんなことは自分自身が一番わかっているだろうに、だからと言って攻撃への関わりから逃げようとしなかった。味方の立ち位置を見ながら走り込んで欲しいところに走り込んでボールを呼んだり囮になったりしていた。それがちゃんと相手の嫌がるところを突いていたと思う。ただ囮になるために走っているのではなく、そこでボールを貰うつもりで走っているところに意味があるのです。動きの全てがチームために今自分が出来ることをするんだっていうように見えて感動的だった。こういうのを優れたメンタリティというのだ。歴代の監督がみな未来のキャプテンだというのも頷ける。そんなグレイと入れ替わりながら後ろのカバーをしたり自分が前に出て行ったりするフェルナンデスもプレーが強気で悪くなかった。ただしシュート意識が低いので今日は悪目立ち。前半に何回か打てる時に打たなかったせいで後半の立ち上がりはサポーターに煽られてシュートを打たされてたもんね。へなちょこシュートが枠内に飛んだだけでゴールかのように湧き上がる感性は面白かった。笑っている場合ではないのですが。
得点が遠かったのはシュート意識の低さもあるが、それ以上に足りなかったのは裏やスペースに走り込む意識だった。左でマルムシュが内側に入って中央の薄さは緩和されたが、代わりに左サイドからの攻撃が皆無になってしまった。ロバートソンが高い位置を取るものの、当然ロバートソンはドリブラーではないので一人で打開できるわけはない。そこでロバートソンが幅を取って時間を作っている間に縦に走り抜ける必要があったのにそれがない。マルムシュもトナーリも止まった位置でボールを要求するばかりなので、ボールを持ったロバートソンから見て横か後ろにしか選択肢がない。要するに全然ボールが前に進んでいかないのだ。そうしてゆっくりとまた右サイドにボールを返すことになってしまう繰り返しだった。
今日の立ち位置ならマルムシュはトップ下的な振る舞いで密集地帯でボールを受ける役割と、停滞した時の裏抜けがミッションになるはずだ。そうした動的な攻撃がほとんどないので次第に相手は慣れ、スパーズの勢いも萎んでいってしまった。全体的にグレイとフェルナンデス以外はほとんどスペースに走る動きがない。試合後にピッチ上でデゼルビがテルに何か言っているのがカメラに抜かれていたが、あれもそういうことらしい。動きをつけなさいという指示をしたのにそれをしなかったのだと。サヴィオは立ち上がりは何度か裏をとる駆け引きをしていたが、少し経つと忘れてしまっていた。
裏を狙う動きともう一つ、ペナルティエリア内に走り込む選手も足りていないと思う。これは主にトナーリに求めたいことだ。トナーリとベンタンクールの2人は常に後ろのケアをしていて前に出ていく動きが足りない。フェルナンデスや前節のギャラガーが右サイドバックのカバーをしているということは、彼らは純粋なトップ下として起用されているわけじゃないということだ。4-2-3-1かと思っていたが、きっとこれは4-1-2-3だ。だとすると反対サイドのインサイドハーフにあたるトナーリが前に飛び出していくシーンがもっと欲しい。別にトナーリに後ろを託してベンタンクールが出て行ってもいい。この2人が絶対に上がらないマンをしているというのも攻撃にダイナミックさがない理由だ。もっと点を取るためのリスクを負っていこうぜ。リスクを負わないことがリスクだって前任者も言っていたじゃないか。いや前前任者だったか。遠い昔のようだなあの頃が。
これで4試合得点なし。当然勝ちもなし。補強が派手だったので紙面に踊る言葉は厳しいものもあるが、着実に着実にその時は近づいているよ。今日の後半に見られたように攻撃に自信を失って選手が消極的になることだけが懸念点だが、それを乗り越えさえすれば勢いに乗れるはずだ。チームは正しい方向に進んでいると思う。前を向いて続けていこう。