試合がなくて暇なのでこんなテーマを考えて見ました。
終盤のマンネリ化
補強なし、ホームなしと開幕前からネガティブな話題で持ちきりだったスパーズは蓋を開けてみれば30試合終了時点で3位につけていて、チャンピオンズリーグもベスト8まで進出している。もちろん最終的な評価はシーズンが終わるまで下せないけれど、周囲の予想を覆す結果をここまでは出せています。
今シーズンは例年以上にけが人が多くて、ここまでフルスカッド揃ったことはなかったんじゃないでしょうか。この代表ウィークでまたダイアーなんかは怪我したようですし、最後まで誰かがいない中で戦うことになりそうです。補強はなかったけど、デンベレやエンクドゥといった放出はあって、半ば戦力外だったヤンセンを登録メンバーには加えたけれど、開幕前から見て実質の戦力減で最終盤を迎えています。
そもそも去年や一昨年あたりから、スタメンとサブの力の差はわかっていたことで彼らが出られない状態になったり調子を落とせば苦しくなるのは目に見えていたこと。それでも補強がなかったのはまあ資金面の問題も大きいのでしょうが、既存の戦力のブレイクに期待したからでしょう。特にワールドカップで無駄に株をあげてしまったトリッピアを始め、2年目のモウラとオーリエとサンチェスあたりに。
結局みんな期待はずれで4位以内を狙うチームのスタメンレベルには仕上がっていません。モウラも序盤だけでした。ボランチが壊滅したおかげでシソコが想定外の覚醒をみせ、ウィンクスも十分な戦力として計算できるようになりました。それからガッサニーガとフォイスも期待以上ですが、戦力外からベンチに昇格した程度。結局スタメンを脅かすことはできていない。
終盤に強かったはずのスパーズが3月に入ってから全く良くなってこないのは、いつものメンバーに頼るほかない戦力層がゆえ。今年はこれまでよりメンバーを入れ替えつつやってきたために、あまり戦術的に深まってもいません。確かに完成度の高いチームだと思ってはきたけれど、どんなチームにも活性化は必要だといういい勉強になりました。
1年目から活躍する選手がほとんどいない
個人的に危惧しているのはこちらの方。
冬にアルデルヴァイレルトの契約延長オプションを行使し、夏には2500万ユーロのオファーがくればクラブは拒否することができません。かなり高確率で出て行くことになりそうです。エリクセンも自身の将来については濁した発言が増えてきていて、どうなるかわからなくなってきました。ワニャマはもはや数に入れるには至らないほどの稼働率だし、両サイドバックは実力不足。補強ポイントは数多く見えてきたのに、怖いのはここ何年か、1年目から活躍してくれる選手がほとんどいないこと。
ディフェンスラインは9名ほどいる中で即戦力だったのはアルデルヴァイレルトとフェルトンゲンくらい。どちらもそこそこ実績を積んでから加入しました。サンチェスも初年度から出ているけど、中心に据えるにはまだ不安定です。中盤はワニャマ、アリ、エリクセンが即戦力。エリクセンは最初から出てはいたけど、今ほどに活躍していたわけではなかった。アリは最初からすごかったけど、予想外のブレイクでした。確かに育てるつもりで若手を多くとっていた側面もあるけど、そうでない選手も少なくない。ソン、モウラ、シソコ、オーリエあたりはもっと期待されていたはず。未だに期待値に達していないラメラなんかの例もある。
エンクドゥはレンタルだけど、おそらくうちに居場所はない。ヤンセンもこのまま出番のないまま放出でしょう。さらにデンベレが出ているのですでにマイナスの状態から補強を考えないといけません。チャンピオンズリーグを戦っているいまのチームに即戦力となるほどの成果を残している選手を多数獲得するだけの資金力は流石にないと思われます。また適正価格がと言って機会を逃すのは本当に困ります。
まだシーズンを残している段階ではあるけれど、早くも来シーズンが不安になってきました。もちろんここでチャンピオンズリーグの出場権を獲得できないなんてことがあれば、さらに補強は厳しくなるのだけれど。