2023-2024 プレミアリーグ 第35節
Tottenham Hotspur 2 – 3 Arsenal
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:85勝34敗10分(勝率:66%)
得点
15分:ピエール・エミール・ホイビュア(OG)(Gunners)
27分:ブカヨ・サカ(Gunners)
38分:カイ・ハヴァーツ(Gunners)
64分:クリスティアン・ロメロ(Spurs)
87分:ソン・フンミン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ヴェルナー(32’ジョンソン)、ソン、クルゼフスキ
MF マディソン(64’リシャルリソン)、ホイビュア(64’ビスマ)、ベンタンクール(46’サール)
DF デイビス(88’ロチェルソ)、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:オースティン、ドラグシン、エメルソン、ヒル
アーセナル
FW トロサール(63’マルティネッリ)、ハヴァーツ、サカ
MF ライス、ウーデゴール(89’キビオル)、パーティ
DF 冨安、マガリャインス、サリバ、ホワイト
GK ラジャ
sub:ラムズデール、ジンチェンコ、スミスロウ、ジョルジーニョ、ビエイラ、ジェズス、エンケティア
ライバルにだって学ぶところはある
「今シーズンのプレミアリーグの優勝争いのキーマンは3チーム全てとの対戦を残しているトッテナムである」という論調の記事をよく見かける。ちょっと前まではそれに同意してしまいそうだったが、ニューカッスルに大敗したあたりから自信がなくなっている。今のままではバーンリーとシェフィールド以外には全敗しそうな雰囲気だ。
リヴァプールが直前の試合で一歩後退となったために、この試合の重要性がより増した。ライバルとの直接対決というだけでなく、優勝阻止という点に置いて強い意味を持つ。こんなことは言いたくないが、このままのペースでアーセナルとシティが走った場合、最終節の直前に挟み込まれたシティ戦に負けない理由がなくなってしまいそうだ。
昨年にも停滞感を感じる時期はあった。その時はつまらない上に結果が出ないというタブルパンチだったので見ているのも辛かったが、最近の停滞感はまた色が違う。攻めの姿勢は見えるし今日だってボールは持ち続けていたのに負けてしまった。どの辺に曇り空を見ているかというと、課題に思える部分に対して何をどうやって改善していこうとしているのかが見て取れないというところ。
わかりやすい例はコーナーキックの守備の部分。FAカップでシティがヴィカーリオを狙う戦術で得点を奪ってからというもの、スパーズ攻略の常套手段と化しているのに放置されている。こっちのコーナーキックは全く得点の匂いがしないのに、守備は高確率で失点していてはそりゃあ勝てないぜ。
ポステコグルーはインタビューでそうした目先の改善ではなくもっと大枠の改善に取り組んでいる。といったようなふわっとしたコメントを残しているので、おそらく本当にコーナーの問題は放置されている。わかっていて優先順位がついているのなら今は我慢してみようと思えるが、同じくらい攻撃も同じように変化がなく見えてしまう。
これについては悲しいが、アーセナルに見習うべきところがある。彼らはウイングの位置で誰かがボールを持った時に必ず他の選手が外回りにランニングするという崩しの鉄則があり、これが非常に効いていた。スパーズはウイングが大外に開いてボールをもらうときに、サイドバックは内側の高い位置にいる。アンダーラップはするが、相手のディフェンスからすると目の前の相手が縦に走ってくるだけなので守りやすい。これがアーセナルのように大外に走られると、内側のディフェンスとしては持ち場を離れるべきなのかという迷いが生じる。放置すればサイドが局地的に数的不利になり、ついていけばディフェンスラインが崩れてしまう。こうした混乱を生み出す方策がないのでスパーズの攻撃は人数がいるのに動きがなく攻撃が止まってしまうのだと思う。
もちろん攻撃のアイデアというのは一つではないので同じようにやれというわけじゃないが、ボールは持つのにチャンスが作れないという状況が長く続いているようであり、試合を経ても何を変えようとしているのかわからないというのが今の停滞感に繋がっている。今日は痺れを切らしたロメロが勝手にFWになるという珍プレーがあったが、あれも立派な混乱を生むプレーだった。あとロメロのおかげでヘディングに強いCFがやっぱり必要だなとも思った。それについてはリシャルリソンが解決してくれるはずだから、早く先発できるようになってくれ。この試合、ロメロとリシャルリソンだけが、この試合をノースロンドンダービーだと理解していたようで非常に好感度が上がりました。戦う姿勢バンザイ。
連敗は果たして2つで止まるだろうか。今週はこれから調子を上げているチェルシーと優勝戦線崖っぷちのリヴァプールと対戦する。どちらの今シーズンの前半戦の試合で因縁を残した相手だ。どちらにとっても負けられない理由+1だ。