第2弾はDF編
採点基準:
★★★★★:驚きの活躍ぶり
★★★★☆:期待値以上
★★★☆☆:及第点
★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
★☆☆☆☆:全く戦力になれていない
移籍可能性:
★★★:放出候補
★★☆:オファー次第
★☆☆:残留濃厚
DF
エリック・ダイアー
評価:★★★★☆:期待値以上
プレー内容ではベストシーズンと言えるのではなかろうか。本人の望むセンターバックとして、4バックにも3バックにも対応してみせた。特に3バックのセンターでは、抜群の安定感を発揮。空中戦の強さ、統率力、展開力、どれをとってもハイレベルだった。怪我で離脱していると、その存在の大きさがよりわかるぜ。
6月のイングランド代表に招集されなかったことは不思議なくらいの良いパフォーマンスだった。最も、その件についてはサウスゲイトも「ダイアーのことはよく知っている。今回は若手を見たかったからだ」と釈明していた。この調子で行けば、W杯のメンバーには返り咲けると信じている。
移籍:★☆☆:残留濃厚
クラブ在籍8年目のシーズンにして、とても手応えを感じるシーズンになったはずだ。来年もスパーズの最終ラインにこの強面は欠かせない。放出はありえない。
クリスティアン・ロメロ
評価:★★★★☆:期待値以上
セリエA最優秀DFの称号は伊達じゃない。後ろをカバーするダイアーを信じて、相手攻撃陣に食らいつくような鋭いタックルは、パッション重視のイングランドサポーターの大好物だ。ボールを持てばベテランのような風格を漂わせた余裕を見せ、チームのリズムが停滞すれば喝を入れるように攻撃参加にも積極的。アルデルヴァイレルトの4番の最高の継承者だったようだ。正直これほど早くベルギーコンビの影を払拭できるなんてホント嬉しい誤算だよ。
来年の課題は怪我を減らすこと。今年は体感で半分はいなかった。W杯もあるのでフル稼働な年になりそうではあるが、うまく調整してくれ。
移籍:★☆☆:残留濃厚
加入1年目なので移籍の可能性はありません。というか先5年はいて欲しいくらいの選手です。
ベン・デイビス
評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり
永遠の2番手ベン・デイビスが初めて自分の力でポジションを勝ち取った。前からちょこちょこ本人が言っていた気もするが、スリーバックの左がベストポジションらしい。サイドと異なり身体能力の差は誤魔化せる、そして攻撃参加のタイミングは絶妙だ。左利きのセンターバックがデイビスしかいないという優位性はあったが、それを差し置いても素晴らしい活躍だった。
横の2人と違い、怪我で離脱する期間がほとんどないということは地味だけど評価されるべきポイントだろう。戦術理解度が高いので、突然WBにされてもSBにされてもそつなくこなせるのも大きい。夏には左利きのCBを取りには行くだろうが、易々とポジションを明け渡す気はなさそうだ。
移籍:★☆☆:残留濃厚
なんていうかデイビスって、いつまでもいそうですよね。ポジション取られても諦めずに蘇ってくる選手だし。来年も重要な選手でいることでしょう。地味だけど。
ダビンソン・サンチェス
評価:★★★☆☆:及第点
CBの最初の控えという立場ではたまに出ればそれなりのプレーをしていた。ただし加入当初思い描いていたようなスーパーな選手になる可能性はもう感じられない。コンテの3バック式ではこのポジションにも足元の技術が要求されるが、サンチェスにそこの成長を期待するのはもう酷というものだろう。
移籍:★★☆:オファー次第
ライバルがロメロでは話にならない。6月には26歳になってしまうサンチェスが、スパーズでスタメンを勝ち取る可能性はもうなさそうだ。あとは本人が現状をどう考えるか。チームとしてはいてもらえたら助かるけど、移籍希望なら話は聞くよ、そんなところでしょう。
ジョー・ロドン
評価:★☆☆☆☆:全く戦力になれていない
なんていうかその・・・同情するよロドンの扱いには。加入してからずっと同じ感想を持っているのだけど、出ればそれなりのプレーはする。他の選手のように致命的なミスをすることもない。ただ特筆するものもない。モウリーニョもメイソンもサントもコンテも同じようにロドンの序列が1番下に置いているのはきっと我々には見えない何かがあるのでしょう。とにかく出場時間が少ないのでこちらがどうこう言えることはないです。
移籍:★★★:放出候補
ウェールズ代表には継続して選ばれているし、評価してくれるクラブは少なくないだろう。流石に今のままでは辛いから、移籍を志願して放出となりそう。
ジャフェット・タンガンガ
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
本格的にサイドバックとして開幕からポジションをもらっていたのに、試合を重ねるごとに、ガッツだけでは到達できない壁にぶつかって伸び悩んでしまった。サンチェスと同様に今の足元の技術ではサイドもセンターも難しい。個人的にはセンターバックとして育てて欲しいと思ってはいるが、来年はどういう立ち位置になるだろうか。というかそんなことより、怪我の多さが改善されないとプレーの良し悪し以前に戦力になれないぞ。
移籍:★☆☆:残留濃厚
育成枠の関係もあって手放したくはない選手。最も、現在の稼働率を考えるとやや割高になりそうな移籍金を払ってまで獲得しにくるプレミアのクラブはないだろうから、基本的には残留だと思われる。
マット・ドハーティ
評価:★★★★☆:期待値以上
恩師ヌーノ・サントの元でかつての姿を取り戻すかと思われたがまさかの冷遇にあい、今年も苦しいシーズンになる雰囲気はあった。それがコンテの就任でWBというポジションが生まれると、2月ごろに突然覚醒した。ドハーティの復活劇は今シーズンのスパーズファンの心に刻まれたメイントピックの一つだろう。
無骨な顔したアイルランド人がいきなりエリクセンばりのゲームメイクを始めたのだから、その衝撃はひとしおだった。なんならあの時期の唯一の希望だった。それがヴィラ戦の無駄なタックルで離脱したのだから、全米が泣いた。30歳になったとはいえ、来年が楽しみすぎる選手の1人ではある。
移籍:★☆☆:残留濃厚
来年こそ、ウルブズで見せていたような活躍を取り戻してくれるはずだ。おそらく獲得しにくるクラブなないだろうから、安心していられるよ。
エメルソン・ロイヤル
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
夏の移籍のゴタゴタのせいで、常に冨安と比較されていて可哀想ではある。あっちがすごいだけで、プレミア1年目なんて本来はこんなものなのよ。今年はあたり補強が多過ぎただけ、そっちの方がおかしいのよ。
攻撃面での貢献度が低かったのも、ウイングバックなどという特殊なポジションを経験してこなかったのだからある程度は理解できる。もちろん来年からは容赦しないけどな。
移籍:★★☆:オファー次第
体の大きさ以外はこれといった強みが見えてこないのは悲しいが、それでも終盤は存在感を増してきた。来年1年は見てもいいんじゃないかと思っている。それでもオファーと新規獲得の目処次第では放出はあり得る。
セルヒオ・レギロン
評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
常にエネルギーは有り余っているような元気なプレースタイルは大好きなんだけど、あまりにも丁寧さに欠ける。プレッシャーもないのに近場へのパスをミスして何度カウンターを招いたことか。シーズンが進むにつれ明確に序列を落としてしまった。
いるとチームが活性化するので、プレーの正確性さえ向上すれば十分にポジション争いにも負けないと思う。コンテマジックでレギロンも1段階上のレベルに上がって欲しい。
移籍:★★☆:オファー次第
怪我のせいもあるけれど、今はセセニョンが1番手のような匂いがしている。そうなればレギロンも自身の去就は考えるところだろう。好きなんだけどな、レギロンのプレー。
ライアン・セセニョン
評価:★★★★☆:期待値以上
レギロン、デイビスに次3番目の左サイドバックという序列だったため、ほとんど期待はしていなかった。この人もドハーティと同じ、3バックの恩恵をもろに受けた人だ。おかげでデイビスはライバルではなくなり、レギロンもいい加減なプレーを連発したせいでチャンスが巡ってきた。最初はボールを怖がっているような顔をしていたが、時間と共に自信みなぎり、前を向いてプレーできるようになった。
ネクスト・ベイルという大きすぎる異名のせいで物足りなく見えているのは否めないが、本家ベイルだってスパーズ加入から活躍までには3年くらいはかかっているのだから、焦ることは全くない。
移籍:★☆☆:残留濃厚
来シーズンが楽しみな選手の1人。手応えはあっただろうから、本人も気合は十分のはずだ。ライバルがレギロンになるか新加入選手になるのかはわからないが、引くことはないからな。
補強ポイント
必須なのは左利きのセンターバック。デイビスとポジションを争い、奪えてしまうくらいの選手が理想だ。当然高いだろうけど。あとは自ら仕掛けていけるタイプのウイングバックが欲しい。来年は交代枠が5人になるらしいから、負担の大きいWBはどんどん交代させながら使っていけると良い。なら負傷離脱も考慮して、4人とは言わず5、6人体制でいるのがベストだろう。少なくともドハーティは両サイドできるから、右WBの新入りは欲しい。