冬の移籍市場もあと1週間ですが、主要な選手にはここまで動きがありません。ここに書く人たちが全員残ってくれますように。
選手評価後編です。
採点基準:
★★★★★:驚きの活躍ぶり
★★★★☆:期待値以上
★★★☆☆:及第点
★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
★☆☆☆☆:全く戦力になれていない
MF
ピエール=エミール・ホイビュア
評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり
獲得金額はわずか1500万ポンド。同時にほぼ戦力外だったカイル・ウォーカー=ピータースを1200万ポンドで放出しているので、差し引き300万ポンドでセインツのキャプテンを獲得したことになる。この取引にも驚かされたが、想像を超えてホイビュアは素晴らしい選手だった。今夏の移籍市場ではプレミアで最も成功した移籍になった。
どの試合でも安定したパフォーマンスを見せ、既にピッチ上のリーダーとしての振る舞いも身につけている。本来なら守備的なボランチの選手とはもう少し評価に時間がかかるもの。それだけ、今のホイビュアの存在は傑出している。ケイン、ソンと同じくらい今や欠かせない選手だ。
ムサ・シソコ
評価:★★★☆☆:及第点
序盤戦、「ホイビュアの相棒」に選ばれていたのはシソコだ。気の利いたポジショニングでスペースを埋めたり、圧倒的なパワーで中盤を締めるスタイルはボランチにバランスを求めるモウリーニョの好みに合っていた。12月の後半くらいからウィンクスが調子を上げてきてシソコはベンチに座ることが増えてしまったが、それでも右ウイングで起用されることもあり、監督の信頼は失っていない。
ハリー・ウィンクス
評価:★★★☆☆:及第点
ここ数年、一番安定して試合に出ていた選手の一人だが、ホイビュアの加入によって立場が危うくなってしまった。途中出場の機会もなかなかもらえずに難しい時間を過ごしていたが、数少ないチャンスを生かしスタメンに返り咲いた。まだまだ絶対的な存在というわけじゃないからハードワークを続けていかないとな。
タンギ・エンドンベレ
評価:★★★★☆:期待値以上
クラブレコードの移籍金を払った価値を証明するために奮闘中。1年目は全く信頼を得られずに退団の可能性まであったものの、今シーズンはその才能を遺憾なく発揮している。
エンドンベレがボールに触れると空気が変わる。もう1年半も彼の魔法を見ているのに毎度毎度予想を超えてくる無限のアイデアに脱帽だ。見ていて笑ってしまう。怪我がちなので無理はさせないようにスタッフも起用には慎重で、ほとんどの試合で途中交代の一番手だったが、1月に入ってからフル出場も増えてきた。きっとエンドンベレの本領発揮はこれからなのだろう。
ジェドソン・フェルナンデス
評価:★☆☆☆☆:全く戦力になれていない
ガッサニーガやローズくらい忘れられている選手になっていた。プレミアの出場はゼロ。カップ戦もまともに出たのは先日のマリン戦くらいじゃないだろうか。あの試合ではそれなりに評価されていたようだけど、個人的にはあのレベルのゲームで足をつっているようじゃ厳しいと思ったぞ。若くて才能があるのは認めるけど、あと半年のレンタル選手を育てていくメリットは少ないので早めにレンタルバックするのが本人のためだろうね。
ジオバニ・ロ・チェルソ
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
今年は本格的にチームの中心選手になると思いきや、トップ下争いでエンドンベレの牙城を崩せずに途中投入がほとんどだった。短い時間でも計算の立つ選手なので使い勝手は良いが、そこで収まる選手じゃないはずだ。さらに怪我で離脱の時期も長く、クリスマスには規律違反で問題を起こしている。やや問題児感が出てきてしまったが、やり直すなら今だぞ。
デレ・アリ
評価:★☆☆☆☆:全く戦力になれていない
これまでスパーズがどれだけアリに救われてきたかを知っているだけに、今の扱いを見ているのは本当に辛い。リーグ戦ではベンチにも入れない試合が続き、カップ戦でも途中交代がほとんどになってしまっている。再三言っている通り、必ずアリを必要とする時はくる。ただ今のままではアリの方が耐えきれず出て行ってしまいそうだ。
FW
ハリー・ケイン
評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり
出場試合数よりも得点数+アシスト数の方が多いという驚異のシーズンを過ごしている。しかも最前線でラストパスを待ち受けるというだけでなく、下がって組み立てに参加することを求められながらだ。今のペースなら得点王とアシスト王をダブル受賞することも決して不可能ではない。
カルロス・ヴィニシウス
評価:★★★★☆:期待値以上
ケインが好調ならなかなか出番が貰えないのは覚悟の上で来てくれたのだと思うが、それにしても結果を残している。主に主戦場のカップ戦では8部相手といえどハットトリックも記録した。体も強く、広く動いてボールを引き出す動きもセンスがある。プレミアでも通用するんじゃなかろうか。少なくとも、ここ数年の控えCFの中では唯一の当たりであることは間違いない。
ソン・フンミン
評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり
もはやソンの活躍に驚きはない。長年組んできたケインとの関係が完璧なものになってきた。圧倒的な決定力でチームの戦術の根幹になり、得点王も十分に狙える位置にいる。個人技で突破する場面は減ったがそれはソンの調子というよりは役割によるもの。ケインとソンが最後までこの調子を保てれば10数年ぶりのタイトル獲得が現実的なものになるだろう。
スティーブン・ベルフワイン
評価:★★★★☆:期待値以上
チーム内で最も激戦区なのがウイングの片側だ。ソンが盤石なのに対し、反対側の候補は4人もいる。開幕してしばらくは出番がなかったが、11月のシティ、チェルシー、アーセナルの連戦でチャンスをもらうとその献身的なプレースタイルで一気にポジションを勝ち取った。未だリーグでのゴールがないことが気がかりだが、チャンスに顔は出せているのであまり過度にプレッシャーをかける必要はないと思う。
ルーカス・モウラ
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
コンディション不良で欠場することはあまりないのに、徐々に出場機会を得られなくなっている。まもなく加入して丸3年も経つのに、周囲との連携は一向に向上する気配が見られない。手詰まりの前線を一気に打開する突破力は魅力的だが、守備をサボってしまう場面が見られたり、ポジショニングが怪しかったりと少し扱いにくいままだ。ヨーロッパではパリとスパーズに所属し順調に見えるキャリアだが、プレースタイル的には個人突破を求められるリーグ中位のクラブで王様しているくらいがいいのかも。。
エリク・ラメラ
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
良くも悪くも「いつも通りのシーズン」を過ごしてる。ラメラに関してはそうだね、特に新しいコメントは思いつかないよ。だからホントはこの評価も『及第点』が正しいのかも。試合数が多くて選手層を厚くしようと思ったら、どうしても選手の出場時間には気を配らないといけなくなる。そんな中で毎試合出さなくていいラメラの存在は案外ありがたいのかも。そう思うようにしている。
ギャレス・ベイル
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
もしかしたら移籍による話題性だけでも十分このレンタル移籍の意味があったのかもしれないと、ポジティブに考えておきたい。1年契約の半分が過ぎてまだコンディション調整の域を出ない。ボールタッチとキックの精度には一流の匂いが漂うが、いかんせん走れない。最大の長所であるスプリントを抑えていては、プレミアのピッチに立たせることはできないよ。
あとがき
並べてみるとはっきりするのは攻撃は本当に特定の選手に頼っているということ。ちなみにリーグ戦の全試合に先発しているのは、ロリス、ホイビュア、ソン、ケインの4人でした。言わずもがなチームの大黒柱ですね。
ここまでは過去に例がないくらい負傷離脱の選手が少ない。どうかこのまま最後まで走り抜けられますように。