[PL]第12節 アーセナル vs トッテナム・ホットスパー

2025-2026 プレミアリーグ 第12節

Arsenal 4 – 1 Tottenham Hotspur 

Stadium:エミレーツ・スタジアム  

得点
36分:レアンドロ・トロサール(Gunners)
41分:エベレチ・エゼ(Gunners)
46分:エベレチ・エゼ(Gunners)
55分:リシャルリソン(Spurs)
76分:エベレチ・エゼ(Gunners)
トッテナム・ホットスパー
FW リシャルリソン
MF オドベール(66’コロムアニ)、パリーニャ、ベンタンクール(66’サール)、クドゥス(78’ジョンソン)
DF ウドギ、ファンデフェン、ロメロ、ダンソ(46’シモンズ)、スペンス(78’ポロ)
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、グレイ、ベリヴァル、テル

アーセナル
FW トロサール(78’マドゥエケ)、メリーノ(88’ヌワネリ)、サカ
MF ライス、スピメンディ、エゼ
DF カラフィオーリ(92’ルイススケリー)、インカピエ(88’モスケラ)、サリバ、ティンバー
GK ラヤ
sub:ケパ、ホワイト、ノアゴール、ダウマン、マルティネッリ

どういうつもりなのか選手たちに聞きたい

 かつて大きく開いていた差を縮め、一時は逆転していたかに見えた両者の関係は再び大きくなってきた。古き良き時代のような選手間の因縁のようなものも今はなく、ノース・ロンドン・ダービーに期待されるような情熱はピッチのどこにも存在しなくなってしまった。それどころかプレミアリーグ制覇に向けて荒くなってきたアーセナルの鼻息を止めるどころか臆してしまい、ただ90分が過ぎるのを待っているだけだった。

 ヴィカーリオが試合後に、「我々は十分に戦っていなかった」と語ってくれた。具体的には覚えていないが、この一年の間だけでも何度も何度も同じような反省を聞いたと思う。なんならつい3週間前もチェルシーを前に小さくなって同じことを言っていなかっただろうか。反省とは成長とはどこで見られるものなんでしょう。もしやそれさえも待っていれば誰かが持ってきてくれると思っているんじゃないだろうか。

 選択したフォーメーションが悪かったとは思わない。パリ戦でのスリーバックは確かに機能していたし、フランクの中には強豪相手の戦術として成功体験はあるからだ。選手の配置に問題があったわけではなく、選手の姿勢に問題があった。チームとしての戦い方にも疑問はあるが、何年も見てきている見からすると監督の指示のせいだとは考えにくい。

 スリーバックを採用しているにも関わらず、後ろから繋ぐ際にスペンスとウドギはサイドバックの時と同じくらい低い位置にポジションをとっていた。するとどうなるか。いつもの4バック+ダブルボランチという重い重心にダンソが加わっただけの激重の重心に変わる。困ったらロングボールというリスク回避作は用意されていたし、リシャルリソン目掛けて蹴った時にクドゥスやオドベールが近い位置を意識的に取っていたからこぼれ球を拾うつもりだったのだろうが、ここまでリーグ最小失点の最強のセンターバック相手にリシャルリソンが勝ち続けられるはずもなかった。そもそもリシャルリソンはエヴァートン時代はセンターフォワードも出来る左ウイングだったわけで、中央で名を挙げた選手じゃない。そんな選手を起用してリシャルリソンが競り勝たなければ何も起こらない戦術一本で勝てるはずがない。

 攻撃面は繋ごうとするフリだけして結局は前に蹴り飛ばし、何もできずにまた相手の時間になる。守備ではパリ戦のようにプレスに行くわけでもなくずるずると下がり、ボールの追い詰め方も何もないのでボールがあるところに近い選手が寄せるだけでなんの意味もなかった。正直前半を見ての感想は、ダービーらしい気持ちがあるかどうかの判定ができるほど、球際に迫ることすら出来ていないなというものだった。

 個人的に頑張ってはいたなと言ってあげられるのはシモンズとパリーニャくらいなものだ。他は誰も評価に値しない。そりゃ局所的に見れば、ウドギの推進力やベンタンクールの技術に唸った場面はあったが、それも自分の足元にボールがある時にちょっと良かっただけで、味方が困っている時のサポートやチームのためのプレーはほとんど見られなかった。ヴィカーリオでさえボールをキャッチした後に早く手放したくて、まだ準備の整っていない選手に投げては困らせていた。

 誰もボールを持ちたがらないスパーズに対して、アーセナルはお手本のようだった。後ろの選手がボールを持っていれば、前から必ず誰かが降りてきてボールを引き取り、必ず裏を狙うアクションをしている選手がいる。チームとしてパスが回っていないと察したら、まずは自分にボールを預けろという姿勢をみんなが持っていた。全員がそうだからこそ自分にも必ずサポートがあると信じてボールを受けに行ける。これ以上ないほどに対極の両チームだった。これはよく言われている選手の質の差とかいう以前の話だ。今いる選手が相手に比べて下手だから、いい選手を市場から獲得してくれば解決だと決して思わない。今のチームのヌルさを変えていかないと、どうせ新しくやって来た選手の方が染まって同じようになるだけだ。それこそ、エゼがあの時こっちにきていたら史上最悪の補強だとか言われていたに違いない。断言できる。

 あとこれはもう小さな話なんだけど、コロムアニの投入は良くなかった。本人に意思を問えば出られますというでしょう。ここまでスパーズに来て活躍できているとは言い難いし、W杯イヤーなんだから気合いも入る。ピッチに入ったコロムアニは明らかにヘディングを避けていた。顎が折れているんだから出来なかったのだろうけど、じゃあ出すべきじゃないよねと思う。戦意のないチームを変えるための選手交代なのに入って来たのが100%でプレーしない選手ならまあ何も起こらないよね。

 と、ここまで書いたところでタイムアップ。締めのいい言葉を考えている時間がなくなったので終わります。パリにリベンジできますように。

 

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