使い分ける2つのフォーメーション

今シーズントッテナムは複数のフォーメーションを使用するチームに変貌しました。
昨年の前半は4-2-3-1で後半はチェルシーに始まる3バックの流行に乗り、3-4-2-1がメインでした。
今は4バックはほぼ使用していません。アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ダイアー、サンチェスのうち二人が欠場しない限りは3バックのフォーメーションがメインです。
主に使うのは3-4-2-1と3-5-2の二つ。これに関して考えてみます。

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カウンター型、3-5-2

直近1か月はこのフォーメーションが多い。
やや強豪との試合が続いた時期でもあり、そのために考案された形です。

3-5-2と題しましたが、展開によって5-3-2であったり、3-3-2-2であったりする。
サイドバックの位置により印象は変わりますが、セントラルミッドフィルダーを3枚並べるのが特徴で、全体的に重心は低めに設定します。
ハイプレスハイラインを貫いてきたポチェッティーノにしてはこれは大きな変化でした。これまではどんなチームに対してもいわゆる「自分たちのサッカー」を展開し、真っ向勝負が信条でしたがとても良いアイデアだと思います。

前線にはケインともう一人を残し、そこを中心にカウンターを仕掛けるのが狙い。ケインの相棒はジョレンテ、ソン、アリと色々試していますがこれは三者三様で良さがあり、逆に言えばまだ決まっていないと言えます。アリはMFでも出ることがあり、よりカウンター狙いのゲームプランの場合は高さのジョレンテかスピードのソンと明確な武器のある選手の方が選ばれているよう。

今のところボールを持たされる展開になった時は得意ではないようで、中央に選手が固まりがちになるのでプレーエリアが狭くなり攻撃の形が作れないことが多い。2トップがサイドに流れたり縦関係になれればうまく回るので、その辺の連携はメンバーが変わりつつ確立していきたい部分です。

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ポゼッション型、3-4-2-1

主導権を握って戦いたい時はこちら
長く使用しているフォーメーションで特に前線のケイン、アリ、エリクセンのコンビネーションは完璧な状態です。
高い位置でボールを奪い、3人のショートカウンターでゴールを奪う場面も多いですが、基本的にはゆっくりパスをつないで相手を押し込む展開になることが多い。センターバックもポゼッションに加わり、両サイドに揺さぶりつつ気を見て真ん中を崩しにかかるスタイル
サイドの高い位置にボールを入れて攻撃は始まりますが、難しいと思ったら無理せずに後ろから作り直します。先ほどの2トップの時はもうちょっとゴールを直線的に狙う時も多いので、そこが違いかと。

守備から攻撃に変わる時も、ワントップ(主にケイン)が積極的に顔を出してボールを受けることで時間を作り、全体的にラインを押し上げることで相手を押し込めます。攻撃時には最終ラインはセンターラインまで上がってきてボールを奪われても高い位置でボールを奪おうとする。相手陣内でプレーを進めたいという考えが強く見える形です。

高い位置を取り、高い位置からプレスをかけていくのはポチェッティーノのスタイルですが、上がったウイングバックの裏のスペースは狙われやすくなるところ。サンチェスがカバーリングもできる選手なのでケアできるようになってきましたが、スピードが武器の選手が相手にいると撹乱されがちです。ただこれは攻撃のメリットとの兼ね合いなので、仕方のない部分ではある。ちゃんと考えられていればね。

相手によって変えていける強み

たくさんの選択肢を持つことで相手のチームは対策しづらくなるし、試合中に行き詰まった後に戦い方を変えることができるようになる。
まだ、途中交代などで劇的に流れが変わる試合は少なくてそこは危惧している側面ではありますが、きっとそのうち改善されていくでしょう。
2トップの形を使い始めたのには、カウンター主体の戦術を取りたいという理由とともにボランチ勢が負傷で手薄になっていたという理由もあります。もうすぐワニャマも戻ってきますし、デンベレも出場機会を増やしてきました。メインは3-4-2-1だと思いますが、これからも使い分けていきたいですし、あわよくばまた違う形も見つけることができれば面白くなると期待しています。

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