2025-2026 チャンピオンズリーグ リーグフェーズ第3節
ASMonaco 0 – 0 Tottenham Hotspur
Stadium:スタッド・ルイ・ドゥ
得点
なし
トッテナム・ホットスパー
FW オドベール(70’ジョンソン)、リシャルリソン(70’コロムアニ)、クドゥス(79’スペンス)
MF パリーニャ、ベリヴァル(60’シモンズ)、ベンタンクール(60’サール)
DF グレイ、ファンデフェン、ダンソ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、オースティン、バイフィールド、オルセシ、バーネット、スカーレット
ASモナコ
FW ファティ(70’南野)、バログン(83’ビーレス)、アクリウシェ
MF ワッタラ(70’マウィッサ)、クリバリ、テゼ、ディアッタ(57’ゴロビン)
DF エンリケ、サリス、ケーラー
GK ケーン
sub:スタビエツキ、リエナール、イドゥンボ、バンバ、カブラル、イレニケナ、ミシャル
チーム作りの段階が思っていたよりある
チャンピオンズリーグの3試合目、モナコはポッド4のクラブなのでUEFAの基準に従うと一番ランクの低い所にいる。しかしそんなことは試合中に感じないくらい厳しい試合になった。ちなみに我々はフランク監督の初年度だという言い訳を方々でしているが、モナコはポコニョーリ監督に代わって2試合目だそうです。この前のビジャレアル戦でも思ったけど、モナコにも馴染みのある選手が多いね。サリス、ケーラー、バログン、ファティはプレミアで見た記憶がある。あ、その括りで言うと南野も元リヴァプールか。スパーズとしてはダイアーが怪我しているのは残念だった。本人も楽しみにしていたんじゃないかな。とはいえもうダイアーと戦っていた選手って結構少ない気がするし、デイビスは帯同していないからピッチにいても挨拶する相手がどれだけいたかは微妙なところだけど。
こちらの主なメンバー入れ替えは、グレイの左サイドバック起用のところ。4人しか動けるディフェンダーがいないので、少しでもターンオーバーさせようとするとやはりグレイになるか。サイドはグレイ、センターならパリーニャかな。昨年グレイに頑張らせたおかげでこういう時に頼れるのは助かるものの、終盤にスペンスを入れて中盤に移動してからのグレイはすごく良かったから、やっぱりそっちの選手なんだね。安心したよ。
ニュース記事では「好調スパーズ」と書かれることが多いが、負け数が少ないだけで内容は徐々に落ち着き始めている。今日もヴィカーリオが人間をやめていなければ大敗していてもおかしくない試合だった。セービングに救われた部分は見た通りなので良いとして個人的に好きなのは、甘い守備でシュートを打たれた時には怒鳴り声をあげるけど、ベリヴァルがドリブルに失敗してピンチを生んでしまった場面のようにチャレンジしてミスした時には怒らなかったところ。若い選手の成長を見守る先輩として最高の姿勢だと思う。思いっきりやってこい、ミスは俺が拾ってやるってね。
他にはクドゥスやファンデフェンも良いプレーはしていたが、全体としてフィールドプレイヤーには厳しい見方にならざるを得ない。ボールを運べずに回収され続け、あまりにもチャンスを作られすぎていた。今日試合を見ていて新しいことに気がつきました。フランク就任から守備の整理はある程度やってきたから、そろそろ流れの中での攻撃のアイデアが見たいなって思っていたけど、攻撃の構築には少なくとも2段階ありそうだと。
最近のレビューの中でクロスに入ってくる人がいないとか、ウイングのサポートでオーバーラップやアンダーラップが欲しいとか、そうした最後の局面の話をしてきた。それについては今日もあって、クドゥスとオドベールが個で打開できているのに切り込んだ先でパスの先がないのはもったいなかった。でも先にやるべきはそっちではなく、ビルドアップの整理なんだと気付かされた。まずは安定してボールポゼッションできるようにならないと攻撃なんてできないことがわかった。
フォーバックが横に広くポジションをとってダブルボランチが両方ともボールを受けに下がる。そうしてかなり低い位置に6人が集まってきてしまい、その他はというと4トップとも言えるような形で相手の最終ラインに張り付いている。中盤に選手が全くいない状況が出来るのはどう見てもおかしい。結局ショートパスの出しどころはなくて、クドゥスの強さに頼ったロングボールを蹴ることになっている。それでもクドゥスは割と勝ってくれるが、ロングボールを使う前提の割には前線の選手へのサポートが用意されていないので、本当にクドゥスは独りでなんとかするしかないのは流石に酷だと思う。
パリーニャとベンタンクールは下がってもあんまりボールを受けられていないし、もらっても自分で打開したりロングキックで展開したりしないのだから、いっそ前に走ってセカンドボールの回収役になってもらった方が良さそうだ。そっちの方が2人の強みも生きる。2人にただの中継役になってもらいたいなら、サイドバックはもう少し高い位置を取りたい。6人が後ろにいるのは多すぎる。ポロとクドゥスがワンツーでビルドアップするのは一つの形になっていたのであれは用意しているものなんだろうから、そういう意味でサイドバックを後ろに置くならやっぱりそこに関わらないボランチの方を前に置きたい。まあそんなことよりも、ボールを繋ぎたいスタイルならパリーニャとベンタンクールの2人じゃない方がいいんだろうな。
まずはビルドアップ、次に最後の崩し。それまではセットプレーメインでいきましょう。同時進行は多分無理です。あとこれは全体の話ではないけど全員に言えること。クドゥスに頼りすぎです。ロングボールを蹴るアレはまだいいとして、近くにクドゥスがいると自分がフリーでボールを持っているのにとりあえず預けるのをやめた方がいい。もっと自分でなんとかする意識を持ってくれ、だからクドゥスが疲弊してしまい90分持たなくなってしまう。今日の展開でも疲れていると見てクドゥスを下げた采配は勇気があって素晴らしいと思いました。それができない監督だと選手を壊してしまうから。
日曜日はアウェーのエヴァートン戦だ。今年オープンのヒル・ディッキンソン・スタジアムでの初ゲームになる。エヴァートンも決して調子が悪いわけではないが、ここらへんで勝っておかないとチームの空気が曇ってしまう気がするので結構大事な試合だと思う。まずはボランチの組み合わせを少しだけ攻撃的にしてみるところから始めたい。さて、やってくれるだろうか。