2025-2026 プレミアリーグ 第2節
Manchester City 0 – 2 Tottenham Hotspur
Stadium:エティハド・スタジアム
得点
35分:ブレナン・ジョンソン(Spurs)
45+2分:ジョアン・パリーニャ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ジョンソン(78’オドベール)、リシャルリソン(78’ソランケ)、クドゥス(86’ベリヴァル)
MF ベンタンクール、サール、パリーニャ(91’ダンソ)
DF スペンス、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、ヴィシュコヴィッチ、デイビス、グレイ、テル
マンチェスター・シティ
FW マルムシュ(54’ドク)、ハーランド、ボブ(75’フォーデン)
MF ラインデルス、ゴンサレス(75’ロドリ)、シェルキ(54’シウバ)
DF アイヌーリ(23’アケ)、ディアス、ストーンズ、ルイス
GK トラフォード
sub:エデルソン、クサノフ、ヌネス、オライリー
見たことのある勝利
順調な滑り出しを見せたフランク体制の2試合目、現時点での完成度を測るにはもってこいのマンチェスター・シティとのアウェーゲーム。ちなみに昨シーズンは17位で終わったにも関わらずこのスタジアムでは0-4で大勝を納めている。あんまり他のチームと対戦するときに相性が良い悪いって思うことはないんだけど、シティにだけは思うよね。
パリ・サンジェルマンとの一戦のように、3-5-2で戦うのかと思っていたが、フランクは4-2-3-1を採用した。これはシティを強豪と見做していないということではなく、ブレントフォード時代に試行錯誤した結果、シティ相手にはスリーバックよりもフォーバックの方が上手く戦えたからだそう。グアルディオラからしてみればただでさえ苦手なスパーズに、苦手なフランクが来たということになる。選手が変わっても指揮官が変わっても、シティ戦で何度も見たことがあるような得点シーンだったのは興味深い。リシャルリソンが裏を取ったような場面はケインとソンが幾度となく狙っていたような形だし、ハイプレスでキーバーのミスを誘ったやつは、ホイビュアとケインでやっていた。
まずはシティについていうと、どうもいつもの調子じゃなかったなあという感じ。チーム事情はよく知らないが、前線のほとんどを新加入と昨シーズンまでの準主力で構成していたせいで何をすべきなのか統一しきれていなかったように思う。特にシティは個人の閃きの前にチームとしての約束が多いチームなのに、プレミアにもチームにも慣れていない選手を並べたことで、ぎこちなさもミスも多かった。グアルディオラはいつもシーズン後半の完成を目指したチーム作りをしているので、今はまだ新選手たちに時間を与えている段階なのかもしれないとも思う。だとすると序盤に当たれたのはラッキーだったと言える。これはプレミアリーグに慣れる前のバーンリーにしても同じ。そうは言っても我々も新監督のやり方を勉強中の身なのでそこまで謙虚になりすぎることはないか。勢いも含めて今日はスパーズが上だった。
どこから守備を始めるのか、どうボールを運んで何を狙って攻めるのか、ちゃんと整理されていてそのどれもがシティには効果的だった。後ろで勇気を持ってボールを繋いで相手のハイプレスを引き出して、ハイラインの裏に落とすボールでチャンスを生み出す作戦はシンプルで効率がいい。なんか裏を狙ってくる相手に対して自分たちのやり方を曲げないグアルディオラを見ていると、昨年の自分たちを見ているかのようだった。
今日のスパーズの最も褒められるべきポイントは、持ってきた戦術を最後まで完遂したことだ。2点リードの後半でシティを相手に守備の時間だけにならないチームはそういない。最後までハイプレスでボールの出しどころを押さえたことで、押し込まれる展開をかなり減らせたし、何より追加点を狙い続けた姿勢が素晴らしい。2点リードは危ないスコアというサッカー界の常識に抗って、ロングスローやコーナーキックでCBを上げていくのはまさに勇気が必要な決断だ。最後までプレスをかけようとか攻撃的に行こうとか口では言いながらリスク回避のプレーが増えていけば、次第に消極的になってしまい防戦一方になってしまう。これぞまさにパリ戦で得た学びだと思うし、今まで数多く聞いた反省の弁の中でも珍しくちゃんとそれが生かされているんだなと感心している。あとはこれを当たり前にするための継続だけだ。
あとパリ戦と変わったなーっていうのがもう一つあって、交代選手がみんな効果的だった。ソランケ、オドベール、ベリヴァルは彼らの力だけで決定機を生み出していた。決まっていればいうことなしだったが、単発でなく何度かチャンスを作ってくれたので次は決めてくれそうな気がする。シュートまで行ってゴールを脅かすことができれば、相手も攻撃に全力をかけることが出来なくなる。良い働きでした。
ここまで2連勝の無失点は出来すぎなほどのスタートだ。浮かれたい気持ちと冷静でいないと後でガッカリさせられるぞという理性がせめぎ合っている。しかも今後の日程を見ると、10月いっぱいまでは落ち着いた対戦カードが続く。この期間に出来るだけ多くのレベルアップが出来れば楽しくなるね。個人としてもチームとしてもだ。