[PL]第18節 クリスタル・パレス vs トッテナム・ホットスパー

2025-2026 プレミアリーグ 第18節

Crystal Palace 0 – 1 Tottenham Hotspur 

Stadium:セルハースト・パーク   

得点
42分:アーチー・グレイ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW コロムアニ(62’オドベール)、リシャルリソン、クドゥス(86’ジョンソン)
MF ベンタンクール、ベリヴァル(62’パリーニャ)、グレイ(86’ドラグシン)
DF スペンス、ファンデフェン、ダンソ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、タカイ、デイビス、テル、スカーレット

クリスタル・パレス
FW ピノ(78’ウチェ)、マテタ、デベニー(85’エッセ)
MF ミッチェル、ヒューズ、ウォートン、クライン(68’エンケティア)
DF グエイ、ラクロワ、レルマ
GK ヘンダーソン
sub:ベニテス、カンボ、ソサ、ベナマー、ロドニー、ドレイクス

良いタイミングで戦えた

 2025年も最後の試合となりました。どうですか、良い一年でしたか。いえサッカーのことは聞いていません。それはまあ、わかっているんで。来年も頑張りましょう。

 リーグ開幕からしばらくのクリスタル・パレスの快進撃を見ていて、この日をずっと恐れていました。グラスナー監督の持ち込んだ3-4-2-1の完成度。バランスの整った守備から前線の個性を最大限に生かしたカウンター。あまりにもお見事でこりゃまず勝てないだろうなと今季のパレスを追っていました。先日のリヴァプールと同じようにちょうどパレスの調子が崩れていたタイミングで当たることが出来たのは運が良かった。スリーバックの一角を形成するリチャーズは大事を取っての休養で、中盤でほぼ完璧な仕事を続けていた鎌田と右サイドを制圧していたムニョスが離脱している。それからイスマイラ・サールがアフリカネーションズカップで抜けていて、それら不動のスタメンたちの代役を務める選手たちはその穴を埋めるほどの活躍はできていない。パレスは強いチームだが、かなり固定メンバーに頼り切っているので過密日程でわかりやすく苦しんでいる。

 スパーズは負傷者もいるけれどそれより勝手に出場停止で今日はメンバーが足りない。そこに我らが高井幸大が初のベンチ入りだ。これは嬉しかったな。正直この試合でメンバー入りできなければカップ戦も含めて今期中に出番が来ることはないだろうと思っていたからホッとした。ウォーミングアップすらしていなかったようなのでまだまだそんな序列なんだろうが、これは大きな第一歩です。ちなみに本サイトでは、レビュー記事の最初に書いているメンバー表では高井だけ浮いて見えるのが嫌なのでタカイ表記にします。対戦相手の日本人は気にせず漢字。文章中で登場するときは読みにくいと思うので高井も漢字表記とします。加入した時にこのルールを決めてたのに言うのに半年もかかっちゃったよ。

 相変わらずバタバタ感のあるスパーズとやることははっきりとしているパレスのせめぎ合い。若いデベニーに怖さはまだないし、エゼの後釜という大役にはイマイチ応えきれていたいピノを差し置いてマテタの存在感はとても大きい。純粋なバトルの強さもあるけど、それよりもちょうど縦パスが出てくるタイミングでスッと顔を出す上手さの方が感心した。いつものパレスはマテタのポストプレーから両ワイドが鋭く出ていくのだが、今日はその勢いがなかった。サールの不在もあるし、スパーズが引いたと言うのもあるし、ダンソが序盤こそ苦しんだもののカードを貰いながらマテタに一歩も引かない戦いをしてくれたと言うのもある。パレスのプレスによってポゼッションをスパーズが諦めたことで、逆にパレスの苦手な押し込むシチュエーションになってしまったことがこの試合の展開を作っていた。

 スパーズの攻撃の立ち位置のバランスの悪さが気になる。もっと自由に動いてほしいトップ下のベリヴァルが右に偏ってポジションを取るので、チーム全体としても右に寄ってしまう。左のコロムアニとスペンスには縦の関係性しかなくてそこで優位性を生み出すのが難しそうだった。あとスペンスといえば、シンプルにクリアしても良いところを繋いだり運んだりしようとして危ない失い方をするのが目立っていた。ただこれは一概に良い悪いと言うものでもないかなとは思う。なんでもかんでも前に蹴るだけでは相手ボールの時間が続くだけなので良くないし、かといってあまり失いすぎるのも困りものだ。うーんまあ今は繋ぐチャレンジでいいのかな。どちらかといえばただ蹴ってしまうよりもみんなでボールを運ぶ方向性を目指した方がチームとして深まっていきそうだから。リスク回避のプレー選択はある程度ボールを繋いでいくことが出来るようになってからにしたいな。

 得点は泥臭いコーナーキック一つだったけど、オフサイドで2点取り消されてしまった攻撃は悪くなかった。1回目はベリヴァルのサポートのためにポロが内側のランニングをしてくれたところ、2回目はグレイの出したウイングを走らせるパスが良かったね。足元でもらいたがる選手ばっかりだからこういうシーンは増やしていきたい。

 後半は攻撃を受けてしまってこりゃいつもの失点パターンだなと思って見ていたが、途中交代の選手がチームを助けてくれた。パリーニャが球際の強さを加えてくれて、オドベールが個人技で時間を作りチャンスを作りと無双していた。これを受けてのオドベール先発論がまた見られるけど、オドベールの課題はムラなんでね。先発するならコロムアニくらいの守備貢献は求められるし、五分五分の時間に集中して守っている相手ディフェンス相手に勝負を仕掛けないといけない。今日のパレスみたいにリードされて押せ押せで、もうスパーズが攻撃に出てこないなと油断している中でその裏をかいて仕掛けていくような状況にはならない。もちろん素晴らしいプレーだったものの、これをいつでもどこでもやってくれるようになってからの先発争いだとは思う。現時点ではオドベールを最初から出す時のメリットよりもデメリットを恐れてしまうフランクの選択はよくわかるよ。そして消極的な姿勢による部分のデメリットは負うべきリスクではないはずだ。

 団子状態になっている中位争いに留まれて良かったなという今日の勝利でした。上位勢との戦いはまだ厳しくとも、続くブレントフォードとサンダーランドに連勝できれば順位も雰囲気も大きく上向くことになる。休みを取りたい年末年始に大変だけど、シーズン終盤に向けた重要な連戦になることでしょう。本年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。そしてまた1日の深夜から新年の戦いを始めよう。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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