2023-2024 プレミアリーグ 第24節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Brighton & Hove Albion
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:82勝32敗10分(勝率:66%)
得点
17分:パスカル・グロス(Seagulls)
61分:パペ・マタル・サール(Spurs)
96分:ブレナン・ジョンソン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ヴェルナー(62’ソン)、リシャルリソン、クルゼフスキ(62’ジョンソン)
MF マディソン、ベンタンクール(62’ビスマ)、サール(80’ホイビュア)
DF ウドギ(80’デイビス)、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、ドラグシン、エメルソン、スキップ
ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン
FW ウェルベック(83’ファーガソン)
MF 三笘、グロス、ララーナ(57’ファティ)、ギルモア(92’バレバ)、ブオナノッテ(83’フェルトマン)
DF エストゥピニャン、ダンク、ファンヘッケ、ランプティ(92’ボアイテイ)
GK スティール
sub:フェルブルッフェン、ウェブスター、モデル、オマホニー
やっと形を取り戻してきた
前回プレミアリーグで黒星がついたのは2023年12月28日のブライトン戦だった。あの時は4SBシステムの最中で、動きが重く後ろから運べずスコアこそ4-2だったものの、内容的には完敗と言える試合だった。あの時と違い離脱者はほとんど戻ってきて、ついにベンチまで見栄えのする並びになった。冬の移籍は断って、ここで戦うと気合十分だったブライアンヒルがベンチから外れた。たぶん、今シーズンはもう見ないだろうね。
どちらも後ろからボールを繋いでチャンスを作るチームであり、ボールがないときはハイプレスで応戦するスタイルだ。前回はうちのディフェンスラインがボロボロだったために、ブライトンのプレスの餌食になり、あまりにも簡単に失点を重ねてしまった。今日はそんなことにならないはずだったのに、同じようにプレスをハメられたところからのPK献上はちょっと嫌な予感がした。
でもこれで慌てることなく、連続失点とならなかったのは良かった。ただし前半はチームとして機能していたとは言い難い。メンバーは揃っているはずなのに、ビルドアップが上手くいかない。
これは最近ずっと言っている通り、サイドバックが内側に絞って高い位置を取り、中盤3人が中央低い位置でボールに触ろうとするので、人もボールも真ん中に密集してしまい、相手もプレスをかけやすいし、自分たちも窮屈になる状況を作り出しているせいだ。
マディソンやベンタンクールがボールを受けるときは後ろに相手がきているのに、他に選択肢がないから無理矢理自分で運ぼうとして苦しくなる場面が多かった。後ろでのリスタートを謎に急いで行おうとして、危ないシーンを生み出していることもある。このメンツでこれはマズイぜと思っていたが、後半には改善されていた。
ウドギが早めに中に入るのではなく、まずは左に開いてパスコースを作る。右はサールが開いてボールを引き出して少し運ぶ。これでブライトンは一気に守りにくくなり、ボールが動くようになる。特に右サイドが活性化され、クルゼフスキを中心に試合を動かしていく。さすがはプレミアNo1のチャンスメイカーですわな。
サールが綺麗に同点弾を奪い、直後に戻ってきたキャプテンを投入したことで、スタジアムの雰囲気は一気に押せ押せモードになった。ただヴェルナーとベンタンクールを交代したのはわかるけど、クルゼフスキを下げるのは早かったんじゃないかと思う。後半のチャンスはほとんどクルゼフスキから生まれていたので。
同点になったことでブライトンも前がかりになってくるから、その裏をジョンソンで狙うという考えはわかるが、ジョンソンは今のところ、右ワイドでのスピード勝負以外のプレーの幅がない。試合を見た人ならわかると思うが、低い位置で後ろ向きでボールをもらうと、できることがなくてすぐに奪われていた。迷って潰されるか、無謀な突破を試みて失敗するかのどっちかだ。ボールが収まらないので、スタジアムの雰囲気とは対照的に攻撃の時間は減ってしまった。
ここからは一進一退で、三笘の突破からのクロスをアンスファティが決め切っていれば、おそらく負けていた。そうだ、書いていて思い出したけど、ポロが明らかに足を痛めていたのに交代させなかったのはなんでだろう。本人がやれると意地を張ったのかエメルソンの信頼がないのか。いや後者はないだろうな。三笘がポロの状態を見て、強かに1対1の勝負を続けていれば、おそらく止められなかったはずだ。これは三笘が正々堂々としていて素敵という話じゃない。一瞬だけ日本代表を応援する者としてコメントすると、終盤のポロを狙い撃ちしてでもチームを勝たせる選手になって欲しい。交代枠もあるんだし、何にも悪いことじゃないと思うのだ。
ハイライトだけを見るとラストプレーでカウンターを発動しての劇的逆転弾、に見えようが、あれはカウンターじゃない。相手のオフサイドで得た間接フリーキックから綺麗にビルドアップが決まった速攻だった。リシャルリソンが自分で点を取るために前で待つのではなく、この時間でも起点となるための疲れるプレーを選択し、途中交代で入ったソンとジョンソンがサボらずにスプリントした結果だ。選手交代の選択肢が増えた賜物でもある。それにしてもあのソンの左足のクロスの質は高かったね。あのスピードで走りながら、ここしかないというコースだったよ。
ヴィラが負けたので再びの4位浮上となった。争いは熾烈だが、まだ上を見ることが出来る位置にはいる。3位とは5ポイント差なのでおそらく1試合でも落とせば優勝戦線からは脱落となる。誰もスパーズのことなんて見ていないだろうが、そんなのいつものことなんだから、我々だけでも口にしていこう。優勝には届かなくても上三つのどれかを引き摺り落として3位以内に入っていたら、それはそれで痛快でしょ。