[PL]第27節 トッテナム・ホットスパー vs アーセナル

2025-2026 プレミアリーグ 第27節

Tottenham Hotspur 1 – 4 Arsenal 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:107勝52敗17分(勝率:61%)    

得点
32分:エベレチ・エゼ(Gunners)

34分:ランダル・コロ・ムアニ(Spurs)
47分:ビクトル・ギョケレシュ(Gunners)
61分:エベレチ・エゼ(Gunners)
94分:ビクトル・ギョケレシュ(Gunners)
トッテナム・ホットスパー
FW シモンズ、コロムアニ(68’リシャルリソン)
MF スペンス、サール、ビスマ、ギャラガー(62’ソランケ)、グレイ
DF ファンデフェン、ドラグシン、パリーニャ(82’テル)
GK ヴィカーリオ
sub:オースティン、ロウズウェル、ソウザ、オルセシ、バーネット、ウィルソン

アーセナル
FW トロサール(76’マルティネッリ)、ギョケレシュ、サカ(91’マドゥエケ)
MF ライス、エゼ(76’ウーデゴール)、スピメンディ
DF インカピエ、マガリャインス、サリバ、ティンバー(57’モスケラ)
GK ラヤ
sub:ケパ、カラフィオーリ、スケリー、ノアゴール、ジェズス

史上最短の解任ブースト

 スパーズを応援し始めて十余年、ここまでチームが崩壊しているのは初めてです。フロントも頭の半分くらいは、状況の責任が監督だけにないことはわかっている。だからこそフランク解任というカードを躊躇ってしまった結果、2月に入ってからの決断になってしまった。せめて移籍市場が空いているうちならまだ足掻きようがあったかもしれないのに。ついに降格が現実味を帯びるラインに到達し、ショック療法という最後の手段に頼ることになってしまった。言ってしまえばこのフロントのグダグダ感もピッチ内の状態の写し鏡のようじゃないですか。受け身でい続けてどうにかなるんじゃないかという希望的観測だけに頼っていて、どうにもならなくなっているところが。

 新監督イゴール・トゥドールの迎えた初戦はノース・ロンドン・ダービーから。選手の数もいないし直近の試合内容も全くもって良くない。そして相手は今やヨーロッパでも屈指のチームであるアーセナルとくれば、ポジティブな要素はほとんどない。まだマシに思えるのはこの試合がホーム開催だったこと。こんな状況でもまだサポーターは期待してくれている。一番変わったのはスタジアムに詰めかけるサポーターの熱量だった。素晴らしいコレオで選手を迎え入れ、ここ最近の中ではとびきりの声量で選手を支えていた。前半のうちは。

 そう、前半はまだ良かった。噂通りトゥドールは自身のスタイルである3-5-2でスタメンを組んだ。並べている選手の特性を見てもどうしても守備的になってしまうが、ラインを下げても前向きな守備は随所に見られたと思う。特にビスマの勇気あるインターセプトが活気を生む場面が何度かあったね。失点した瞬間にスタジアムの空気がまたこれかという風に沈みかけたところをコロムアニが引き戻したのは熱かった。元々このチームにはボールを持った時の最低限の連携みたいなものが存在していないので、監督変わって数日でチャンスを生み出しまくれるわけもなかったので、あの何もないところから得点を奪ってくれたのは救いだった。1-1での折り返しは期待してしまうものがあったのに、それも後半立ち上がりの失点までだった。解任ブーストは前半45分で終わり。後半はいつものスパーズだった。

 さっきビスマを褒めたけど、試合を通じた評価とするなら及第点には及ばない。特に3失点目が今のスパーズの酷さを象徴していると思う。サールとドラグシンの中途半端なプレーの連続で受けたショートカウンターだったが、あのシーンを見返すと、アーセナルがスピードアップしてこちらのゴールに向かっている中で、懸命に戻っているのはファンデフェンとパリーニャだけ。ボールロストに関わったサールとドラグシン、そして近くにいたビスマはみんなジョギングしている。ほんとふざけるなっていう話よ。ビスマが全力で戻っていれば、エゼにこぼれてしまったところに追いつけたはずだ。こうしてボランチの選手が頑張って走れば防げていたであろう失点はこれが初めてじゃない。ビスマは特にそれが目立つので多少前半のような良いプレーをしても評価を上げられない理由がここにある。ついでに言うと4失点目のドラグシンもそう。ウーデゴールのスルーパスがギョケレシュに入ったところでがむしゃらに戻っていけば、グレイが時間を稼いでいる間にシュートコースに入れただろうと思う。攻撃力がチームとして足りていないのは、攻撃の時に出ていく選手がいないことが大きいが、実は守備でもこうした地味なサボりが横行しているのが今のスパーズであり、ここで指摘しているような選手たちは全員が自分のせいではないと思っている。トゥドールの言うとおり、残留を勝ち取るために必要なことは、自分たちを見つめ直し謙虚になることだ。

 トゥドールといえば、試合中の指示を選手が無視しているんじゃないかという切り抜きが話題になっている。普段はネットの切り抜きに反応するのは好きじゃないんだけど、これについてはちょっと触れたい。トゥドールがディフェンスラインにもっと高い位置を取れと言っているのに選手が反応をせず、トゥドールが不満そうなリアクションをしているというものだ。画面に映っていたのはファンデフェン、もしくはドラグシンだった。この件の事実はどうだったのかわからないが、選手が監督の指示に従わないというのはあまりにも心当たりがある。もし話題の通りならたとえファンデフェンであってもベンチに置こう。チームを変えるにはまずは規律からだ。

 ラインの上げる守備のリスクを受け入れられないのなら、それは試合前のミーティングで進言すべきことであって試合中に指揮官の指示を無視するのはダメだ。ピッチ内で選手の判断で変えて良い部分はその裁量が与えられている範囲に限定されるべきで、明確に指示を出されているのならそれに従わないとチームとして成り立たなくなってしまう。意見を言う自由はもちろんあると思うが、最終的な決定権は監督にある。それが選手と監督の役割分担であり、監督が最終的に責任を負うという根拠になるものだ。トゥドールはこの悪しき風潮をどう変えていくのだろう。この試合から光のかけらを抽出するのなら、トゥドールが試合後のインタビューで最近思っていることと全く同じことを言ってくれたということだけ。「このチームの問題は選手の質ではなく、悪い文化にある」よく一試合でそこに辿り着いてくれた。鬼軍曹になってくれ。今シーズン限りの契約っていくのがいい方向に働いてほしいね。来年以降の選手との関係性とかを考えなくて良いからこそできることがあると信じている。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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