リーグトップクラスの攻撃陣は諸刃の剣なのか

2位に終わった昨シーズンですが、攻撃陣は好調でなんとリーグ最多得点チームになりました。

リーグでは合計86得点でしたが、今回はそんな攻撃陣に関する懸念点を挙げてみます。

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総得点の80%を4人で取っていた

ハリー・ケイン       :29
デル・アリ         :18
ソン・フンミン       :14
クリスティアン・エリクセン :8
合計:69
69÷86×100=80.2

その他カップ戦等を加味すると、ケイン、アリ、ソンの3人がシーズン20ゴールを達成するという充実ぶりです。

参考までに他の17点の内訳も載せておきます。
ワニャマ:4
ヤンセン:2
ダイアー:2
ローズ:2
ラメラ:1
デンベレ:1
ウィンクス:1
アルデルヴァイレルト:1
デイビス:1
2点見当たりません・・・まあいいでしょう。

言いたいことはお分かりだと思います。
攻撃において、この4人への依存度が高すぎることは今後への不安材料でもあると言えます。
昨シーズンはエリクセンとアリはフル稼働でした。
怪我もなく、ローテーション以外での欠場は記憶にありません。
ソンは序盤はまだ信頼を得られていなかったので、スタメン出場は他の選手に比べると少ないですが、交代も含めると実はケインより出ていました。

去年最も苦しんだのはケインの離脱した秋頃でした。
ケインは負傷で2回離脱していましたが、前半の離脱時期はチームも何試合か連続で引き分けるという決定力不足に陥った時期でもあります。
そして結果的にその時期のブレーキがシーズンの終わりに重くのしかかり、チェルシーの独走を許す原因になってしまいました。
後半の離脱はソンが絶好調だったので、なんとか勝利を重ねていましたが、1シーズンを通じて特定の個人に依存してしまうチーム作りは非常に危険です。

チームの完成度ではリーグで一番だ、という記事を時々見かけますし、僕もそう思っていますが、それは主力が揃ってのこと。
良いサッカーしてますし、一見攻撃の幅も広いようですが、データに起こすとこの通りでした。

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もっと攻撃に多様性を

最近では上位勢相手にもスパーズがポゼッションを高めていける試合が増えてきました。
先日のチェルシー戦なんかは特に後半はワンサイドゲームのようでした。感慨深いですね。
下位のチームと対戦する時はむしろ相手が引いて守るのでよりスペースを見つけるのに苦戦する展開は増えてきます。
確実に勝ち点を取っていくためにも色々な攻撃のバリエーションが必要になってきます。

チェルシー戦のゴールはフリーキックからのオウンゴールだったのでいいとして、ニューカッスル戦を思い出してください。
先制点はケインとエリクセンがバイタルエリアで小さくパスを交換し、エリクセンが急にスイッチを入れて浮き玉をディフェンスラインの裏に送ってそこに飛び込んだデル・アリのヘッダーでした。
昨シーズンにも何度か見たエリクセンの対角線のフライスルーパスです。

2点目はデンベレの縦パスをアリ、ケインがワンタッチでつなぎ受けたエリクセンが持ち込んでシュート体制に入ったところをデイビスが盗んだゴールでした。
複数人が絡んだ綺麗なゴールでしたが、ここでもアイデアを見せたのはいつもの3人です。
デイビスがいなくてもエリクセンが決めていたでしょうし。

固めている相手に対して中央突破できるというのはすごいことですが、上位陣が対策をしてくるとそうは簡単にいきません。
チェルシーは3バックはほとんど外に出ず、再度はウイングバックとセンターハーフに任せることで、攻撃を潰してきました。
サイド攻撃がほとんど機能していないことは大きな課題です。
サッカー界においてサイドで作って中の守備を広げるというのはセオリーですが、このままではサイドを脅威に感じてもらえなくなります。
少なくともチェルシー戦では全く希望がなかったように思えます。
サイドで詰まると中央に戻して考え直すスパーズの攻撃が理解されていて、うまく相手の術中にはまりました。
デイビスが時折見せていたようなウイングバックの裏への飛び出しや、他の試合では見られるセンターバックからのフィードにトリッピアーが抜け出す形も一つのアイデアだと思うので、もっと武器として活かせるように練習するべきだと思います。

そしてやはりサイドアタッカーは補強ポイントですね。
サイドの選手がボールを持っても仕掛けられないのでは相手も安心です。ソンの復調とエンクドゥのブレイクにも期待できますが、もう一人くらい計算のできる選手が欲しいです。誰しも好調な時期と不調な時期は存在するので。

そして最後にセットプレーの改善を期待します。
コーナーキックを数こなせど、まるで得点の匂いがしませんでした。
昨年はトリックプレーをいくつか披露していたと思うのですが、ここまではショートコーナーくらいです。
せっかくヘディングに強い選手は揃っていますし、生かさない手はありません。

早めにチェルシーと当たり、そして敗れたことで改善すべき点が多く見えたことはもしかしたらよかったことかもしれません。
優勝を狙うチームはシーズン半ばにコンディションを合わせてくるといいますし、今はそのマネジメントの途中だと期待してポチェッティーノを信じます。
あとはいくつかの補強を・・・

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