ユナイテッド戦で見えた新たなカタチ

 なんやかんや開幕戦以降、負けなしでここまできています。

 先日の試合でようやく、やりたいことが見えてきた。

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4-3-3から3-4-1-2へ

 去年の11月にモウリーニョが就任してから、まず加えた変化は左サイドバックのデイビスを攻撃時に前に出さない擬似スリーバックのスタイルだった。反対サイドはオーリエを高く上げて歪になる。最初は良かったが、あまりしっくりはきていなかった。

 成績は悪くないけど内容はそこそこのままシーズンを終えた。さあ夏に時間があったと思っていたのに不甲斐ない開幕戦を経て、おやおやこれはまずいぞと思っていたところ、補強で入ってきた選手も入れて、ようやく新しい形が見えたのがユナイテッド戦だった。

 珍しく図解。スタートの立ち位置はこう。

 中盤は逆三角かもしれないけど細かいところは置いておいて、4-3-3だった。これまでは右サイドバックが高く上がる以外は最初のポジションからの動きは少なくて、それが攻撃の停滞の要因になっていた。

 今日は後方からボールを繋いで行くときに変化があって、こう

 ホイビュアが下がってスリーバックを形成し、シソコとエンドンベレが中盤で横並び。ケインが落ちてきて最前線にはウイングが絞る。そうして開いたサイドにはサイドバックが高い位置をとっていた。

 かなりオートマチックに3-2-3-2にフォーメーションを変えていた。選手同士の距離感は広めだが、どこにボールが入っても次のパスの選択肢が2つ以上ある状況が作れていて、出しどころに迷う場面はほとんどなかった。まあその辺は30分ごろから数的優位に立っていた影響もあるだろうが、とても戦術的に綺麗だったことは間違いない。

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 このメンバーではかなり最適解なんじゃないかと思った。縦パスを入れられるホイビュアは後ろからバランスを見て、エンドンベレとシソコはそれなりに運べる。サイドバックの攻撃力は生かせるし、何よりキープ力と展開力はチーム随一のケインが輝いていた。ボールを前で待っていて守備に走るだけよりよっぽどイキイキとしていた。

 これをルール化したことでこれまでの悩みだった前線の動きの活性化に成功した。みんなスタートポジションから動くので相手は捕まえにくい。ただ待っているだけの時よりも各々に当事者意識が生まれてボールを貰いに行ってくれる。色々と好循環だった。

 この立ち位置は攻撃の一段階目で、ケインのところより前にボールが入ってからはケインは最前に向かい、トップ下にエンドンベレが戻る。ホイビュアも一列上げてシソコと共にボールの回収役になるのが二段階目だ。

 エンドンベレは狭いところでも仕事ができるし、ホイビュアとシソコはボールを刈る仕事と配球役が上手くできていた。全体的にもう一つ求めたいのは、サイドバックがもう少しサイドの奥をえぐるようなポジションをとってほしいなというところ。

 レギロンはワンツーで前に走ることはあったが、初めからそこでもらうプレーが出来ればいいなと思う。これはきっと奪われた時のリスクを考えて低い位置からスタートさせているんだろうけど、ちょっともったいないなと思う瞬間がいくつかあった。

 その辺も加減がわかっていけば上手く行くようになるのかな。初めてのチャレンジにしては相当やれていて、だいぶ強いチームだった。懸念はおそらく左サイドバックはレギロン依存で、デイビスになったら同じ形ではやれないだろうなという部分。あとケインの役割もか。

 しかしだいぶ結果に内容がついてきた。そう、結果は出ていただけに、戦い方まで上々だと先行きはだいぶ明るく見えてくる。暗い暗い開幕戦から考えて、1ヶ月でこんな気分になっているとは思わなかった。まだ1試合良かっただけではあるが、いまは代表戦明けは楽しみになっている。これが守ってくる相手にも通用するなら、今年はひょっとするかもしれない。

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