[PL]第3節 トッテナム・ホットスパー vs ボーンマス

2025-2026 プレミアリーグ 第3節

Tottenham Hotspur 0 – 1 Bournemouth 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:101勝44敗14分(勝率:64%)  

得点
 5分:エヴァニウソン(Cherries)

トッテナム・ホットスパー
FW ジョンソン(54’オドベール)、リシャルリソン、クドゥス
MF ベンタンクール、サール(76’テル)、パリーニャ(54’ベリヴァル)
DF スペンス、ファンデフェン、ロメロ、ポロ(71’ウドギ)
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、ダンソ、デイビス、グレイ、ソロモン

ボーンマス
FW エヴァニウソン(82’クルービ)
MF セメンヨ、タヴァーニア(82’クライファート)、アダムス、スコット(63’クリスティ)、ブルックス(63’アドリ)
DF トラファート、セネシ、ディアキテ、スミス(26’ヒル)
GK ペトロビッチ
sub:デニス、ソレル、フェーブル、ドーク

イラオラ教授の勉強会

 予想に反する順調なシーズンの滑り出しのおかげで、フランクスパーズの評価はうなぎのぼりに上がっている。ただ、個人的な感覚ではそんなスパーズの現状や今シーズンの展望を楽観的に見ているのは他のクラブのサポーターに多いように思う。勝つ確率を上げるための手堅いサッカーをしているという方針は確かにその通りだと思うが、まだまだ安定感には程遠くいろんなところに粗さが見られるからだ。もちろんこのままロケットスタートになる期待をしていなかったわけではないものの、そんな冷静な自分が内側から声を上げていたので今日の敗戦にそこまで失望感は抱かなかった。それどころか昨年までの、無気力な試合内容で良い部分を探すのが難しい敗戦に比べると、だいぶポジティブな負け方だったとすら思っている。

 なぜ前向きでいるかというと、まず自分たちが消極的だったとかくだらないミスが多かったとかそういうもの以前に、今日は相手のスパーズ対策が素晴らしいものだったと思うからだ。そしてそれに苦戦しつつも、終盤には巻き返して追われたからでもある。去年の終盤は劣勢になると劣勢のまま何もできない試合が多かった。守備から整えているフランク体制のこの序盤に攻撃の形が少ないのは許容しないといけない。あれもこれも一気に完璧にすることを求めるのは現実的ではない。うまく行っていない部分を試合の中で修正できたというしばらくなかった成長を褒めていいんじゃないだろうか。

 シティ戦に比べるとボールを握りやすそうな相手にしては、中盤が守備的な構成だったことは否めない。でも勝った試合の次なので変更なしでもしょうがない。試合に応じて選手を入れ変えていくのが理想だけど、それは誰が出ても安定して力を発揮できる、2年前までのシティくらいの厚みと普段からのローテーションがないと難しいね。これから目指してはいきたいが、今日の時点ではまだ早い。

 夏の市場で守備的な選手を軒並み失ったボーンマスは苦しいシーズンになるのかと思いきや、開幕戦でリヴァプールを追い込んでいたしこの試合を見ても勢いを保っているようだ。いい監督がいて成熟しているチームは簡単には崩れないね。

 スパーズ対策は明確だった。こちらから見て右サイドを切るようなハイプレスをかけて、スパーズのビルドアップが左からしか行えないように強い限定をかけてきた。つまりクドゥスにボールが入ることを嫌がり、ジョンソン側に集めたということになる。相変わらずワンタッチゴール以外は何もできないジョンソンサイドにボールが寄ってもそこからは何も生まれない。そこでロングボールをリシャルリソンに託しても、センターバックに潰されてしまっていた。ここの1対1でワントップが全く勝てないのは辛い。左回しにさせることと、ワントップを抑えること、この2点で完全に何もできなくなってしまった。

 やはりジョンソンはもう少し引き出しがないと厳しいなという感想もあるし、中央を使ったビルドアップの方法も確立しないといけないなというのもある。ジョンソンはボールに触れるたびにボールを失って悪目立ちしていたが、こうしたビルドアップが苦しい時に顔を出せないサールは同じくらい貢献度が低かった。リシャルリソンやクドゥスにロングボールを預けた時の落としを受け取る役割があって前線に吸収されていた可能性はあるけど、例えそうでも時には落ちてきてボールを引き出したりしてくれないと、せっかく中央にあるスペースを使うことができず、相手がサイドの対策に集中できてしまう。後半にベリヴァルが入って真ん中でボールを動かしてくれるようになってから押し込む時間ができたのはそういうことだ。

 そういう前半はこれ以上失点しなくてよかったねという出来だったが、後半になって中で運べるベリヴァルと左で仕掛けられるオドベールが入ったことでバランスが改善されて、右のクドゥスの仕掛けも増えていった。ただ押し込んでからのアイデアは乏しくて、決定機もあったかどうかだし、同点になってもならなくてもおかしくないようなまま終わってしまったのは残念だったけど、悲観しすぎる内容でもなかったかなと思ってるよ。それこそ今日お披露目されたシャビ・シモンズが真ん中で違いを作ってくれるのならかなり良くなるだろうしさ。

 ところで試合後にSNSで見たデータだけど、シティに勝った試合の次の試合は9試合連続で勝てていないんだとか。これは流石に偶然じゃないんだろうね。ビッグマッチとみなした次の試合に気が抜けるクセは改めないとせっかくの大勝利の意味がなくなっちゃうよ。あとこれはデータは持っていないけど、代表ウィークの前も勝率低そうだよね。今日はたくさん課題が明確になっていい日だ。うんうん。

 インターナショナルマッチウィークが明けると、早くもプレミアリーグとチャンピオンズリーグで週に2日の試合が当たり前になってくる。過密の中でみんなの力が必要になるだろうから、シーズンはここからだと心機一転エンジンをかけてくれ。今日は負けた試合だけど、ここまではいいシーズンの立ち上がりだよ。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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