2018-2019 UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 セカンドレグ
Borussia Dortmund 0 – 1 Tottenham Hotspur
Stadium:シグナル・イドゥナ・パーク
得点
49分:ハリー・ケイン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
ロリス、オーリエ、アルデルヴァイレルト、サンチェス、フェルトンゲン、デイビス、エリクセン(83’ローズ)、シソコ、ウィンクス(55’ダイアー)、ソン(71’ラメラ)、ケイン
sub:ガッサニーガ、ワニャマ、モウラ、ジョレンテ
ボルシア・ドルトムント
ビュルキ、ヴォルフ(52’ラーセン)、ヴァイグル、アカンジ、ディアロ、ゲッツェ、ヴィツェル、ロイス(74’デラネイ)、サンチョ、アルカセル、ゲレイロ(52’プリシッチ)
sub:ヒッツ、ザガドゥ、ハキミ、シュメルツァー
徹底して勝ち上がりを目指すスタイルで、
見事ベスト8進出です。
大人になったトッテナム
試合日程を勘違いしていたため、プレビュー書き損じましたすみません。
ファーストレグで勝ち取った3点のアドバンテージがとてつもなく大きいと感じられるゲームでした。最初の試合ではお互いにエースを欠いた状態で戦うことになりましたが、トッテナムはケイン、ドルトムントはロイス、アルカセルあたりが復帰しました。試合を振り出しに戻すにはドルトムントは無失点に抑えた上で3点を取らないといけない。メンバー構成からも攻撃にかなり重きをおいている事が感じられます。開始前から大観衆のYou’ll Never Walk Aloneとビックイヤーの見事なコレオで奇跡を後押し。雰囲気のあるスタジアムですね。
今日のトッテナムはスリーバックではなくファイブバック。オーリエとデイビスは無理に上がることは決してなく、あくまで守備が第一優先です。前線の守備も軽くディフェンスラインにプレッシャーをかけるけど、比較的早めに諦めて帰陣して、中盤の守備に合流したり、奪った後のカウンターに力を注ぎました。
得点を奪わなければならないドルトムントの攻撃をスパーズが受け止める一方的な展開になります。ロイスとゲッツェがサイドの選手とうまく連携を取り、気持ちのいいパスワークで攻撃を組み立てる。スパーズのサイドの選手はウイングバックの2人しかいないため、センターハーフがスライドして対応することになるが、なかなか追いつけない。前半だけで5、6回飛んできた枠内シュートを全てロリスが止めてくれました。いずれもファインセーブ。今日はロリスの日だった。
20分過ぎには前に残っていた2人が守備に加われていないことを受け、ソンを左サイドに開かせる、5-4-1に布陣を変更しました。これで安定してサイドの守備を行えるようになった。ボールを奪えばソン一気に前に駆け上がり、エリクセンがシンプルかつキレのあるスルーパスを送りケイン共々走らせます。選手全員にリスクを冒さないという意識が徹底されており、今までにないほど守備的でした。
ディフェンスも積極的に奪いに行くというよりはスペースを埋める方を大事にしていた。5-4の間をかなり狭くしていてドルトムントの選手は自由になれない、するとサイドにボールが動くのでそこにはサイドハーフとサイドバックで対応する。クロスをあげられれば相手のフォワードより空中戦に強い選手が揃っているし、裏を狙われればサンチェスのスピードで対抗する。サンチェスはやや足元にボールが来た時は不安定でしたが、カバーリングはしっかりやれていた。いつもは辛口になるオーリエもいい守備してましたよ。
2度目のベスト8
後半もスパーズゴールに攻め立てるドルトムントだったがわずか4分で試合が決まる。エリクセンのスルーパスはディフェンスに引っかかるもそこにセンターバックが食いついたのを見逃さなかったのが、今日も抜群のフィジカルと推進力を生かし、脅威になり続けていたシソコ。丁寧で柔らかなスルーパスをケインに通すと、全く危なげなくビュルキとの一対一を制しスパーズが先制。これで残り40分で5点が必要だったドルトムントは明らかにテンションが下がりました。
サポーターも静かになる中、ディフェンスを下げ、より前がかりになるようメンバーを代えてくる。ここで代えられたヴォルフは前回対戦時に手を焼いていたハキミを押して出てきた選手です。ハキミは攻撃はよかったけど、守備の面で失点の原因を作っていたし、その後のリーグ戦でもあまり良くなかったらしく、今日はヴォルフでした。しかしドルトムントの中でこのヴォルフだけが唯一前半からリズムに乗れていなかった。攻撃力を買われているだけあって、かなり上がってはきたものの、クロスの精度が酷すぎてチャンスを潰しまくっていた。さらにサンチョとの連携もさっぱりだったので、右サイドが沈黙。スパーズはだいぶ助けられました。
前線の選手を増やしてきたことでさらにスペースがなくなり、5点は厳しいという選手たちの思いが、時間とともに動きを少なくしていき、あとは静かにゲームセット。前半の攻勢が嘘のように後半は決定的な場面がありませんでした。ポゼッションは完全に相手に握られていたけど、初戦のアドバンテージを最大限に生かした良い試合だったと思っています。去年と合わせて対ドルトムント戦は4戦4勝です。
プレミアリーグは厳しい状況になりながら、CLでは念願のベスト8にたどり着いた。ここが本当の勝負。自分たちの記録を越えられるか。