2023-2024 プレミアリーグ 第5節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Sheffield United
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:74勝28敗10分(勝率:66%)
得点
73分:グスタボ・ハメル(Blades)
90+8分:リシャルリソン(Spurs)
90+10分:デヤン・クルゼフスキ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソロモン(80’ペリシッチ)、ソン(80’リシャルリソン)、クルゼフスキ
MF マディソン、ビスマ、サール(80’ジョンソン)
DF ウドギ、ファンデフェン(95’ホイビュア)、ロメロ、ポロ(95’エメルソン)
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、ダイアー、デイビス、スキップ
シェフィールド・ユナイテッド
FW アーチャー、マクバーニ
MF トーマス、ハメル(81’デイビス)、マカティ(69’ノーウッド)、ソウザ、ボーグル(86’トラスティ)
DF ロビンソン、バシャム、アフメドジッチ
GK フォデリンガム
sub:デービス、ラローチ、セリキ、トラオレ、スリマン
センセーショナル・ビクトリー
いやあ凄かった。抱いていなかったはずの今シーズンへの期待感をさらに高めてしまうような試合だった。アンフィールドのリヴァプールみたいだった。こんな試合見せられたら応援の熱も高まりますわな。
試合は概ね予想通りの展開というか、スパーズが攻めてシェフィールドはカウンターという流れ。シェフィールドの方は最初から勝点1でOKというスタンスが明確で、前半からありとあらゆるタイミングで時間をかけてプレーをしていた。現地サポーターも盛大なブーイングで応戦するも知らん顔。まあお陰で劇的なロスタイムに繋がったので今回は結果オーライとしましょう。
前半はマディソンと共に攻撃の中心になっていたのは先発2試合目のマノル・ソロモン。左サイドからのキレッキレの仕掛けで相手守備陣に混乱を与えていた。ソロモンはドリブルの選手なんだけど、球離れが悪くないのがいいね。ソロモンが迷いなく仕掛けるのでウドギが追い越すシーンは控えめだったので、バランスよくいろんなパターンで攻撃を繰り出せるようになるともっと良い。
終始ボールは握っていたが、得点を奪うのには苦労した。ポステコグルーが監督であるうちは、相手が最初から引いてくる試合に挑むという構図は何度も何度も見られることだろう。そしてその度に、ワントップをどうするかという議論になる。前節ハットトリックのソン・フンミンにとっては難しい展開だった。
ラインを下げられて裏のスペースはなく、サイドからクロスを入れられてもそこで勝負できる選手じゃない。下がってボールに触れる場面も限定的で、存在感は小さかった。ただ、追いかける展開になった時に、ポステコグルーはソンを下げる決断を出来たのは偉いと思う。そして文句なくそれを受け入れてくれたソンも偉いと思う。今のチームの雰囲気を作っているのはキャプテンに就任したソンのムードメイクによるところが大きい。これまでは静かなキャプテンに10年率いられてきたので、そのギャップもあるのかも。
というか、途中からスリートップを全部入れ替えて、ペリシッチ、リシャルリソン、ジョンソンって結構な選手層だよね。去年の冬あたりでリヴァプールのスリートップ凄い、先発レベルが6人いるってビビっていたけど、今や同じくらいの質がうちにも揃っているのでは。
正直に白状すると、73分に失点した時はよくある一発に沈む展開だなと落ち込んでいた。ロスタイム12分の発表とその辺りの押せ押せな雰囲気で、同点までは全然あるぞと熱くなりかけはしたものの、本当に追いつくと信じていたかというと半々くらいだったし、逆転するとは全く思っていなかった。見ている自分はそんな姿勢だったのに、戦っている選手たちは違った。そうリシャルリソン、去年はリヴァプール戦で同点ゴールを決めた後に、ユニフォームを脱いで喜んでいたのに、今回は笑顔も見せずにセンターサークルに戻っていった。あの時間からもう一点を取れると信じていた。これは単に成長という話ではなく、今のチームなら逆転できる力があると思えたからだと思う。この自信こそが勝者のメンタリティというやつかもしれない。最高のムードでノース・ロンドン・ダービーを迎えられる。
開幕から無傷の4勝1分はスパーズでは58年ぶりの快挙らしい。シティが全勝のため、ここからの2連戦で無敗のアーセナル、リヴァプールと削り合わないといけないのは切ないが、さてどのクラブが今季はタイトルレースに挑戦する権利があるのかを決めるための重要な連戦になる。全く期待されていたなかった我々が名乗りをあげるチャンスがきた。チームの雰囲気ではどのクラブにも負けていない。まだまだ週末を楽しみにしていられそうだ。