2023-2024シーズン個人別総合評価と移籍について〜MF編〜

第3弾はMF編

採点基準:
★★★★★:驚きの活躍ぶり
★★★★☆:期待値以上
★★★☆☆:及第点
★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
★☆☆☆☆:全く戦力になれていない

移籍可能性:
★★★:放出候補
★★☆:オファー次第
★☆☆:残留濃厚

MF

イヴ・ビスマ

評価:★★★☆☆:及第点

 4-1-2-3のアンカーポジションとして、ポステコグルーに信頼された1年だった。序盤戦はマディソンと並んで中盤を支配、ビルドアップの面で無理に見える局面をドリブルで運んでしまうブライトン時代のビスマの姿をようやく見ることができた。しかしアフリカネーションズカップから帰ってきてからは別人のようだった。12月あたりにビスマのミスから失点が続いたことを引きずってか、プレーが全体的に消極的になってしまい支配力が急降下した。

 難しい役割を与えられていることは承知の上だが、最高のビスマを知っているが故に安定してそれを発揮してほしいと思ってしまう。自分を信じて仲間を信じて勇気あるプレーを続けてくれ。

移籍:★★☆:オファー次第

 ポステコグルーはチームに留めておきたいようだが、絶対的な存在とまではいえないと思う。ビスマに託したい気持ちもあるし、納得のいく金額のオファーがくれば高額なうちに放出してしまうのもアリかもしれない。

ピエール・エミール・ホイビュア

評価:★★★☆☆:及第点

 悔しいシーズンになったと思う。アンカーとして数えられていたと認識しているがどんなにビスマが不調でもホイビュアの方が信頼されることはなかった。というか、先発のチャンスを得た時に失点に絡むミスをしまったためにポジションを奪うことが出来なかったという方が正しいのかもしれない。

 加入から常にスタメンだったホイビュアにしては、途中出場メインの起用法では試合勘を維持するのに苦戦していたはずだ。それでもエメルソンと並んで全試合でメンバー入りを果たし、文句も言わずに準備をしては一定の計算が出来る選手ではいてくれた。

移籍:★★☆:オファー次第

 チームを助けてくれる選手ではある。デイビスのように最高のバックアッパーに満足しなければ出ていくことになりそうだ。幸い、ホイビュアを欲しがるクラブはたくさんある。

オリバー・スキップ

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 開幕戦こそスタメンを勝ち取ったものの、サールにポジションを奪われてはみるみると序列を下げていった。中盤を3枠と考えるとスキップは7番手。いや、クルゼフスキの中盤起用もあったので、事実上の8番手か。

 周囲がよく見えていて、囮となるためのランニングの質は高いが、ボールを持った時に怖いプレーを選択しないので、囮が囮じゃなくなってしまっている。ボールから逃げてしまう自信のなさはポステコグルーのスタイルでは致命的だった。

 昨シーズンから思っているが、出来るかどうかに関わらず勝負のパスやドリブルの選択肢を増やさないとウィンクスと同じ道を辿ることになってしまう。数々の監督に将来のキャプテンだと言わしめたアカデミー上がりの才能をまだ失いたくはない。

移籍:★★☆:オファー次第

 今の立場から上がっていくには試合に出る必要がある。理想的にはプレミアのチームへのレンタルだがそう上手くいくだろうか。

パペ・マタル・サール

評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり

 期待値との対比になると評価は高くなる。武者修行もあるかと思っていた若者は、気付けば欠かせない戦力になっていた。ゴールに直結するプレーは多くないが中盤を走り回ってチームメイトを助けてくれる。パスを引き出すためにスペースに動いてボールを受けては何メートルかドリブルで運んでくれる地味なプレーがビルドアップの要になっている。いる時よりいない時の方が意味のわかる選手だ。ベテランみたいな寸評だなこりゃ。

 最後にはセンターフォワードもやらされていたし、将来は何を最大の武器にしていく選手になるのか成長がとても楽しみだ。中盤の構成は今も試行錯誤中だし、割と交代も多いポジションだから適度に出場機会を保ちつつ長めで見守っていきたい。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 シーズン中に契約更新もしていたし、こんな才能を迂闊に放出はしないはずだ。

ロドリゴ・ベンタンクール

評価:★★★☆☆:及第点

 昨シーズンの負傷で開幕からは出遅れ、ようやく戻ってきたと思ったら理不尽なタックルで再びの離脱となる試練のシーズンだった。いずれも大きい怪我だったが、懸命のリハビリを終えて影響は小さく留めてきた。元のようにプレーできるかはわからないと言われる類の怪我なだけに心配していたけど本当によかった。

 ベンタンクールの適性をアンカーと見ているのかインサイドハーフと見ているのかはわからないままだったが、どちらで出ても一定以上の成果は上げていた。ボールを持った時の失わないプレーには品があり、必要な時に攻め上がっていくセンスもあってとても良い。

移籍:★★☆:オファー次第

 感覚的にはビスマと同じかな。出したくはないがいい額のオファーがくれば考えることになるかもしれない。

ジェームズ・マディソン

評価:★★★★☆:期待値以上

 ハリー・ケインの10番を引き継ぐ男。プレッシャーはあったかもしれないが、完璧なスタートダッシュでケインの影を消し去ってくれた。序盤戦の存在感はそりゃもう圧倒的で、マディソンが持てば何かが起こるというオーラを纏っていた。足首の負傷で3ヶ月も離脱してしまい、戻ってきてからはあの時のオーラを取り戻すのに苦労したままシーズンを終えてしまった。

 まあマディソンのせいだけじゃないとは思うけどね。チーム全体として押し込んでいるのに自らスペースを消すようなポジションをみんなが取っているので、マディソンが持っても出すところがないのだから。ただマディソンに対して気になっているところを言うと、グラウンダーのパスがほとんどで距離のある展開や裏に落とす浮き球のパスなんかが少ないように思う。レスター時代からそうだったのかがわからないが、10番的な選手なだけにもうちょっと広いレンジで試合を動かしていくタイプかと思っていた。この辺は監督の指示もありそうだけど。みんなやっていないからよくわからん。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 初年度でチームの中心。移籍はあり得ませんな。

ジオバニ・ロ・チェルソ

 昨夏に移籍の予定だったが、プレシーズンの輝きを受けて一転残留することになる。それ自体はみんな納得だったが、いつものように1試合出れば2週間欠場するようなペースでいなくなるので重要な存在にはなれなかった。12月は頑張ってくれたと思うからそこは感謝してる。

 出場機会の少なさについて文句を言っているような報道が見られたのは残念だったし、たぶんロチェルソ本人以外の人はじゃあ怪我しないでくれよと思っただけで悪い印象だったあれは。好きな選手ではあるんだけどね、一方的に愛しては裏切られるような気持ちになるのは辛いのよわかるかい。

移籍:★★★:放出候補

 ここでお別れになるでしょう。どのチームでもやれる実力はあるはずだ。ただプレミア以外でやった方がいいとは思う。新天地では頑張ってな。

補強ポイント

 それなりに戦力は整っているとは思うけど、新規の獲得は目指しているらしい。マディソンと争うプレーメーカーとアンカーの良い選手がいれば嬉しい。しかし誰かが来ると言うことは誰かが出ていくと言うことでそれは悲しい。

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