はじめに
この一週間でリーグを再開した国や再開を決めた国があるらしく、徐々にではありますが、日常を戻そうという動きが広まりつつある。まだまだ警戒が必要で、万全の準備の中での動きであって、満員のスタジアムが見られるまでには相当な時間がかかるでしょう。
さて後編に参りましょう。先週は監督、GK、DF部門をお届けしました。今回はMFとFWのお気に入りをお届けします。
というわけで今回のルールはこちら。
- 2007-2008シーズンから2020年現在までに所属していた選手・監督
- フォーメーションは4-3-3
- スタメン11人のみ
- 他記事で取り上げた選手は対象外
ではよろしく
CMF:ハリー・ウィンクス
在籍:2014-
プレミアデビューは2016年のこと。今の主力勢の中ではケインとウィンクスだけがアカデミー出身の選手だ。
しばらくは今のスキップのような立ち位置だった。ボランチの5番手くらいにいて、余裕のある試合で少しずつ出番をもらっていく。特別攻撃的なわけでも守備的なわけでもない。丁寧にパスを繋いではくれるものの、積極的に縦パスを入れることもない無難なプレーが多く、上手いけど絶対的にはなれそうにもない選手という印象だった。
他のライバルたちが怪我がちの中、小さい怪我は少ないタイプのためにチャンスをもらい続けると、いつも間にか欠かせない選手になっていた。経験を積むほどに前へ縦への意識も芽生え、相変わらず得点に絡むようなプレーはないけれど、重要なリンクマンとしてその価値を示してくれている。
生真面目だけど闘志あふれるファイターな姿勢も、プレミアファンの好みに合う。まだ24歳ながら、なんかの試合でキャプテンマークも巻いていた。一芸に秀でているタイプでないからか、あまり他のクラブからの関心が寄せられてもいないことはラッキーだ。もう少し伸びて欲しい部分はあるが、このまま中盤で戦える選手としてチームに喝を入れる選手になってもらいたい。
CMF:スコット・パーカー
在籍:2011-2013
現所属:引退
期間は短かったけど、とても記憶に残る選手だった。
髪は短めにきちっと整えられ、常にシャツはしまってある。見た目からの英国紳士、優等生タイプだ。過去10年を振り返っても、「闘将」といえばパーカーが浮かぶ。小柄ながら常に全力で相手のボールを刈り取る姿勢は見ているものまで熱くさせるものだった。
引退後はいっときだけだが、スパーズのアンダー世代のコーチとしても働いてくれていた。今は多分フルハムで働いているが、きっとパーカーならいいコーチ、いい監督になると思う。
個人的にはウィンクスの目指すべき選手だと思っている。すでに雰囲気は似たものを持っている。背番号も、同じだ。
CMF:トム・ハドルストン
在籍:2005-2013
現所属:ダービー・カウンティ
かつてのスパーズの中盤の選手の中では、モドリッチに次いで好きな選手だった。大柄で動きはいつ見てものっそりしているのだけど、その両足から繰り出されるキックの正確性は群を抜いていた。
プレッシャーの厳しいポジションではあるが、多少体勢を崩したとしても蹴れさえすれば驚くほど綺麗にボールが飛んでいく。中長距離のフィードは芸術的だった。当然ミドルシュートも打てば枠に飛んでいたイメージがあるが、いかんせんあまり打たないのですごくもったいなく思っていた記憶がある。しかも笑っちゃうほどパンチのあるシュートだったのに。
若くしてスパーズで存在感を見せ、国内でも期待の若手だったはず。むこうでは「リオ・ファーディナンドとマイケル・キャリックを足して2で割ったような選手」とまで言われていた。ところでユナイテッドの伝説の一人キャリックはスパーズから移籍していった選手だって知ってた?僕は見たことないけど。
あまりにも能力ゲージがキックに割り振られているタイプの選手で、結局最後までそれが全てだった。淡々とプレーするので監督としては起用しにくかったのかもしれない。使ってくれーといつも思っていたのに、なかなか先発起用は常じゃなかった。
選手として脂の乗った26歳ごろに放出となってしまったけど、そこからはハルとダービーでキャリアを過ごしている。やっぱり過大評価だったのかな。好きだったなハドルストン。
RWG:アーロン・レノン
在籍:2005-2015
現所属:バーンリー
誰しも納得してくれる選出だと信じている。スパーズレジェンドの一人といってもいい。いつだってサポーターに愛されている選手だった。
165cmと日本で考えても小さい選手ではあるが、それを補ってあまりあるテクニックとスピードがあった。典型的なドリブラーである、その実力は国内でも屈指だ。知らない人のために説明すると、ドリブルしかしないルーカス・モウラといったところだ。ただしそのドリブルセンスはモウラより一回り上だが。
右にレノン、左にベイル、真ん中にファン・デル・ファールトの構成は去年までのエリクセン、アリ、ソンのトリオに次いでインパクトのある組み合わせだった。出場機会を求めての移籍だったと思うけど、誰がレノンからポジションを奪っていったのかは忘れてしまった。タウンゼントとかかな?
どうしてもスピード系のドリブラーは年齢とともに厳しくなってしまうから、今はバーンリーにいるけど、途中からの出場が多め。まだやれる、そういう姿を見せて欲しい。
LWG:ニコ・クラニチャル
在籍:2009-2012
現所属:引退
反対にこっちは難しい選出だけど、好きだったのはクラニチャルかな。モドリッチ、チョルルカと共に、クロアチア勢が中心となっていた時代の選手。
右はレノンあたりのアタッカーが務め、左のクラニチャルはテクニカルにバランスを取る。いつも背筋は伸びていた。姿勢と顔は綺麗な選手だった。
レドナップの愛弟子で、ポーツマス、スパーズ、QPRと監督に引っ張られてキャリアを変えていた。スパーズ時代の最初の方が重要されていたが、クラニチャルのポジションを奪い取ったのは急成長を見せたギャレス・ベイル。さすがに当時のベイルには歯が立たず、出場機会を減らして移籍していきました。
CF:ピーター・クラウチ
在籍:1998-2000、2009-2011
現所属:引退
2mを超える長身に、愛嬌のある性格、そして日本人ぽい名前から、その活躍以上に名前を知っている人は多い。おそらくはリヴァプールの選手という印象が強いはずだが、意外にもデビューはトッテナム。ただ最初の在籍時には何もできず、8年後に戻ってきてからが本番だった。
過去のトッテナムを振り返って、印象的なゴールを上げろと言われれば、僕は2つしか思いつかない。1つは昨年のアヤックス戦のモウラの3点目。これは説明不要だろう。もう一つがこのピーター・クラウチ、2009-2010シーズン、37節vsマンチェスター・シティ
当時莫大な資金力で強くなり始めていたシティと共に、4位を争っていたのがスパーズ、残り2節の段階での直接対決、試合前の段階でスパーズが1ポイント差の4位だった。
0-0の膠着した試合の中、決勝点がこのクラウチ。右サイドバックのカブールが、スピードとパワーで右サイドを突破すると、クロスというには強すぎるシュート性のボールを中央に送ると、それをキーパーが弾く、当時のシティのキーパーは忘れてしまった。その弾いたボールはクラウチの2mの頭の前に、魂込めて押し込んで、スパーズは初のチャンピオンズリーグ出場権を勝ち取った。そしてこの試合こそが、長く続いた「ビッグ4」の時代を終わらせた瞬間だった。
まとめ
FW クラウチ
MF クラニチャル、ハドルストン、パーカー、ウィンクス、レノン
DF エコト、ドーソン、カブール、チョルルカ
GK ガッサニーガ
監督 レドナップ
やっぱり見始めた頃の選手たちっていつまでの愛してしまうんだなと実感した。きっと最近見始めた人たちにとっては今の選手たちがそうであって、やっぱりモウリーニョに違和感を感じてたりすんだろうな。監督といえばポチェッティーノだっただろうし。
こうして好きだったはずの選手や監督が1周2周と入れ替わっていっても、応援してしまうのが1クラブのファンをしていく醍醐味だ。