2020-2021 プレミアリーグ 第1節
Tottenham Hotspur 0 – 1 Everton
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:20勝10敗4分(勝率:59%)
得点
55分:ドミニク・キャルバート・ルーウィン(Toffees)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、モウラ
MF ウィンクス(60’ベルフワイン)、アリ(46’シソコ)、ホイビュア
DF デイビス、ダイアー、アルデルヴァイレルト、ドハーティ(76’エンドンベレ)
GK ロリス
sub:ハート、サンチェス、オーリエ、ラメラ
エヴァートン
FW リシャルソン、ルーウィン(89’キーン)、ロドリゲス(92’デイビス)
MF ドゥクレ、アラン、ゴメス(68’シグルズソン)
DF ディニュ、キーン、ミナ、コールマン
GK ピックフォード
sub:バージニア、ケニー、ウォルコット、ベルナルジ
おっとこれは思っていたのと違うぞ。
気が重くなる開幕戦になった。
得点の匂いがまたなくなった
書き出し高めのテンションで行きたかったのですが、そんな気持ちにはなれないね。2020-2021シーズンの開幕戦。振り返っていこうか。
1部リーグの開幕戦のカードで最も多い組み合わせがこのスパーズvsエヴァートンらしい。さらにいうとスパーズはしばらくエヴァートンには負けていないらしい。そんなことを冒頭の実況で言われると、不安な気持ちになるよな。
両者新加入選手を早速揃えてきた。監督まで含めかなり見栄えのするメンバーが揃っている。これが昨年6位と12位なんだから本当にプレミアは金がある。この新入りたちの中で、最も輝いていたのは残念ながらハメス・ロドリゲス。ボールが収まればまず奪えないし、サイドチェンジは的確で正確。一撃で決定機を創出できる空気が常に漂う選手だった。
元気にハイプレスで試合に入り、今年はそっちでいくのか、いいぞ、と思ったのだが、エヴァートンの出来立ての中盤がプレス回避の技術が高すぎで、まるで捕まらない。ピックフォードに逃せば最前線までロングキックになるが、それもキャルバート=ルーウィンが頑張るので、なかなか回収できなかった。
そして後半、アリに変えてシソコを入れたところから少しずつおかしくなっていく。
シソコを右サイドに出した4-4-2の布陣に変更。モウラが中央でやや下がり目なので4-2-3-1とも言えるかもしれない。狙いはちょっとわからなかったけど、シソコがサイドに開くせいでそこが渋滞してしまった。モウリーニョが就任してすぐも右サイドのシソコを試した記憶があるが、スパーズに来てからの4年間で右がハマった時期はないのだからそれはもう諦めるべきだ。
失点もしたことでそこは早期に修正する。シソコはボランチに落としてモウラとベルフワインが両サイド。ソンとケインのツートップだ。結局これもハマっていなかったが、采配のミスを認めて次の手を打てるのは数少ない好ポイントか。
しかしまた、攻撃の形がないという悩みが露呈した。アルデルヴァイレルトが裏を狙う以外は、全員足元でもらうことしか頭にない。それも自分の基本ポジションの範疇であり、もらった後がない。エヴァートンのサイドチェンジを見習うべきだ。というか普通にエヴァートン強かったな。今年こそ来るかな?
同点に追いつきたい展開でほとんどチャンスを作れないまま終わった。エンドンベレも相変わらず見ているものを唸らせるファーストプレーをしただけで沈黙した。というか堅実に繋ぐだけでいい場面で引っ掛けてはピンチを招いていた。なんでラメラより序列が上だったのだろうか。
そしてなんの可能性も感じられないまま終了。希望に満ちた開幕戦は絶望の開幕戦になっていた。
補強する気になってくれ
先にうちの新加入の話もしておく。
ホイビュアはあまりセインツ時代のプレーは覚えていないのだけど、聞いていた通りのファイター系。右に左に至る所に顔を出して、潰しに繋ぎに働いていた。去年はあまり見られなかった5番の背中がとても頼もしく見えた。
ドハーティはあがるタイミングに悩む場面も見られたが、こちらもプレシーズンがなかった割に持ち味を出せていた。横にパスをつけた後に常にワンツーを狙う姿勢はスパーズにかけているもので、これぞドハーティという動きがあって嬉しくなった。ケインとのワンツーで抜け出した決定機は真骨頂。遠からず得点に直結するプレーができそうだ。
前半で変えられてしまったアリ。たしかに目立つことはできなかったが、アリは大事な存在だったと思う。自分のポジションから動いてパスを引き出す動きをしていたのはアリだけだった。ボールを持ってからのプレーが悪く見えたのはアリだけのせいじゃない。その証拠に誰がボールを受けてもドリブル以外の打開策はなかった。後半は前にボールが入ることもなかったわけだし。
まあそのアリも含めて、攻撃の創造性という課題は本当に深刻だ。というかそれを持っていたのは、今思えば過去5年間でエリクセンだけなのだが。
でもそれは本来、特定の選手に依存するべきじゃない。依存した結果が今のスパーズなわけで、エリクセンのような選手がいないチームだって点は取れる。要はチームのコンセプトの問題だ。
よく指摘されるように、ここまでモウリーニョの攻撃の引き出しというものは見られていない。あまりにも個の打開力に頼りすぎている。ポチェッティーノがやっていたように、今日のエヴァートンがそうだったように、2列目にエリクセンやハメスのような選手を置きたい。彼ほどの技術はなくても、役割としてボールをもらってパスを散らすタイプの選手を。
最後にケインのところ。ケイン自身のコンディションがどうだということがわからないくらい、関与する時間が少なかった。このままなら申し訳ないがケインが下がって散らすプレーを求めないといけない。もっというと、ケインと違ったタイプのストライカーをベンチに置いて、潔く変えていくのも必要だと思う。いずれにせよ補強してくれ。
長くなったのでこの辺にするけど、ポジティブな面を探すのが大変な開幕戦だった。プレシーズンの時間はなんだったのか。ここからは早速過密日程になっていて、練習場で深めていく時間はない。試合を重ねながら変わっていってくれ、さもなければ暗いシーズンの再来になる。