2020-2021 プレミアリーグ 第11節
Tottenham Hotspur 2 – 0 Arsenal
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:27勝10敗6分(勝率:63%)
得点
13分:ソン・フンミン(Spurs)
45分:ハリー・ケイン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン(88’モウラ)、ケイン、ベルフワイン(91’ロドン)
MF ホイビュア、ロチェルソ(72’デイビス)、シソコ
DF レギロン、ダイアー、アルデルヴァイレルト、オーリエ
GK ロリス
sub:ハート、ウィンクス、ベイル、ヴィニシウス
アーセナル
FW オーバメヤン、ラカゼット、ウィリアン
MF サカ、ジャカ、トーマス(45’セバージョス)、ペジェリン(75’エンケティア)
DF ティアニー、ガブリエウ、ホールディング
GK レノ
sub:ルナルソン、ムスタフィ、ナイルズ、エルネニー、ウィロック
スリリングさには欠けるダービーだが、
大事なのは結果です。
慢心など一切ない
ホームスタジアムにお客さんが戻ってきた。放送の上で乗せられている歓声もあるだろうから一概には言えないが、少なからずサポーターの声は力になっていたはずだ。日本の規制とは違い、イギリスでは声を上げての応援は認められているらしい。まあおそらくルール作っても守られないのだろうが・・・。マスクは流石にしないといけないらしいけど、そんなのはお構いなしという姿が早々にどアップで映っていた。気持ちは理解できるがそりゃダメよ。未来のために気をつけてくれ。
さてこの試合はノース・ロンドン・ダービー。冒頭にも「数あるロンドンダービーの中で、おそらく最も熱いダービーがこのカードです」とご紹介いただいた。本来はもっとバチバチとしたプレーや雰囲気が見られるものだが、スパーズの守備陣が放つ集中力の前にアーセナルが沈黙したことで静かでいて固い試合になった。
ボールを握るのはアーセナルだが、シティ、チェルシーを終えてきたスパーズの前にはさほど脅威に感じられない攻撃ばかりだった。前の2試合に比べてスパーズのファーストディフェンスの位置も比較的高め、たまにディフェンスラインにもプレッシャーをかけに行っていた。
今のスパーズは不思議なもので、ボールをいくら持たれていても全くやられる気がしない。見ているこっちもストレスを感じない。それはわずか1度のカウンターをゴールに繋げられる力があることを信じているからだ。
今日もぶちかましたのはソン&ケインのホットライン。13分にはケインのボールに抜け出したソンが周囲を使うかと思わせておいて、やや遠目から美しい軌道を描いたコントロールショットを決めて見せた。練習でもなかなかあんな綺麗なコースには蹴れるもんじゃない。アーセナルの寄せの甘さもあるがソンの大外を献身的に走っていたレギロンの貢献も見逃せないポイントだった。
そして前半終了間際にも、カウンターでソンからケイン。これでケインはノース・ロンドン・ダービー史上、最も点を取った選手になったという。通算11ゴール。これからも伸びることを考えて、ケインを凌ぐ選手は先20年は出てこないだろう。
91%の支配率でボールを持たれていても、わずかワンチャンスで仕留めてしまう。チームとしての戦術が本当に浸透してきているし、その精度も日に日に増している。
後半はさらに引いた展開になったが、危ないシーンはあまりなし。しかし2点差のリードを舐めてかからないのが百戦錬磨のジョゼ・モウリーニョ。70分過ぎにはデイビスを入れて5バックにし、アディショナルタイムにはロドンも入れて6バックでクリーンシートを守ってみせた。
この采配からは強烈な意思を感じる。数々のタイトルを勝ち取ってきたモウリーニョは本当に現実的な人だし、それだからこその実績なんだと改めて思わされた。ただポイントを失わなければいいだけじゃない。この時間帯に気持ちが緩んで2-1で勝利することの恐ろしさを知っているからだと思う。テレビの前で見ていながら、こちらも身が引き締まる思いだった。
シティ、チェルシー、アーセナルの3連戦。終わってみれば2勝1分。なんと失点はしていない。こんな芸当ができるチームが他にあろうか。いや、クリーンシートでいえばその前のWBA戦からだから実に4試合連続だ。開幕から守備が心配だったのが嘘のように戦っている。
そしてまた首位を堅持した。プレミア10節以降でスパーズが首位に立っているのは初のことだという。見たことない景色だけどここはこんなに気持ちいいものなんだね。願わくばこの時間がいつまでも続きますよう。
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