2019-2020 プレミアリーグ 第23節
Watford 0 – 0 Tottenham Hotspur
Stadium:ヴィカレージ・ロード・スタジアム
得点
なし
トッテナム・ホットスパー
FW モウラ
MF ソン、ウィンクス、アリ(73’エリクセン)、ロチェルソ(80’フェルナンデス)、ラメラ
DF タンガンガ、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルト、オーリエ
GK ガッサニーガ
sub:フォルム、サンチェス、ダイアー、スキップ、セセニョン
ワトフォード
FW デウロフェウ、ディーニー、サール(89’プッセット)
MF チャロパー(79’ペレイラ)、ドゥクレ、キャプエ
DF マリアッパ、キャスカート、ドーソン、マシナ
GK フォスター
sub:ゴメス、ホレバス、カバセレ、クイナ、グレイ
やはり点を取れる気がしません。
スコアレスは妥当でした。
誰もペナルティエリアに入っていかない
試合内容は良かったリヴァプール戦、2020年初勝利を上げたミドルズブラ戦を終え、机上では好調風になっているスパーズと、およそ1ヶ月本物の好調を維持しているワトフォード。あまり心踊らない試合になり、結果、スコアレスでした。
モウリーニョはちゃんと結果を出した選手を起用してくれる。これは選手のモチベーションを考えても良いことでしょう。ワトフォード戦で得点を奪ったラメラとロチェルソはともにスタメンに入り、タンガンガは左サイドバックです。そして新加入のジェドソン・フェルナンデスが早速ベンチに入りました。
攻撃面に言いたいことがたくさんありますが、まずは左サイドバックから。本職センターバックの右利きの選手にここをやらせるのはなかなか厳しい。攻めは自重させる変形スリーバックだったのかもしれませんが、とてもやりにくそうでした。結果無失点に終われたので、いい経験になったね、で済みますが、対面するイスマイラ・サールに完敗です。若いタンガンガと言いたいところですが、サールは1歳上なだけ、負けていられないよ。
さあ前の方の話に行きましょう。基本はモウラは最前線、ソンは左サイドに大きく開いています。ウィンクスが中盤の底にいて、アリ、ラメラ、ロチェルソが代わる代わる降りてきたり、ポジションを入れ替えながらボールを運ぼうとします。テクニカルな選手が多いのでボールは持てる、それなりにドリブルもできる、でもそれをチャンスにつなげることは出来ていない。
3列目までの後方ではパスを回せますが、2列目の位置でなんとか相手のマークを剥がしてやろうという努力がなさすぎる。なので縦パスを入れられない、360度敵しかいない密集の中で止まって受けようとする選手にパスを差し込んでも、そのあとどうするつもりなのでしょうか。誰もが止まっているので3人目の受け手はおらず、縦パスを入れても入れた選手にシンプルにリターンすることしかできません。出してもワンツーで崩そうとパスの後に走ったりしないので。
そしてもう一つ致命的なのが、右のオーリエと左のソンが大きく開いてサイドをえぐりにいくその先がないこと。いざクロスの体勢に入った時に中でターゲットになるのはモウラだけ、それを見てクロスを躊躇うシーンが何度もありました。スタメンを選んだ時点でそんなことはわかっていたはずなのに、サイド攻撃の後クロスを上げないのであれば、どうやって点を取るつもりなのでしょう。
いや、闇雲にクロスを放れと言いたいわけではありません。今のメンバーを考えると、サイドからのシンプルなクロスが基本戦術として有効ではないことくらい誰でもわかります。じゃあ何でサイドを攻略する時に、もう一つ内側のレーンを走っている選手がいないのか。高さで勝てないことが明白ならば、内側をとってそこからグラウンダーのクロスを上げるのが最も効率がいい。可能性がある。そんな動きが全くないのは選手がどうこうというよりも、そういう作戦を監督やコーチ陣が立てていないせいだと思います。
このサイド攻略のこと以外にも、そもそもフリーランニングをしてくれる選手がほとんどいません。途中まではただ崩せないなと思っていたのですが、新加入のジェドソン・フェルナンデスが入り、前の選手を追い越して出て行く姿を見ると、ああ、欠けていたのはこういうプレーなんだなと思わされました。
最初に23節を戦ったトッテナムに引きづられてか、ライバルたちも軒並み勝ち点を落としてくれました。仲良いですよねほんと。4位チェルシーまで8ポイント。まあ数字の上では射程圏内ですが、今のままでは望み薄です。何とか変わってくれ。