[PL]第14節 ニューカッスル・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2025-2026 プレミアリーグ 第14節

Newcastle United 2 – 2 Tottenham Hotspur 

Stadium:セント・ジェームズ・パーク   

得点
71分:ブルーノ・ギマランイス(Magpies)
78分:クリスティアン・ロメロ(Spurs)
86分:アンソニー・ゴードン(Magpies)
90+5分:クリスティアン・ロメロ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ジョンソン(77’テル)、コロムアニ(77’リシャルリソン)、クドゥス(88’オドベール)
MF ベンタンクール、ベリヴァル(77’シモンズ)、サール(88’グレイ)
DF ウドギ、ダンソ、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、ファンデフェン、デイビス、スペンス、パリーニャ

ニューカッスル・ユナイテッド
FW バーンズ(66’ゴードン)、ウォルトメイト、マーフィ(66’エランガ)
MF ジョエリントン、トナーリ(46’ギマランイス)、マイリ(93’シェア)
DF ホール、バーン、ティアウ、リブラメント
GK ラムズデール
sub:ルディ、マーフィ、ウィロック、ラムジー、ニーブ

求:フットボーラー

 本当なら僕らだって、勝敗にこだわって試合を見ていたい。しかし直近10試合の成績が2勝6敗2分であれば自分の心を守るために目線は試合内容に移っていく。新監督初年度なんだし今は日々成長していくのが大事だよねなどと言って。だからこそ同じ負け試合でも、チェルシーやアーセナルとの試合のようなのは許せなくてパリ戦は良かったなどと言ってみたりする。それはいつかチームが噛み合って強いチームになってくれると信じているからだ。さあ僕らの我慢はどこまで保てるのだろうか。そんなことを考えるようになってきた。今日の試合は引き分けに持ち込めたのでポジティブに見ることも出来てしまうが、はたしてもう少しで勝てたかもしれないと思えるようなものだったのだろうか。負けないための戦いで満足してしまえばそれ以上になることはできないと思うのだが。

 連戦を考慮してローテーションをしていくのは良いことだと思う。ファンデフェンとパリーニャを休ませる決断が出来るのも、先日言ったように良くも悪くも選手層の厚みがあるからだ。それ以外にも変更はあったが、基本的に今日の先発のチョイスはプレー強度重視のものだったと思われる。プレミア屈指のファイター集団を相手にするためのフランクの策かな。

 ボールを追いかけていくプレスの意識は良いなと思いながら見ていたが、どうもボールを奪えない。瞬間瞬間を見ると強度高くプレッシングに行っているように見えるがチームとして方向性を決めて追い込んでいるわけではなく、ボールが出てから近場の選手が追いかけ始めるので常に後手に回っているのだ。そしてとても失礼な結論が頭に浮かぶ。これは選手たちが自分はサボっていませんよとアピールするために走っているだけなんじゃないかと。

 ボールを持って何か変化を起こすことに比べたら、ボールを持っている相手に対してただ全力で寄せる方がお手軽に努力している風を出せますからね。そう思ったのはたまにプレスが実り、中盤でボールを奪えた時にあれだけ守備のために全力で走っていた選手たちが途端にピタッと止まるからです。ボールを奪うために走っていたはずなのに、ボールが自分たちのもとに来たらみんな自分のところにボールが来ませんようにと願っている。いやすみません。大袈裟にいうのは良くないな。そうでない選手もいたからちゃんと言おう。奮闘している選手もいる中で明らかにボール保持を拒否している選手が2人いました。サールとジョンソンです。

 ジョンソンは今さら言うまでもないが、裏で貰いたがっているフリだけしてた。相手のサイドバックの近くで少し走り出してオフサイドラインを越えると、動き直すこともなくそこで歩いている。そのため、左サイドにボールを回せなくなりボールが後ろに下がる。サールも似たり寄ったりで、常に相手の後ろに隠れているか、ボールを持っている味方のすぐ近くで3メートルのパスを要求しているかどちらかだった。そこにいてどうするんだという謎のポジショニング。案の定、ベンターンクールから短いパスをもらい、さらに左にいるウドギに5メートルのパスを出すだけの無駄な一手間になっているだけの場面が目立つ。クドゥスの加入でジョンソンは絶対的な選手じゃなくなり、よくない試合はすぐに交代させられるようになったが、最近のサールは試合中何をしているのかわからない時も出場時間は比較的長い。僕にはわからない貢献をしているのだろうか。

 押し込まれる時間が長い中で、クドゥスとベリヴァルが個人技あるいは2人の関係性で流れを引き寄せようと奮闘していた。孤立していても体を張って、独力で相手を交わして強引に持ち運んでくれるのに次の選手が何の努力もせずに後ろに下げてしまうのは本当に不憫だった。これが続くから選手たちは自分だけが頑張っても無駄だなというメンタリティになってしまう。負けないでいてほしいし、チームとしても消極的なプレーは許さないように変わってほしい。守備をしない選手は試合に出られないというよく聞く風潮のように、逃げる選手は出られないチームになりたい。

 というわけで主張をまとめます。マティス・テルを使ってくれ。なんかサッカーを見ている時にテレビから聞こえてくる「ここからは気持ちです」みたいな解説がずっと好きじゃなかったんだけど、今は価値観が揺らいできました。気持ち、気合、気概、勇気、そうしたものが変えてくれるものが確かにある。テルは技術的な安定感は全くなくて、トラップミスでボールを失うこともしばしばだけど、それを差し引いても試合に出る価値を示していると思う。ユナイテッド戦と同様に今日も短い時間で確実に流れを変えた。左サイドでボールを受けて、本当は縦に仕掛けたいけど厳しそうな時にただ後ろに下げるのではなく内側にドリブルしていくことでロメロの1点目の起点を作った。少しゴールから遠いプレーに見えるが、こうしたプレーをしてくれる選手が少なすぎる。相手に対して少しでもズレを作っていくようなプレーをしないと守備を崩していくことなんてできないのに、すぐに諦めて後ろに下げて次の選手もまた後ろに下げて捨てのロングボールなんてもう見たくないのですよ。

 ちなみに2点目もオドベールのクロスを諦めずに折り返したところがコーナーを取れたきっかけになっていた。中央でリシャルリソンが意味のないファールアピールをしていなければアシストにもなり得たプレーだ。転んで俳優をやっていたリシャルリソンと違い、倒れるや否や立ち上がってゴールを決めたセンターバックのロメロとの対比は強烈だったね。ロメロが教えてくれたのはゴールとは入るものではなく奪い取るものだということ。2点ともそういうゴールだった。

 せっかく追いついて勝点1をとって終わったゲームなのに、後ろ向きな感想ばかり出てくるのはまだまだ最低限の戦いが出来ていないと思ってしまうからだ。ボールから逃げるフットボーラーなんて論外だし、勝ちを目指さない試合なんて見ていたくない。相手がリードして守備に意識が傾いている時間だからこちらに攻撃の流れが来ているのであって、自分たちで手繰り寄せたものじゃない。それを勘違いして反骨の精神とか言いたくない。逆転を目指すのではなく同点で満足するようなチームじゃ先はないのよ。あくまでも勝利を目指してもがいた上で、負けたけど試合内容は悪くなかったっていう状況があるのでね。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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