コラム

マウリシオ・ポチェッティーノに心からの敬意を

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2019年11月19日、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の解任が発表されました。

予測していなかったわけではない。
それでも、やっぱり悲しくなるよ。

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いつまでも一緒に戦いたかった

2014年5月27日、サウサンプトンで高い評価を受けていたポチェッティーノがトッテナムの監督に就任する。

当時のスパーズはプレミアリーグの中ではいわゆる第二グループにいた。ビッグ4と呼ばれていたプレミアの勢力図に、オイル・マネーによって急速に力をつけてきたマンチェスター・シティが加わっていて、事実上の5強体制だ。スパーズはその中にどうにか割って入ろうと、もがき続けていた。前任のティム・シャーウッド体制の最終年は6位でシーズンを終えていて、当時の目標はチャンピオンズリーグ出場圏内である4位以内に入ること。それが全てでした。

目標はあくまでも目標で、実際にCL圏内を安定して得られるクラブになると言うことは難しいと見られていた。リーグで優勝を争うシーズンがあるなんて思ってもみなかったし、チャンピオンズリーグなんて出ることだけが目指すところでその先なんて考えていなかった。

友人に応援しているクラブを聞かれ、スパーズだと答えれば決まって苦笑いをされた。渋いねとでも言ってもらえればいい方で大抵はよく知らないと言うリアクションや、マイナーなクラブを応援しているのがかっこいいと思っているんだろうと言う顔をされる。ちょっと大げさめに語ったが、きっとそんな気分になった経験のある人は多いと思う。

要するに誰も信じていなかった。半年前にポチェッティーノも言っていたけど、「就任した時に5年後にはチャンピオンズリーグの決勝に進むんだと言っていたら、きっと笑われていただろう」というのは本当で、当時の我々は中堅の中ではいい感じのチーム、に過ぎなかったのです。

そして共に歩んできた5年間で、ポチェッティーノは全てを変えた。初年度を5位で終えると、2年目には3位、3年目には2位と結果を残していく。それに積極的に若手選手を登用し、攻撃的なスタイルを標榜するチームはとても魅力的だった。選手とともに監督としても成長していき、CLの舞台であのレアル・マドリーを破ったあたりから、試合中の戦術の変更により、相手に混乱をもたらせる力を身につけた。今やプレミアはビッグ6と呼ばれ、タイトルこそ取れていないものの、トッテナムは強豪としての立場を確立していくことに成功した。

そして昨年のチャンピオンズリーグ。近年の躍進の中でも想像だにしなかった快進撃でクラブは高みへと進んでいく。劇的に次ぐ劇的な試合の連続で、ついに夢の一つであったチャンピオンズリーグ決勝の舞台にたどり着いた。準決勝のセカンドレグ。モウラの逆転ゴールが決まった瞬間にグラウンドの中に飛び込んだポチェッティーノが膝から崩れ落ちたあのシーンを僕らは一生忘れないでしょう。

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この功績は永遠のもの

解任は本当にショックだったけれど、理不尽なものではないと思っています。確かに昨年の今頃から、代名詞であるハイプレス・ハイラインは影を潜め、カウンターに活路を見出すチームになってしまった。なんとか勝ち星を稼いだいたために表面化していなかっただけど、内容の伴わない試合は今に始まったことではなかった。今年に入ってからは夏に放出できなかった選手たちのモチベーションの低下も顕著に見られ、ついには結果さえも出なくなってしまい、改善の兆しすらも見えてこなくなった・・・

残してきた実績と、契約解除に伴う違約金の大きさがレヴィ会長の決断を遅らせていましたが、成績だけ見ればいつ解任されてもおかしくない状況は続いていたし、他のクラブのオーナーたちに比べればはるかに我慢した方でしょう。本音を言えば誰もが長期政権を期待していました。ファーガソンやベンゲルの次の存在はポチェッティーノであって欲しかった。

いつだってメディアに対する姿勢には間違いがなく、冷静にクラブや選手を守ってくれた。ピッチの横では誰よりも頭の切れる指揮官であり、頼れる兄貴のようでもあった。彼がいるからとクラブへの忠誠を誓っていた選手も少なくはなく、人望もこの上なく厚かった。こんな別れかたは望んでいなかったよ。

何年かたった後にはきっとこのシーズンの始まりの時期のことは思い出せないかもしれません。ポチェッティーノの名を聞いて頭に浮かぶのは、常に心躍る躍進の期待感と、激闘のチャンピオンズリーグの日々でしょう。あなたの功績を礎に僕たちはさらに前に進む。いつの日か我々がタイトルを取る日が来たら、それはこの5年間があったからだと誇りを持って伝えていく。これからのお互いの未来が本当に輝かしいものでありますように。

マウリシオ・ポチェッティーノに心からの敬意を。

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