2019-2020 プレミアリーグ 第4節
Arsenal 2 – 2 Tottenham Hotspur
Stadium:エミレーツ・スタジアム
得点
10分:クリスティアン・エリクセン(Spurs)
40分:ハリー・ケイン(Spurs)
45分:アレクサンドル・ラカゼット(Gunners)
71分:ピエール・エメリク・オーバメヤン(Gunners)
トッテナム・ホットスパー
FW ケイン、ソン(79’ロチェルソ)
MF エリクセン、ウィンクス、シソコ、ラメラ(60’アリ)
DF ローズ、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルト、サンチェス
GK ロリス
sub:ガッサニーガ、オーリエ、デイビス、スキップ、モウラ
アーセナル
FW オーバメヤン、ラカゼット(67’ムヒタリアン)、ぺぺ
MF グエンドゥジ、ジャカ、トレイラ(63’セバージョス)
DF コラシナツ、ルイス、ソクラティス、ナイルズ
GK レノ
sub:マルティネス、チェンバース、エジル、ウィロック、ネルソン
結果はともかく面白い試合でした。
やれることはやった、かな。
作戦的中
通算199回目のノース・ロンドン・ダービです。開幕から低調が続いているスパーズにしてはかなり面白い試合でした。非常にオープンで、スピードや激しさもダービーらしく、随所に互いのキーパーの好セーブもあり締まった試合になった。さらにエミレーツのお客さんのリアクションがこれまでになく良い雰囲気を作っていました。普段は知らないけど、ここは比較的おとなしいスタジアムらしい。今年のチームへの期待感が高いのか、まだ順位争いというには早いシーズン序盤のゲームにも関わらず、凄まじい声援でした。
アーセナルは予想通り攻撃的な布陣、戦術で臨みます。初めて強力なスリートップが揃ってスタメンとなりました。対してトッテナムは右サイドバックにまさかのダビンソン・サンチェスを起用する4-4-2を選択。オーリエがいるにも関わらずサンチェスが起用されるあたり、オーリエは完全に構想外なのでしょう。サンチェスも良かったとは言い難いが。
試合はホームチームが「ガンガンいこうぜ」スタイルで入り、アウェーチームは得意のカウンター狙いという展開です。思っていた通り、こうなればスパーズは戦える。守備時は4-4のブロックで守り、奪えればまずは最前線を狙う。アーセナルがあまりにも前がかりなので裏には広大なスペースがあり、ソンのスピードで一発抜き去られるのを恐れた守備陣はまずリトリートするのでソンにうまくボールが届いていました。
ゴールキックでのビルドアップもスリートップがしっかりプレスをかけてくるのもお構いなしに、新ルールを生かしてペナルティエリアから繋いでいく。そうしてアーセナルを前に前に引き出したところで、ロングボールで裏を狙う。用意してきた作戦が見事にはまりました。先制はトッテナム。ラメラもエリクセンも良くソンに負けじと走っていました。ちなみにケインは基本的には低めで起点となる役割を与えられていたようで、比較的低めの位置からのスタートが多くなっていました。
得点後も流れは同じで攻めるアーセナルに守るスパーズ。確かにアーセナルの3枚は強力だけど、まだまだお互いの噛み合わせがうまくいっていないようでした。しかし時間が経てばリヴァプールのスリートップくらいのレベルには達する予感がする。今当たれて良かったかもしれない。
まずはサイドに入れてくるところをスパーズはしっかりケアしていた。サイドバックと1対1にならないように左はラメラ、右はエリクセン、必要ならボランチも寄せて数では負けないようにしている。サンチェスは終始不安定に見えたけど、やはり身体能力は凄まじく、単純な守備では頑張っていた。奪った後のボールプレーが散々だったので印象がとても悪くなってしまった。サンチェスの足元に入ってからは奪われる気しかしなかったよ。
サイドの守備にしっかり戻っていたラメラ。それと追加点につながったウィンクスのプレー。普段とは違う気合が感じられると同時に、いつもはやや手を抜いていることがわかってしまうなと思った。相手が引いて変化が必要なニューカッスル戦のような試合こそ、ポジションを放棄してもチャレンジしていくウィンクスのあのプレーを見せて欲しい。とはいえ今日はサンチェス以外は良かったし、サンチェスに関してはイレギュラーなポジションで昨年の得点王を相手にしたことを考えれば、頑張った方ではないでしょうか。KWPやフォイスなら問題なかったとはいえないわけだし。
自ら武器を捨てた後半戦
まず前半終了間際の失点は痛かった。2-0で折り返すのと2-1にされてしまうのとではまるで違う。立ち上がりから猛攻にさらされて、ついに同点にされた時に逆転弾を浴びるのは時間の問題だと思っていた。互いに交代枠を使い切ることはなかったけど、ラカゼットを下げてくれたのには助かった。目立ってはいなかったかもしれないけど、ラカゼットが真ん中で睨みを聞かせているのは脅威だった。
逆にこちらは途中から意図はよくわからなかったけど、ソンを右サイドに変更したことで、裏に走る選手がいなくなってしまい、攻撃の手立てがなくなってしまった。うちの攻撃で、可能性を感じられるのはソンのフリーランニングのみ。残り10分のよりオープンになった時間にこそ、モウラを出しても良かったと思っている。こういう流れでもケインを下げられないというのは辛いところだし、ポチェッティーノが勇気を出さなければいけない部分だと思う。
どちらも勝ち越しのチャンスはありながら、決めきれずに引き分けに終わりました。最後のシソコのシュートは本当に勿体無かった。正直ラストパスを受けたシソコがシュート体制に入った時点で希望は捨てていましたけどね。悪いけどもう少しシュート練習はしてくれよ。せっかく走っているのにチャンスを潰しちゃったらしょうがないぜ。
去年もエミレーツでは先制しながら2-4で負けている。それに比べれば良い結果でした。
開幕から1勝1敗2訳だからよくは見えないけれど、アウェーでシティとアーセナルに負けなかったのはむしろ良いのではないでしょうか。早くも諦めの声を上げている人もいるようですが、シーズンはこれからだよ。