[PL]第22節 トッテナム・ホットスパー vs マンチェスター・シティ

2022-2023 プレミアリーグ 第22節

Tottenham Hotspur 1 – 0 Manchester City 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:67勝26敗8分(勝率:66%)  

得点
15分:ハリー・ケイン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン(84’ビスマ)、ケイン、クルゼフスキ(88’サンチェス)
MF ペリシッチ(79’セセニョン)、ホイビュア、ベンタンクール、エメルソン
DF デイビス、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub:フォースター、ラングレ、ポロ、スキップ、ダンジュマ、リシャルリソン

マンチェスター・シティ
FW ハーランド、アルバレス
MF グリーリッシュ、シウバ、ロドリ、マフレズ
DF ルイス、アケ、アカンジ、ウォーカー
GK エデルソン
sub:オルテガ、ディアス、ラポルテ、フィリップス、ゴメス、ペッローネ、パルマー

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栄光時代は今

 ついにやりました。今日の試合はただの勝利ではありません。ホワイト・ハート・レーンが閉鎖され、トッテナム・ホットスパー・スタジアムに移転しからというもの、vsマンチェスター・シティは5戦全勝かつ無失点だそうです。とんでもないですね。でもそれじゃない、比較にならない大記録です。

 我らがハリー・ケインがトッテナムの歴代得点記録を更新した。故ジミー・グリーブスの持っていた266ゴールを抜いて267ゴール目、さらにケインのプレミアリーグ通算200ゴールというダブルメモリアル弾が生まれた。クラブもスタジアムの大型ビジョンを使っての祝福、本人もいつものゴール以上に嬉しそうなゴールセレブレーションだった。

 今、一緒に戦えていることを誇りに思うよ。まだ29歳のケインは、このままクラブに留まればもっともっと数字を重ねていくはず。きっと僕らが生きているうちにトッテナムの得点記録を再び更新する選手は現れないでしょう。スパーズの記録どころか、プレミアリーグの得点記録も現実的な目標になっている。ケインの上に立つのは208ゴールのウェイン・ルーニーと260ゴールのアラン・シアラーのみ。早ければ今季中にも2位に上がることができそうだ。本当に凄い。僕らは伝説の中に生きている。

 そんな記録の生まれた今日の試合。2週間前の逆転負けの雪辱を晴らす再戦だ。スパーズのメンバーは全く同じ。シティはストーンズとギュンドアンに代わってウォーカーとベルナルド・シウバが入った。

 ホームの大声援を受けたスパーズが序盤からエンジン全開で入った。いつも通りにボールを握るシティを相手に逃げることのないハイプレスで応戦した。正直に言ってビッグ6と括られるには不甲斐ない戦いの多いシーズンを送ってきたが、今日の出来なら恥じることは全くない。前向きな守備から強烈なカウンターをお見舞いする勇気あるスタイルで完全にスパーズの試合だった。

 シティは基本は4-4-2ながら、攻撃時には3-4-1-2になる。これに対応する守備のしかたが、スパーズは新しかった。ロメロが目の前のハーランドをマンマークし、下がったとしてもどこまでも食らいつくディフェンスをするのはいつも通りだが、それをスリーバックがみんなやっていた。

 特にトップ下のベルナルド・シウバにダイアーがついて行くのはこれまでにないやり方だ。最終ラインの持ち場を捨てて人に付くディフェンスを選び、それによってホイビュアとベンタンクールも迷うことなく前から行ける。普段は相手のフォワードが引いて受けようとすると、スリーバックは下がってしまい自由にやらせることで前を向かれて防戦一方というのがスタンダードになっていたが、厳しいディフェンスは効いていた。シティにこれだけやれるのなら、どのチームにも通用するよ。

 誰もが素晴らしいプレーを見せてくれたが、その中でも特筆すべきはエメルソン・ロイヤル。ここ数試合なんかよくなってきたなと思っていたが、ついにそれが確信に代わった。守備ではグリーリッシュにタフで粘り強く自由を与えず、攻撃では良いフリーランニングや独力での仕掛け、おまけにパスも出せるようになっていた。ポロの加入で正式に2番手になるかと思いきや、こりゃポロのデビューは先延ばしになるかもしれないぞと思わされる会心の出来だった。

 ソンもプレストン戦で何かを掴んだのか、キレが戻ってきたようだった。中盤で前を向いて仕掛けて運ぶプレーが光っていて、シティは常に怯えていた。リシャルリソンの復帰にダンジュマの加入、エメルソン同様にライバルの存在も集中力を高める要因になっているのかな。ホイビュアとベンタンクールも調子を上げつつあるビスマの存在は感じているはず。ポジションを取りきれていない新加入選手たちの貢献はこういう部分にもあるのかもしれない。

 失点が止まらなかった危機的な状況から、気がつけば3試合連続のクリーンシートだ。アーセナル戦での苦しい敗戦はスパーズを変える良薬だったのかもしれない。あれから確かに何かが変わった。なんでこの状態で5位にいるのだろうと訝しんでいたが、今は再び上の順位を目指していけそうな気持ちになっている。

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