2022-2023 プレミアリーグ 第6節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Fulham
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:60勝22敗7分(勝率:67%)
得点
40分:ピエール・エミール・ホイビュア(Spurs)
75分:ハリー・ケイン(Spurs)
83分:アレクサンドル・ミトロビッチ(Whites)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン(84’ペリシッチ)、ケイン(78’クルゼフスキ)、リシャルリソン
MF セセニョン、ホイビュア、ベンタンクール、エメルソン
DF ラングレ、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub:フォースター、タンガンガ、サンチェス、ドハーティ、デイビス、スキップ、ビスマ
フルハム
FW ミトロビッチ
MF ケバノ(60’ビリアン)、パリーニャ(84’ビニシウス)、ペレイラ(60’ケアニー)、H・リード、B・リード(60’ジャームズ)
DF ロビンソン(29’ムバブ)、リーム、アダラバイヨ、テテ
GK レノ
sub:ロダーク、ダフィ、ディオプ、チャロバー
なんか久しぶりの決定力不足
結果は出ているのに内容は物足りないなという不安を抱えながらも、常に週2で試合が行われるという鬼の過密日程が始まってしまった。もう練習場で練度を高めていく時間はない。新加入選手も実戦で馴染ませていくしかない。満を持して、リシャルリソンとラングレがスタメンデビュー。2戦連続のロンドンダービーの開戦だ。
前節からはこの2人の他に、ロメロ、ベンタンクール、セセニョンがスタメンに入った。珍しく5人も変えるターンオーバーを敷いて、試合内容が劇的に向上した。
サンチェスとデイビスに変わってロメロとラングレが入った最終ラインはビルドアップのレベルが段違いだった。2人ともボールの扱いが上手く視野が広い。それを前線の選手も分かっているので動き出しがあるし、多少のプレッシャーにが動じないので周囲も無駄に近寄る必要がなくいいポジションを取れる。こんなに選手の能力差があるのかと改めて感じさせられた。サンチェスはともかくデイビスはそれなりにボールを持てる選手だと思っていたが、ラングレと比べると違いが見える。デイビスは斜めに刺すようなグラウンダーの縦パスは上手だがラングレはそれに加えて浮き球のパスの質も高い。さすがはFromバルセロナ。もちろん何試合か見てみないと正当な評価はできないけどね。
あとはベンタンクール。これも1試合だけスタメン出場しただけのビスマと比べるのは忍びないのでそういう意図がないことは伝えた上で、ベンタンクールの存在感は大きかった。ボールを受ける場所はいつも相手に囲まれているはずなのに、異常に落ち着いている。大きな動きはないのに、目線やボディフェイントで相手のプレスをいなし、時間を作ることができる。縦に急ぎがちなスパーズの選手たちの中で緩急の緩をつけられる選手がこんなに貴重だとは。
他にもソンはゴールこそなかったが、プレーにキレは出てきていて本人の気分はさておき問題はなさそうに思う。コンテの言う通り、近いうちに得点を量産するようになるだろう。多分次のシティ戦あたりから。セセニョンも試合を重ねるごとに良くなっていることがわかる。目に見えて縦に仕掛ける意識や前線に飛び出していく機会が増えた。この調子ならペリシッチも安心してはいられない。良いポジション争いが生まれてくる。
最後に本日のMVPはリシャルリソンに差し上げたい。初スタメンながら、しっかり自分の色を表現していた。サイドから仕掛けたいクルゼフスキとは違い、中央にいるケインに近い位置でプレーをしている。それも変にポジションを被せてしまう感じもなく、味方との連携もできている。ソンが右に流れてリシャルリソンが中央に入り、ケインが左でプレーするような連動性も生まれていた。ケインを下げてから正式に真ん中に入ったが、ちゃんとそこでも存在感があった。リシャルリソンの全身から発せられる闘争心はチームにいい勢いを生んでいる。かと思えば冷静に試合を見て仲間を見て勝つためのプレーができる。こんなに応援したくなる選手がいてくれて素直に嬉しい。あわや初ゴールも生まれそうだったし、出来は上々だ。
課題を見つけるとすれば今日は決定力かな。少ないチャンスをソンとケインで沈めてきたスパーズでこんなことを思うのは久しぶりだ。2点ならず5点くらいは取れる可能性があったのに決めきれなかったのでミトロビッチの一発に慌てることになってしまった。ロリスがスーパーセーブで引き締めなければ勝点をあわや落とすところだった。ま、今日は文句を言うのは野暮なくらい気持ちのいい試合だったけど。
次はアウェーでマンチェスター・シティ。6節を終え、無敗で走っているのはこの2チームだけになった。シチュエーションは申し分ない。ハーランドが尋常ではない滑り出しを見せているのでここで自信を折ってやらないとこの先止められるチームはいなくなる。この世で唯一シティが怖れる天敵として今年もやってやろうぜ。