2026-2027 プレミアリーグ 第7節
Tottenham Hotspur 3 – 1 Coventry City
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:111勝56敗20分(勝率:60%)
得点
14分:ジェームズ・マディソン(Spurs)
49分:ジャック・ルドニ(Coventry)
58分:オマル・マルムシュ(Spurs)
90+6分:ベン・デイビス(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW マルムシュ(87’テル)、ソランケ、クドゥス(87’クルゼフスキ)
MF トナーリ、マディソン(69’ギャラガー)、グレイ
DF ロバートソン(69’デイビス)、ファンデフェン、アダラビオヨ(69’フェルナンデス)、ファンヘッケ
GK キンスキー
sub:ドゥブラフカ、セネシ、オルセシ、ウィリアムズバーネット
コヴェントリー・シティ
FW シェリフ(60’アウォニー)
MF トーマスアサンテ(78’ハメル)、グライムス、ルドニ(88’ヘイデン)、イレンキ(60’オニェカ)、坂元(78’メイソンクラーク)
DF ダシルバ、ピノック、トーマス、ファンエバイク
GK ラッシュワーズ
sub:ベントレー、ムフニ、トープ、シムズ
ようやくここからリスタートを
ヨーロッパの大会のないシーズンであり、そうしたクラブの中で比較的視聴率を取れるクラブである僕らの試合は日本時間で土曜日の試合に組まれていることが多くてありがたい。今日は久しぶりのマンデーナイト。他のチームの第7節は全て先に消化され、キックオフ時点でプレミアリーグ唯一の未勝利クラブというプレッシャーを背負って戦うことになった。これは良いこととして言うんだけど、最下位のくせに悲壮感がないですよね今のチームに。本当のところはわからないが、外から見ているとうちより上の順位にいるのにユナイテッドとかパレスの方が空気は悪そう。どうでもいいようで大事なことだと思う。選手たちがやれると思うかどうせダメだと思うかは非常に大きな差になるからね。
先週の土曜日から時間が空いたことで、スパーズはスペインでのミニ合宿を開催してチーム力の向上に努めたようだ。先発表を見てこれはどんな並びだろうと思うより先に、光り輝く2つの名前に目を奪われた。実に536日ぶりのジェームズ・マディソンの先発起用、そして526日ぶりのデヤン・クルゼフスキのメンバー入りだ。先の見えない苦しいリハビリを乗り越えて良くぞ戻ってきてくれた。それで早速なんですけど助けてください。君たちの不在がどれほどに大きかったことか。もちろん完全復活と言えるまではもう少しかかるとは思う。ちょっとした欠場を挟みながら、徐々に出場時間を伸ばしていくことになる。でもきっと80%の力でも今のチームの助けになれるだけの選手だと信じている。不在期間の上がりきった期待値に臆さずに思う存分やってくれ。
デゼルビの新しいアイデアが詰まった試合だった。スタートポジションは4-2-3-1だったはずだが、ボールを持っている時には変形して、中盤をダイヤモンド型にした3-4-3になる。右サイドバックのファンヘッケがスリーバックの右になり、左サイドバックのロバートソンは左ウイングに上がる。マルムシュはセントラルミッドフィルダーの一角に入った。ちなみにグレイではなくフェルナンデスを使え一派の皆さんに解説すると、グレイが起用されている理由は、今チームが勝つためにどんなプレーをするべきかということを考えて実践してくれる選手だからです。自分がボールに触れることを重視する動きをするフェルナンデスより、犠牲になるためのランニングができるグレイが今は必要だというだけです。クドゥスが持った時に欠かさず裏にランニングしてくれる動きはもっと評価されるべき。決して深い位置で攻撃的なプレーをするのが好きでも得意でもないはずなのに、あれが出来るそうした精神性が未来のキャプテンと評される所以でしょう。慣れないポジションに入ったファンヘッケの守備時の曖昧な立ち位置をグレイとトナーリが引くほど走って埋めていたのももっと注目されていい。こうやって誰かの弱点を誰が埋めていこうという形が見られて嬉しいね。これが11人いる意味ってやつよ。
この新作フォーメーションの狙いは、中央攻撃の意識を高めるところにあったと思う。これまでの6試合では後ろでバランスを取ることに注力する選手とサイドに逃げてしまう選手ばかりで中央の空洞化が起こり、ソランケの周りに仲間がいない状況が続いていた。それを3-4-3に形を変え、中盤の4人を全て中央だと定義することでサイドへの逃げ道を塞いでしまった。たぶん今までだったらこれでも中央の選手が後ろやサイドに流れてしまったり、真ん中に人はいても動きがなくて硬直してしまっていただろうが、今日はマディソンがいる。狭いスペースで受けることを厭わず、前を向けばスルーパスが出てくると信じられるので裏に走る選手がいる。いつもより明らかにオフサイドが多かったのもこうした変化だ。
解説の方が指摘していた通り、あまりにも中央偏重なので縦パスを引っ掛けられた時のカウンターのリスクは高いだろうし、主にファンヘッケなんだけど、サイドバックとして振る舞うべきかスリーバックの一角として振る舞うべきかという迷いが見られるので、色々と脆いシステムではあると思う。今日のところは奇策だったのとコベントリーの選手たちとの質の差で殴り勝てたものの、これで全て解決というわけではまだまだないでしょう。グレイと比較しても圧倒的にマルムシュの動き出しがないのでロバートソンが孤立して左サイドからのチャンスメイクは数えるほどだったし、サイドを攻略した後のクロスに飛び込む選手はやや少なくて決定機になりにくかったりという課題は見られた。でもまあ総合すると上々か。何より初勝利だからね。今年ホームでの2勝目だっけ3勝目だっけ?改めて酷いな。よかったよかった。
先発起用に一発回答のマディソンのビューティフルゴール。マルムシュの加入後初ゴール。クルゼフスキの復帰などなど、非常にエモーショナルな試合になった。最後の締めにデイビスが決めたのも素敵な結末だった。年初に骨折で交代していったときには、デイビスの最終戦になってしまったのかもしれないと悲しい思いをしたものだが、戻ってくるだけでなく大事な局面でゴールを決めてくれるなんて涙出ちゃうよこっちは。
しかしデゼルビ政権は初勝利に時間がかかるというのは本当だった。聞いてきた話によるとここからチームは上向いていくはずだ。怪我人、コンディション不良、結果が出ないことによる試行錯誤の功名で、ほぼ全ての選手を大きな序列感もなく起用できているのは 勢いに繋がるんじゃないでしょうか。何よりまずは最初の勝利を掴めてよかった。