[PL]第4節 ウェストハム・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2025-2026 プレミアリーグ 第4節

West Ham United 0 – 3 Tottenham Hotspur 

Stadium:ロンドン・スタジアム  

得点
47分:パペ・マタル・サール(Spurs)
57分:ルーカス・ベリヴァル(Spurs)
64分:ミッキー・ファン・デ・フェン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW シモンズ(71’リシャルリソン)、テル(80’オドベール)、クドゥス
MF ベリヴァル(80’ジョンソン)、パリーニャ、サール
DF スペンス(71’ウドギ)、ファンデフェン(80’ダンソ)、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、デイビス、ベンタンクール、コロムアニ

ウェストハム・ユナイテッド
FW ボーウェン
MF サマービル(62’マサガ)、ウォード=プラウズ(92’アービング)、パケタ(68’ウィルソン)、ソウチュク、フェルナンデス(62’ギリェルミ)
DF ディウフ、キルマン、マブロパノス、ウォーカー=ピータース
GK ハーマンセン
sub:ファビアンスキ、アレオラ、イゴール、ポッツ、フュルクルク

マネジメントもいい感じ

 9月のインターナショナルマッチウィークが明け、10月のインターナショナルマッチウィークまでの1ヶ月間、当たり前のように週に2回の試合が組まれている。こうした過密日程はフランク監督にとっては初めての経験になるはずだ。どうやりくりしていくのかも注目だなと思っていたら、早速色々と考えていることがわかる采配になった。

 長距離遠征帰りのリシャルリソンとベンタンクールは温存となり、センターフォワードはチャンピオンズリーグの登録メンバーから泣く泣く落選させることになってしまったマティス・テルに信頼を示す粋な起用だ。後半に余裕が出てきた時間帯には早めにスペンスをウドギ、ファンデフェンをダンソに変えるような休息と控えのコンディション調整を行う交代も出来た。この展開ならコロムアニも見てみたかったなという思いはあったけど、まあそれを差し引いてもいいマネジメントだったと思う。終盤に勝敗が決してしまってからのしばらくの時間を省エネで乗り切れたのも良いことだね。

 ソウチュクの退場がなければここまでの差になっていなかったとは思うものの、それでも勝利は妥当な内容だったかな。しかしあのタックルは怖かったね。悪質だったとは思わないけど、ソックスが大きく裂けていたのを見て、もう少し真正面にヒットしていたら向こう脛が真っ二つだったんじゃないかっていうくらい勢いのあるものだった。脛当てって大事なんだなと改めてわかるいい教材だ。小さい脛当てにしていたりソックスを下げすぎている選手はかっこよく見えるかもしれないけど、ちゃんと付けるんだぞサッカー少年たち。サッカー少年は読まないかこれ。

 開幕から失点が多すぎて大変そうなウェストハムを相手にしていたからかもしれないが、ストレスの多い試合にはならなかった。攻撃面はまだまだやりたいことはあるんだろうが、シャビ・シモンズが入ったことで変わったことが多い。ボーマンスにはクドゥスの右サイドを徹底的に消されることで攻撃が一気に手詰まりになってしまうという弱点を教えてもらった。そこで左にボールを持てるシモンズを置くことで、両サイドどちらからでも行けるようになった。ウェストハムはやたら元チームメイトのクドゥスを意識していたのか、今日もスパーズは左回りで攻撃をさせられがちだったが、シモンズ、ベリヴァル、スペンスというボールを持つことを嫌がらない選手を並べたことでむしろやりやすくもあったようだ。

 シモンズはかなり自由を与えられていて、下がってボールを運ぶこともあれば、いつの間にか中央にいてボールを呼んでいることもある。そのシモンズが開けた大外をスペンスが攻撃参加することで厚みが生まれていた。特にスペンスが右利きの左サイドバックをやっているおかげで、上がった時にはウイングのようなボールを持ち方ができるので脅威になりやすい。ベリヴァルもサボらずに関わってくれるのでいい連携も見られた。今日のハイライトは中央で流れるようなパスを受けたシモンズの創造性溢れるスルーパスの先に誰もいなかった場面ですかね。確かにそこにはスペースがあり、誰かが走り込んでいればビッグチャンスだったはずだが、そもそも誰をイメージして出したのかもわからないような感覚パスだった。なんだよそのパスとか走ってこいよとか思わないくらいなんか笑っちゃうシーンになったのだけど、あれは今のスパーズにはなかったタイプのミスだったのでむしろ今後に期待させてくれるものだったよ。

 あとはテルのワントップにも触れておきたい。総合的にはポジションを脅かすようなものはなかったのだけど、少なくとも自分の体の動く限り全力でチームに貢献したいという熱意は感じられるので好感度はめちゃくちゃ高い。かつてのフィンセント・ヤンセンを思い出すガムシャラさだね。どこまでがチームとしての決まりごとでどこからがテルの自由なのかわからないが、もっとこうしたほうがいいのになって思う部分が多くて歯痒い。

 ポストプレーをしてほしいようなパスを入れても、力強さや繊細さには欠ける今のテルだと全くボールを収められない。でもリシャルリソンと同じやり方をテルに求めているのならそれ自体が間違っていると思うのだ。テルにはテルの強みがある。もっと斜めに裏を狙うようなランニングをして、スペースにボールを呼ぶような動きで起点を作ってほしい。そうすればテルとしても得意のサイドで前を向けるのでやりやすいはず。背中の強さで戦うのではなく、動きで貢献した方が良い。少しだけそういう気配はあったとも思っていて、それは他のフォワードに比べると、降りてきてボールに触れようとはしてくれること。あれはとても良いと思うのだけど、チームとしてその空けたスペースに誰かが入っていくという決まりを作っていないから、テルが下がって起点を作って素早い攻撃が始まると、最後の瞬間に真ん中に誰もいないことがある。これはなんとかしたいところ。中盤でもウイングでもいいから変わって最前線に走る選手がいてほしい。そういった起用する選手による違いも今後は出てきてほしい。

 今はそうした攻撃面の約束事をたくさん組み立てるのが間に合っていないから、サイドを攻めてセットプレーやスローインを獲得するという基本プランを持っているのはとても現実的だ。コーナーキックに常に期待感があることが説得力を増す。3点ともにセットプレーもしくはその流れからだった。

 いろんな選手を起用して、いろんな選手が点をとっていけるのは嬉しいところ。これから忙しくなるから日々新しいヒーローが出てくることを期待したい。ミッドウィークは昨年のご褒美であるチャンピオンズリーグが始まる。あのアンセムを自分たちのために聞けるのが待ち切れないですね。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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