2025-2026 プレミアリーグ 第7節
Leeds United 1 – 2 Tottenham Hotspur
Stadium:エランド・ロード
得点
23分:マティス・テル(Spurs)
34分:ノア・オカフォー(Leeds)
57分:モハメド・クドゥス(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW オドベール(84’ダンソ)、テル(73’リシャルリソン)、クドゥス(90’ジョンソン)
MF シモンズ(73’サール)、パリーニャ、ベンタンクール
DF ウドギ、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、デイビス、スペンス、グレイ、ベリヴァル
リーズ・ユナイテッド
FW オカフォー(79’ピロー)、キャルバート=ルーウィン、アーロンソン(67’ハリソン)
MF シュタッハ(67’田中)、アンパドゥ、ロングスタッフ
DF グズムンドソン(79’ヌメチャ)、ロドン、ストライク、ボーグル(89’ジャスティン)
GK ダーロウ
sub:メリエ、ビヨル、ボルナウ、グルエフ
代表ウィーク前に勝利
なんだかんだと9月無敗。それどころかプレミアリーグ開幕から考えてもボーンマス戦の一つだけが唯一の黒星だ。去年はリーグ戦だけで22回も負けたのだからこれだけでもチームは良い方向に向いていると言って良さそうだ。今日はデータ上苦手とする試合。相手のリーズに関してではなく、代表ウィーク前に弱いというやつのこと。たしか7戦勝利なしだったかな?
毎試合いくつかの変更を加えてくるトーマス・フランクの今日のお試しは、テルのワントップ起用だった。ソランケとコロムアニがいないので、本職と呼べるのがリシャルリソンしかいない上にここ最近は出ずっぱりだったのでプレー時間の管理も兼ねての変更になる。これにテルはしっかりと応える。
先日のボデグリムト戦について、ボールを受けようとする選手が少ないという旨のことを書いた。今日は全体的に動きがあったので、やはり人工芝の影響は大きかったんだな。なので単純にどっちが上という話ではないですが、テル良かったよね。短くまとめると、「試合に関わることに意欲的」と表現できると思う。サイドに流れたり下がってみたりしながら、いつでもボールを呼び込もうとしているのがわかる。なんとかするから俺に出せっていう顔をしている。まあボールが入った後のプレーは課題だらけで雑にボールを失うこともあるんだけど、それでもチームのためになることを一生懸命やる姿勢は模範的だと思ってる。言い当てたらカッコいいから今のうちに言っておくんだけど、去年のベリヴァルのように今季のブレイク選手としてチームの中で序列を上げていくヒーローは、今年はテルとグレイです。最近のテーマとしてずっと言い過ぎて耳にタコかと思いますが、自分の得意不得意の枠を超えてチームのために戦う若手は伸びます。
チーム全体としても少しずつ形が見えてきたところがある。左サイドの攻撃は美しい連携の中に光る個人技。シモンズが下がりながらウドギからボールを引き取ると、シモンズの空けた中央のスペースにオドベールが動き、オドベールが空けた外側にウドギがダイナミックなオーバーラップをかける。走りさえすればシモンズは独力でパスコースを見つけてくれるのでフリーランニングもしやすいのだろう。そこからのクロスに飛び込んでくる選手が少ないのは次の問題だけど、ちゃんと連動した崩しが見られたのは進歩だ。この中央に人がいない問題なんだけど、もうちょっと逆サイドのウイングは早めにペナルティエリアに入ってきてもいいと思うんだけどどうでしょう。もし左サイドは突破できそうにないから逆サイドから攻め直そうってする時が来ても、大きなサイドチェンジ一発ってあんまりやらないんだから、そうした幅をとる仕事はサイドバックに任せていいと思うのよね。
反対の右はポロが精度の高いフィードでクドゥスを生かす形になっている。基本は手前で受けようとしつつ、食らいついてきたら一気に裏を狙う。多少アバウトでもクドゥスはなんとかしてしまうので成り立っている戦術だ。これはこれで良いけれど、ウイングが別の人になった時はもっとサポートがいるだろうから、ちゃんと人を変えたときはやり方も変えたい。左サイド以上に右サイドはポロのキック精度とクドゥスの強さに依存した方法だから。
守備の話なんですが、うちだけハイプレスがハマらないのはなんでなんだろう。リーズにプレスをかけられるとバタバタして苦しむのに、こっちのハイプレスは全く効果がある気がしなかった。全然理由はまだわかっていないのですが、ずっとそれが気になってた。困って前に蹴っ飛ばしたらなんとかしてくれるキャルバート・ルーウィンは健在だったね。そうしたフォワードがいることも理由かなと思いつつ、中盤に降りてくる人数も多いし、気がつくと逆サイドにフリーな選手がいるしでスパーズとの違いが不思議だった。なんかわかったらまた書きます。
終盤は攻められる一方でずるずる下がるだけの展開になってしまったのは危なかった。代表ウィーク前の勝率と同じくらい怖いデータ、リーズ側のホーム戦の1年以上無敗という成績も頭をよぎる。パリーニャとベンタンクールを先発にすると、ボールを握れそうな相手にしては後ろが重くなるよねという問題と同じくらい、逃げ切りたい時に守備的な交代の選択肢が中盤になくなるのも困るところです。本当は今日は古巣のグレイを出してあげたかった。でも交代策に不満はありません。
シーズン序盤戦の新監督試運転期間はこれで終わりです。2週間後に再開してからは対戦相手がもっと難しくなっていく。ひとまずスタートダッシュは成功だ。新しい怪我人も増えない良いマネジメントも出来ている。いい気分でまた再来週。