サッカー界で昨今何かと話題になっているビデオアシスタントレフェリー(VAR)導入について
まだプレミアリーグへの導入の話は具体的にはありませんが、いつか必ずその時は訪れます。
制度について、また現状も問題について考えました。
制度について
まだ日本では導入されておらず、従って日本語の正式な文書がなかったので残念ながら参照はウィキペディアに頼ります。
重要そうなところを抜粋するとこんな感じ
・VARの哲学として「最小限の介入で最大限の効果」を掲げている。
・最終判定は常に主審が行う。
・判定に用いるには以下「試合を変える4つのケース」における明確な誤審の修正、または重大な見逃しの確認にのみ許される。
- ゴール(それに至るファールやオフサイドを含む)
- PK
- レッドカード
- 選手誤認
・VARテクノロジーの不調や、VARを含む誤審、対象ケースを映像で見返さないとの判断があったとしても、試合には影響されない
VARのプロセスはこちらの三段階
1.サイレント・チェック
試合中、担当者が常にビデオをチェックする。
必要が生じた際、主審にビデオ・レビューを行うよう連絡する。
2.ビデオ・レビュー
アシスタント・レフェリーの判断に従って判断する。
連絡を受けた主審はその判定を採用する際にTVスクリーンの輪郭を指で描き、VARによる判定を下す。
3.オン・フィールド・レビュー
主審自らピッチサイドのビデオを確認し、判定を下す。
効果と課題
主要リーグでは今シーズンからブンデスリーガとセリエAでVARが導入されています。
また、リーガ・エスパニョーラでも来シーズンから採用されるというニュースもありました。
普段はプレミアリーグを中心に見ているのでどういう風に使われているのか知りませんでしたが、先日の日本vsブラジルで初めて見る事に。
コーナーキックで吉田麻也が相手を引っ張って倒し、そのままプレーは流されましたが、次にプレーが切れた際にVARによる判定でPKが与えられたことで日本でも話題になっています。
吉田は軽率だったとしながら、「プレミアだったら全員がファールだ」というコメントも残しています。
まあいつもプレミアを見慣れている僕たちには言いたいことはわかりますね。メジャーなリーグの中でも特にハードなタックルや競り合いが好まれるプレミアリーグでの導入が遅れているのには文化の違いも大きくあるのでしょう。
ところでなぜ急にこんな話題をお送りしているのかといえば、まさに先週のダービーで2-0で敗れたその2点ともオフサイドだったのではないかと言われているからです。あ、いやあの試合はオフサイドとされていても負けていたとは思いますが・・・
現状のルールのまま採用すればプレミアの試合は5分に1回はビデオ判定のために試合が止まります。もちろんダイブや誤審は減って欲しいと願いつつリーグの色が失われてしまう可能性を考えると、もう少し改善されてからでも良いのではとも思います。
バレーボールなんかで採用されているチャレンジ制度も良いアイデアです。前半、後半1回ずつ、監督やキャプテンの進言でレフェリーはVARを使用する。判定が進言通りなら使用回数は減らない。
まあきっとそうなればうまいこと裏をかいてくる作戦も横行するかもしれませんが。。
ただ、使い始めないとそれに対する対策や慣れも生まれないのはまた事実。最近ではゴールラインテクノロジー(ゴールを何台かのカメラで見て入ったかどうかを判定するあれ)やアディショナル・アシスタント・レフェリー(ゴール裏にいるペナルティエリア内のファールを厳しく見る審判)などが浸透してきました。いつの間にか当たり前になっていくものです。
この先ワールドカップやチャンピオンズリーグでも導入されていくでしょうし、その中でプレミアだけ遅れをとるのもよろしくないので。
ちなみに僕は「現状では」反対です。多少の誤審は仕方ないと思えていますし、まだ問題は多そうなので。プレミアリーグの激しさが失われるのも怖いしね。
ではまた