[PL]第5節 トッテナム・ホットスパー vs チェルシー

2021-2022 プレミアリーグ 第5節

Tottenham Hotspur 0 – 3 Chelsea 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:41勝17敗6分(勝率:64%) 

得点
49分:チアゴ・シウバ(Chelsea)
57分:エンゴロ・カンテ(Chelsea)
92分:アントニオ・リュディガー(Chelsea)

トッテナム・ホットスパー
FW ケイン、ソン、ロチェルソ(62’ヒル)
MF アリ、ホイビュア、エンドンベレ(62’スキップ)
DF レギロン、ダイアー、ロメロ(83’サンチェス)、エメルソン
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、ドハーティ、デイビス、ウィンクス、スカーレット

チェルシー
FW マウント(46’カンテ)、ルカク、ハヴァーツ(70’ヴェルナー)
MF アロンソ、コバチッチ、ジョルジーニョ、アスピリクエタ
DF リュディガー、シウバ、クリステンセン
GK ケパ
sub:ベッティネリ、チャロパー、チルウェル、ジェームズ、ニゲス、ジエフ、オドイ

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あれ、思ってたよりできるやん

 試合内容の良し悪しは必ずしも結果と繋がるわけではありません。開幕から3試合はパッとしない戦いでも3連勝、前節は最低の内容で大敗。そして今日は最高の内容で、大敗でした。

 ちょっと大袈裟でしたねすみません。良かったのは前半だけです。それでも予想を超える前半だった。しばらく苦しい試合が続いていたせいで、なんか負けたのにポジティブな気分です。2試合連続無得点なのにね。

 受けに回るかと思いや、ホームの大観衆の前で後ろ向きな選択はしてこなかったヌーノ・サント。アンカーにホイビュアを置いてエンドンベレとロチェルソが先発。クリスティアン・ロメロも満を辞してのスタメン起用となった。メンバー選考から見ても、引かない覚悟は感じられた。

 チームが一体となり、すべてにおいて積極的に戦っていた。まず驚きのハイプレスを採用し、前からボールを奪いに出た。相手のウイングバックにはレギロンとエメルソンが高い位置から食いつく勇気ある決断で、ワントップのルカクにボールを触らせないことに成功した。

 サントの奇策はもう一つあって、それはケインの左ウイング起用だ。これも前半だけではあったが、ケインが左、中央にソンを置いてきた。左のケインはボールを収める起点となるし、右のロチェルソは自由に動いてパス回しを潤滑にしていた。急にビルドアップができるようになったのは運べるエンドンベレとパスを引き出すロチェルソがあってこその変化だった。ちなみに中央のソンは基本は裏を狙いつつも、タイミングよく降りてはシンプルなポストプレーでこちらも貢献していた。そんなことできたのね、ソン。

 チェルシーの中盤が攻撃的なジョルジーニョとコバチッチの組み合わせだったことからも、想定外の展開だったに違いない。まさかポゼッションでスパーズが上回るとは誰も思っていなかった。スパーズの勢いが上回っていただけにここで得点を奪えなかったのが勝敗を分けた。

 後半に早速修正を入れてきたのは流石のトゥヘル。カンテを入れてボール奪取力を加えると、流れは一変した。失点自体はミドルシュートのコース変わったやつとコーナー2つなのでもったいないものだったけど、それ以上に流れは完全に持っていかれてしまっていた。

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中盤の組み合わせは考えないと

 後半途中にエンドンベレとロチェルソがバテて交代となってからはいつものチームに戻ってしまった。やはり中盤がアリ、スキップ、ホイビュアになると運べなくなる。全員同じなんだけど、ボールを持ってからの選択肢がパスしかない。それも止まってコースを探すだけなのでボールが前に進みにくい。

 エンドンベレはドリブルで剥がす特殊能力があるし、ロチェルソも持ったら運びながらパス先を探す。前述の3人とウィンクスは運ぶドリブルが出来ないから、中盤でのビルドアップが詰まってしまう。もちろん前線の選手に下がってもらって中盤やサイドバックが追い越していくやり方もあると思うけど、今のところケインあたりが落ちてきてもそうしたオーバーラップはないのでただ前線の枚数が減るだけになる。個人能力に頼らないように攻撃を作れるまでは、中盤に運べる選手を入れないと話にならないことがわかってしまった後半だった。ちなみに今日初めてちゃんとプレーを見ることができたブライアン・ヒルも運ぶドリブルをするタイプに見えた。中盤起用もありだ。

 点の欲しい最終盤にサンチェスを入れるというベンチの弱さから見ても、チェルシーに勝つには相当な運も必要だった。わかっていた通り、チェルシーは強かった。

 ただスパーズがここまで善戦できるとは思っても見なかったのでいい意味で裏切られて負けたのにちょっと嬉しく思っている自分がいる。開幕戦のシティ戦は、打たれ続けての起死回生の一発だったために再現度のなさそうな勝利だったが、今日の前半の戦い方ができるのなら、次はもっとやれると期待できる。正直なところ、今年は再構築の始まりだと思っているので運良く勝っていくよりも今日のように挑戦して負けることには意味があると思ってる。

 もう9月も過ぎていくのに未だコンディション的にフル出場できない選手はいい加減にしろって感じだけど、彼らがチームを変えてくれそうな気配も見せてくれた。たぶん今日の負けは次に繋がる。次に繋がる負けなんて思ったのはいつぶりだろうか。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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