ヤン・フェルトンゲンとの別れが思っていた以上に悲しい

2020年7月27日、トッテナム・ホットスパーはヤン・フェルトンゲンの契約満了による退団を発表いたしました。

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最高の”漢”だったぜ

 フェルトンゲンとの出会いは2012年のこと。ロリスもこの年だけど、ロリスより1ヶ月早く加わっている。アカデミー出身の選手を除けば、今の選手の中ではローズに次いで長くいる。たぶん

 トッテナムに来てからはもうずっと、変わらぬレギュラーであり続けていた。遅れてやってきたアルデルヴァイレルトとのコンビは、世界でもトップレベルの安定感で、逆にこの2人のいなくなった未来が不安になるほどだった。

 退団が決まった今でも、その不安が解消されたわけではない。サンチェスは未だに能力任せで安心感に欠けるし、モウリーニョの下で軸になっていきそうなダイアーもここ数試合やっと良くなっているだけでどうなることか。

 どの試合だったかは失念したけど、いつかの試合で途中交代させられた時の、あの悲痛な表情が本当に忘れられない。今シーズンのフェルトンゲンの全てが詰まっているようで、見ているこっちまで胸が締め付けられた。こんな時が来るなんて、1年前には予想もできなかった。

 今シーズンも当然のようにレギュラーで始まったはずなのに、少しずつ序列を落とし、気づけば4番手の扱いにされている。僕にはポチェッティーノ政権の最後から続くチームの不調のスケープゴートにされているようにも見える。

 数年前に比べればたしかに判断の遅さやスピードの無さが目につくようになってきたとはいえ、サンチェスの成長に抜かされたわけじゃないはずだ。契約が今年までだったし、同じくらいの出来なら若手を使って育てていきたいという思惑に飲まれただけだ。もちろんそれもチームの新陳代謝を考えれば当然の流れなんだけどね。

 最後の出場は7月15日のニューカッスル戦の終わりの数分だ。フル出場の試合でいうと7月9日のボーンマス戦になる。あの試合がラストになるとは全く考えていなかった。さすがに終盤の2試合のどちらかに出番は与えられるはずだ、と。

 そりゃ公式戦なんだから、その時のベストメンバーを組むべきだというモラルはわかる。わかるけど、納得は出来なかった。ちゃんと拍手で送り出したかった。もう一度、ユニフォームを着て戦う姿が見たかった。

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 「彼のような選手と仕事が出来て本当に幸せだ。フェルトンゲンは本物のプロフェッショナルだ」とモウリーニョは会見で語ってくれた。

 思えばこの1年間、決して満足のいくシーズンではなかったはずなのに、フェルトンゲンから、現状を、扱いを不満に思うようなコメントは一切聞こえてこなかった。面白くはないであろうクローザー役を真摯にこなしてくれた。いつでも完璧な準備をしてくれていた。

 本音を言えば、フェルトンゲンはもう少しいてくれるものだと思っていた。自分に代わるセンターバックを育ててからいなくなるのだと思ってた。だから心がついていけない。シーズンの後半から契約延長の声も聞こえなくなり、こうなることはわかっていたはずなのに、いざこの時が来るまで、僕は現実が見えていなかったみたいだ。

 でも別れかたはとても美しい。出番を失っても文句ひとつ言わず準備を続ける。若手の模範になり続ける。契約をきっちり全うし、尊敬され応援され、寂しがられてチームを去るんだ。大きな移籍金を残すのももちろんチームのためになるのだけど、この終わりかたも理想のひとつなんじゃないだろうか。

 フェルトンゲンがセンターバックの左側にいることがずっと当たり前だったから、思っていたよりずっとずっと悲しく思ってる。これまでも優秀な選手たちがたくさん出ていくのを見てきたけど、こんなに寂しくなったことはなかった。フェルトンゲンという人間が好きだった。

 共に戦った8年間で、スパーズは全く違うステージに立つチームになった。キャリアのピークを捧げてくれて本当にありがとう。これから新しいクラブを探しにいくのだと思う。まだまだトップレベルでやれるはずだ。正直、戦いたくない。

 悲しいけど、気持ちのいい別れではある。何も濁っていることはない。出会った時から今の今まで、ヤン・フェルトンゲンは最高の選手、最高の漢だった。一緒に歩んでくれてありがとう。10年後くらいにスタッフとして帰ってきておくれ。まだしばらくは選手として輝いていてくれていいから。

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