[番外編]CL決勝 ユヴェントス VS レアル・マドリード

スパーズの話題ではありませんが、世界中のサッカーファンの憧れ
UEFAチャンピオンズリーグ決勝のレポートをお送りします。

最強の盾 vs 最強の矛

舞台はカーディフにあるウェールズ国立競技場
地元の大スターであるギャレス・ベイルの出身地でもあります。

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イタリアの雄 相性は「老貴婦人」

この日ホーム扱いとなったのは今シーズンのイタリア王者、ユヴェントス
今シーズンのCLにおいて唯一の無敗チーム
守備の国イタリアらしく12戦を終えてわずか3失点の堅守を誇ります。
39歳となる生ける伝説ジャンルイジ・ブッフォンはこれまでビッグイヤーを掲げたことはありません。
「2年前に決勝で敗れた時に一度は諦めた夢」と語ったキャプテンは悲願を達成するのか。

スペインの雄 相性は「白い巨人」

昨年度覇者は再びこの地に帰ってきました。
史上初となるCL連覇を目指すのはこちらも今シーズンのスペイン王者、レアル・マドリード
選手層の厚さは欧州屈指の「20世紀最高のクラブ」
負傷明けのベイルはベンチスタートですが、変わって入るのはイスコ。すごいですね。

息もつかせぬ前半戦 ハイレベル、ハイペースな展開に

スターティングメンバー

ユヴェントス:ブッフォン、バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ、アウベス、ピャニッチ、ケディラ、サンドロ、ディバラ、マンジュキッチ、イグアイン

レアル・マドリード:ナバス、カルバハル、ラモス、ヴァラン、マルセロ、カゼミロ、クロース、モドリッチ、イスコ、ベンゼマ、ロナウド

ユヴェントスは3-4-1-2、レアルは4-3-1-2の形

えてしてこう言うビックゲームは慎重な立ち上がりになりがちですが、序盤からハイテンポに仕掛けていくのがユヴェントス
開始5分までにイグアインが2本のシュートを放ち、7分にはピャニッチのミドルをケイラー・ナバスが横っ飛びで防ぎます。

ユヴェントスは守備の際の決め事がはっきりしています。
レアルのビルドアップの際にまだ出しどころが決まらなそうだと見ると積極的にプレスをかけます。
サイドに追い込むように前線の選手が連動して追い込んでいく、そこで奪ってショートカウンターという場面がこの試合で何度も見られました。
前線のプレスがかわされると深追いはせず、きっちり引いてブロックを作る。
レアルもパスを回しているが、穴を見つけることができず、ボールを回収されてしまう展開に。

奇襲をかけたユヴェントスはこの時間に点を取り、試合をコントロールするというゲームプランだったのかもしれませんが、テンポに慣れてきたレアルがボールを保有する時間が増えます。

流れを引き戻したレアル、キーマンはベイルに変わってスタメンに入ったスペイン代表イスコ
トップ下に入ったイスコですが、ディフェンスライン付近まで下がってボールを受けると、プレスに来る選手を軽くいなしてパスを散らします。
そうするとユヴェントスは引いて守るようになるのでレアルの選手が落ち着く時間ができていきます。

先制はレアル・マドリード、前半20分
自陣でボールを奪うとクロースが持ち上がり、ベンゼマへ、右に開いていたクリスティアーノ・ロナウドに素早く叩くと、右サイドを駆け上がってきたカルバハルにいったん預けて、もらったリターンをダイレクトに低いシュートを突き刺しました。
大舞台で結果を残すこの男、ここまで目立ったプレーはありませんでしたが、やはりスーパースター。

ユヴェントスは中盤で作って、左サイドからのクロスを狙うシーンが目立ちます。
ウイングバックのアレックス・サンドロが高い位置を取り、クロスをどんどん放り込みます。

27分、ゆったり後ろで回していたCBから高い位置をとっていたサンドロにロングフィードが通り、ダイレクトでクロスを入れると、イグアインが落とし、マンジュキッチが胸で受けて、衝撃のオーバーヘッドで同点に追いつきました。
ロングフィードが入ってから3人が一度の地面に落とさず、決めました。
何年か後のスーパーゴール集にきっと登場してくることでしょう。
これでマンジュキッチは異なるクラブでCL決勝で得点を取った史上2人目の選手になりました(バイエルン、ユヴェントス)
ちなみに一人目はクリスティアーノ・ロナウド、この手の記録にはだいたい登場しますね。

前半は1-1で折り返します。

後半戦、決め所を知っているチームの強さ

前半に比べ、慎重な立ち上がりになりました。
レアルはロナウド、イスコを裏に走らせ、守備陣のほころびを探ります。
ユヴェントスは攻撃の糸口を見つけられません。
中央に構えるイグアインはボールを収められず、ディバラの個人技で局面を打開するも前に人数がかからず、決定機を作るには至りません。

徐々にレアルが攻勢を強めます。
前半より高い位置を取れるようになったモドリッチが、ボールに絡む回数が増えていきます。
ボールを受けては展開し、レアルにリズムを生み出します。
16分、ボールをカットしたモドリッチがクロースに預けると、左に開いていたベンゼマへ、リターンを受けたクロースのシュートはDFに阻まれますが、カゼミロが思い切り良く狙うと、ケディラに当たってコースの変わった強烈なシュートにはブッフォンの届かず追加点を奪います。

続けて18分、DFのクリアをモドリッチがかっさらい、カルバハルに預けて縦に抜けるとそこから出たスルーパスを折り返し、そこに現れるクリスティアーノ・ロナウド、再び。これで単独得点王です。

2点差は一番怖いと言われますが、この試合はここで決まってしまいました。
余裕が出てきたレアルのパス回しに対して、ユヴェントスは相変わらず形が作れません。
交代でクアドラードを投入しますが、状況は変わらず。
ダニエル・アウベスが右と真ん中を自由に動いてもがきますが、イグアインは失った存在感を最後まで取り戻せませんでした。

37分のアウベスのフリーキックからサンドロのヘディングはあわやというところでしたが、昨年度王者は大きな壁でした。
38分にはセルヒオ・ラモスの名演技により、クアドラードが退場に。
苦しいユヴェントスは前から奪いにいきますが、どんどん出てくるチームの相手をするのはレアルの真骨頂
戻りが遅くなった隙を狙ってモドリッチが持ち上がると、たまらずファールを犯します。
こういう運べるプレーは貴重ですね。この時間に。さすが

このフリーキックから途中出場のマルコ・アセンシオが一点を追加し試合終了

ユヴェントス 1 – 4 レアル・マドリード

優勝経験は積み重なって強さとなる

前半は互角に見えた両チームも後半はレアルが圧倒しました。
12試合で3失点のユヴェントスに4点を叩き込むレアル・マドリード

ハイテンポに仕掛けてきたユヴェントスに焦ることなく対応し、ゆっくりとペースを取り戻し、
いつの間にかレアルペースにしてしまう。
レアルの選手には落ち着きを感じます。この大舞台においても。

大部分の選手たちが、去年もこの大会を制覇したという大きな経験値が差を産みました。
1-3になったところで、それは明確になりました。
余裕あるレアル、形が見出せないユヴェントスと。

個人的にはブッフォンがトロフィーを掲げる姿が見たかったなと思いますが、フットボールの神様は厳しいもの。
また、戻ってきてほしいですね。

 おわり

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