2025-2026 プレミアリーグ 第9節
Everton 0 – 3 Tottenham Hotspur
Stadium:ヒル・ディッキンソン・スタジアム
得点
19分:ミッキー・ファン・デ・フェン(Spurs)
45+6分:ミッキー・ファン・デ・フェン(Spurs)
89分:パペ・マタル・サール(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW コロムアニ(61’リシャルリソン)、クドゥス(77’サール)
MF シモンズ(61’ベリヴァル)、ベンタンクール、パリーニャ、ジョンソン(92’テル)
DF スペンス、ファンデフェン、ダンソ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、バイフィールド、グレイ、オドベール、スカーレット
エヴァートン
FW グリーリッシュ、ベト(66’バリー)、エンディアイエ
MF デューズバリーホール、ガーナー、ゲイエ(86’アルカラス)
DF ミコレンコ、ターコウスキ、キーン、オブライエン(66’レール)
GK ピックフォード
sub:トラバース、コールマン、アスノウ、マクニール、イロエグブナム、ディブリング
少しだけ新しいアイデア
プレミアリーグ第9節の中でこの試合は最後に行われる試合になった。先立って行われた試合ではチェルシー、リヴァプール、シティが負けている。ライバルチームが転び、勝ったら3位浮上だぜという試合こそ一緒に躓いて来たのが愛すべき我らのクラブである。今年オープンになったエヴァートンの新スタジアムに初めての土をつけるべく、好調なのか不調なのか評価の難しいスパーズはゆく。
記者会見でもフランクは、ベンタンクールとパリーニャを並んで起用するのはどうなんですかという質問をされている。攻撃面での貢献が少なく後ろに重いチームになってしまっていませんかと。指摘されたボランチの2人は変えなかったが、新しいやり方を提案してくれた。
ワントップにはスパーズ加入後の初スタメンとなるコロムアニ。ツートップというべきかトップ下というべきかわからないが、その近くにクドゥスを配置。右はジョンソンで左にシモンズだ。これが攻撃になると3-4-2-1のような形に可変する。これまで通りダブルボランチは後ろにポジションを取るが、スペンスが少し位置を上げることでバランスを変える。最終ラインはファンデフェン、ダンソ、ポロが並び3列目にスペンス、ベンタンクール、パリーニャ、ジョンソンとなり、2列目にシモンズとクドゥスだ。右はジョンソンとクドゥスがポジションを入れ替えながら、左はスペンスとシモンズの2人に上手にコロムアニが関わって攻める。まあこれで劇的に攻撃しやすくなっていたかというとそんなこともないけれど、狙いは見えたし一定の効果はあったと思う。
このフォーメーションと並びの良かったところは、選んだ選手たちの強みを最大限に生かそうとしたものだったことだ。ポロは突破よりもキックの精度、スペンスはキックよりも高い位置に運んでボールを持ちたい。ボランチ2人は守備に力を入れたいし。シモンズとクドゥスはボールに関わって欲しい。そして何よりジョンソンをサイドに張らせてもしょうがないので、サイドでも中央でもプレーできるようにしてあげていたことで、サイドで持った時にドリブルで仕掛けることも出来ていた。たった1回だけどいい成功体験なんじゃないだろうか。それで奪ったコーナーの流れから点も取れたことだし。あとまだ全貌のわからないコロムアニも少ないタッチ数ながら存在感はあったと思う。中盤が助けて欲しいところで顔を出すタイミングが良かった。
この配置の変更によって良かった時間はあったが短かった。それでもフランクが上手くいってなさそうなチームで新しいことを試してくれたのはこれからへの期待という点では大いにプラスだね。あと早めにこれはなんとかしたいなっていうのは、ゴールキックで繋いで始める時にファンデフェン、ヴィカーリオ、ダンソ、ポロとリズムよく横に流してそのまま前に蹴って簡単に相手ボールにしている正直何を狙っているのかわからないやつ。相手を釣り出してロングボールでひっくり返すとか、蹴った先でハイプレスを発動するとか、ポストプレーからのセカンドボールを狙うとか何もない。ただ蹴って相手ボールにしているのは本当に勿体無いからやめたい。せめて全体を押し上げてキーパーのロングキックにしてくれ、今のままだと体感で9割は自分達のゴールキックから15秒で相手ボールになっている。
後半は特に時間が経つほどに押し込まれるだけになっていく。エヴァートンはいつからこんなにウイング主体のチームになったんだ。デカいフォワードにピックフォードが蹴るだけのチームじゃないんか。追いつかれても逆転されても驚かないような展開だったが、凌いだ上にとどめのゴールを決められたことはやはり昨年からの成長部分かな。自陣でボールを奪った時に前にボールを運ぶために走り出してくれる選手はいないことは去年以前からの課題のままだけどね。ジョンソン、君だよ。低い位置かつ密集地帯でボールを受けたくないなら前のスペースにGOGO。
しかし今の順位には自分達が一番びっくりですよね。ボーンマス、トッテナム、サンダーランドで2、3、4位だなんて、開幕前に言ったら笑い者にもならず冷めた目で見られたことでしょう。ちなみに今のスパーズの最大の懸念点は、攻撃の構築ではなく守備陣の負傷者の数です。この4人が怪我をするとまたグレイやパリーニャで凌ぐことになってしまう。とはいえ無理矢理休ませられる試合もない。ロメロや高井は早く治してくれ。焦らせたくはないが、このままだと他が危ないよ。どうかみんな健康でいられますように。