2020-2021シーズン個人別総合評価と移籍について〜MF編〜

第3弾はMF編

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採点基準:
★★★★★:驚きの活躍ぶり
★★★★☆:期待値以上
★★★☆☆:及第点
★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
★☆☆☆☆:全く戦力になれていない

移籍可能性:
★★★:放出候補
★★☆:オファー次第
★☆☆:残留濃厚

MF

ピエール・エミール・ホイビュア

評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり

 近年でも最も成功した移籍の1つに数えられる。サウサンプトンのキャプテンをわずか1500万ポンドでの獲得。もっといえば、同時にほぼ戦力外だったカイル・ウォーカー=ピータースを1200万ポンドでセインツに放出しているので、実質差額の300万ポンドでの取引だった。

 その金額が信じられないくらい、あっという間にチームの大黒柱になる。中盤の底での守備だけにとどまらず、鋭い縦パスも攻撃の起点として重要だった。さらには鬼の形相で仲間に喝をいれる姿はピッチ上のキャプテンと言えるような振る舞いだった。

 シーズンの終盤にはやや不安定なプレーを見せる時期もあったものの、それはホイビュアの評価を下げるようなものではない。既にチームにとって欠かせない選手であり、将来のキャプテン候補の最有力だ。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 初年度からこれだけの活躍を見せたホイビュアを放出する可能性はない。加入時に本人も語っていた通り、長くプレーし続けて欲しいと今は願うばかり。

タンギ・エンドンベレ

評価:★★★★☆:期待値以上

 1年を期待外れのまま終えたスパーズ史上最高額の男は、その実力を発揮しつつある。シーズンの大部分をホイビュアの相棒としてボランチに入り、その脅威のテクニックで見るものの興奮を生み出した。毎試合エンドンベレのプレー集はスーパープレー集だった。

 コンディション管理はあまり得意ではないらしく、フル出場した試合はポジションの割に多くはない。90分間継続できることが今後の課題ではある。また、メイソン体制になってから出場機会を減らしたように、次の監督次第ではまたどんな扱いになるかわからない。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 持っているポテンシャルを考えれば来シーズンは勝負の年ではないかと思う。今はまだ残留すると思うが、来季も絶対的な存在になれないのなら、そこからはどうなるかわからないぞ。

ハリー・ウィンクス

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 ここ数年間不動のボランチだったものの、ホイビュアが思いのほかフィットした上にエンドンベレがトップ下ではなくボランチを主戦場としたことで、出場機会が激減した。さらにモウリーニョは交代の1番手にシソコを選んでいたし、先発にロチェルソを使うこともあったため、シーズン中に移籍を仄めかすような発言も出てきてしまった。でもまあ気持ちはわかる。

 が、出場した時に周囲を納得させるプレーができていたわけではないこともまた事実。武器であるはずのパスは乱れ、ビルドアップ時の関わりも少なめ。メイソンになってからは出番を増やし、闘志あふれるプレーでチームを救ったこともあるが、いかんせん監督による好みに左右されるタイプである。

移籍:★★☆:オファー次第

 本人が出場機会を望むのなら最適な選択肢は移籍になるのかもしれない。ただアカデミー上がりの選手であり、感情的にはずっといてほしい。ノリッジで活躍していたスキップが戻ってくるのなら、争いはより過酷になるけど。

ムサ・シソコ

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 開幕からしばらくはスタメンで出ていたものの、エンドンベレがボランチで行ける目処が立ってからは3番手に降格し、終盤の守備固めでの起用がほとんどで、ご存知の通り守備が固まった例はない。ボールの扱いは元々うまくないが、今年は特にボランチを経由して持ち上がりたい戦い方だったため、シソコには苦しかったか。ホント何故ユーロのフランス代表に残れたのかわからないよ。

移籍:★★★:放出候補

 フランス代表に入ったことはスパーズには朗報だ。いい就職活動になる。買い手さえつけば今年でお別れということになりそうだ。シソコを愛してはいるけれど、チームを立て直すためにも入れ替えは必要です。

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ジオバニ・ロ・チェルソ

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 ロチェルソのシーズンになると期待されていたが、離脱期間が長かった。そのせいなのかコンディションも整わず、エンドンベレ同様に途中交代がほとんどだ。ポジションもボランチ、トップ下、右ウイングと定まらず、絶対的な存在にはまだなれていない。

 そこそこの万能プレイヤーに終わるか、チームの中心に選手になるのか来年は勝負所だ。出れば違いを生み出せるだけに課題はコンディショニングに尽きる。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 期待値は高い上に怪我がちなので具体的なオファーは今はなさそうだ。もっともっとやってほしい。同郷だからってラメラの足跡を辿る必要なんてないんだよ。

エリク・ラメラ

評価:★★★☆☆:及第点

 やっと長期離脱なくシーズンを戦えた。もうそれだけで満足な気がしている。スタメンを勝ち取れこそしなかったが、貴重なスーパーサブとして重用されていた。ほんの一時期だけだったけど、ドリブルすれば奪われない完璧な時期もあった。長くは続かなかったね。

移籍:★★★:放出候補

 問題は欲しがるクラブがあるかどうか。今年はマシだっただけで離脱の多い選手という印象は拭えないだろう。願ったものではないとはいえ、スパーズでやれることはもうやったと思われる。

デレ・アリ

評価:★☆☆☆☆:全く戦力になれていない

 最後の5試合くらいでシーズンの評価は覆せない。総合的に見れば全く戦力になれていない、シーズンだった。ただ、メイソンになってからを見るに、モウリーニョの戦術には絶望的に合わない選手だったんだなと思う。あんなに冷遇されるほどではなかった。

 おそらくアリのキャリアの中でスタメンを勝ち取れなかったシーズンは初めてで、そこから立て直すプロセスは経験したことがない。21歳の時にみんなが想像した未来のアリはこんなものじゃないはずだ。今季を糧に一皮剥けるか踏ん張りどころだ。

移籍:★★☆:オファー次第

 ポチェッティーノがPSGに呼びたがっている報道があったり、スパーズがポチェッティーノを呼びたがっているという報道があったりする。個人的には1年のスランプで見切るべきではないと思うが、現実には金額次第で出ていくかもしれない。

補強ポイント

 MFの枠をボランチ2枚とトップ下1枚までとするならば、緊急性は高くない。ただしそれは、ロチェルソやアリ、エンドンベレらが期待されている輝きを放つことが前提だ。新監督が現状の選手たちを信頼しきれないのなら、放出と獲得はあるだろう。

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