2018-2019 プレミアリーグ 第3節
Manchester United 0 – 3 Tottenham Hotspur
Stadium:オールド・トラフォード
得点
50分:ハリー・ケイン(Spurs)
52分:ルーカス・モウラ(Spurs)
84分:ルーカス・モウラ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
ロリス、トリッピアー(76’オーリエ)、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ローズ(82’デイビス)、エリクセン、ダイアー、デンベレ、アリ、モウラ、ケイン(89’ウィンクス)
sub:フォルム、サンチェス、エイモス、ジョレンテ
マンチェスター・ユナイテッド
デ=ヘア、エレーラ(55’サンチェス)、ジョーンズ(58’リンデロフ)、スモーリング、ショー、バレンシア、ポグバ、マティッチ(61’フェライニ)、フレッジ、リンガード、ルカク
sub:グラント、ヤング、マクトミネイ、ラッシュフォード
ホーム開幕戦は無事勝利。
少しずつコンディションも上がってきています。
格の違いを見せたアルデルヴァイレルト
ブライトンに敗れてご立腹のモウリーニョはスタメンを大幅に入れ替えた上、初披露のスリーバックという奇策に出ました。前節のディフェンス陣はルーク・ショー以外全員クビ。ジョーンズ、スモーリングに普段は中盤のエレーラを組ませました。フォーメーションは3-4-2-1だったので、おそらくミラーゲームで試合に臨みたかったのだと思います。
ユナイテッドはとても気合が入っていた。ここまでの3試合では最高の出来です。彼らの割には走っていたし、コンバートされたエレーラは効いていた。両ワイドのバレンシアとショーは果敢に仕掛けてきて、攻撃の軸でした。前半にローズのバックパスをさらったルカクが決めきっていれば逆のスコアも十分にありえました。
優勢のユナイテッドと劣勢のスパーズ。試合を分けたのはセンターバックの差です。
後半も文句なしの立ち上がりで変わらぬ流れになるかと思いきや、今年から明確な武器になりそうなトリッピアーのコーナーキックからケインのヘッダーが決まった。あまりにも簡単にケインをフリーにしたジョーンズの甘さ、そして冷静にコースを狙うケインのしたたかさ。
数分後の追加点はオフサイドトラップの意思疎通をエレーラが失敗したことが原因でした。急造で乗り切れるほど甘くはないよ。それまではいいプレーだったけども。最後にはモウラの仕掛けたシンプルな一対一にスモーリングが全くついていけずゲームセット。先発3人が直接失点に絡む体たらくです。
対してスパーズは久々にベルギーコンビ。これがまあ堅い堅い。特にアルデルヴァイレルトの出来は圧巻で、読み、判断、カバーリング、フィードとどれを取っても一級品でなおかつ余裕のあるプレーぶりでした。今夏ユナイテッドが狙っていた選手が大きな差となって試合を決めてくれました。これだけのパフォーマンスを見せられてはしばらく先発に戻るでしょう。サンチェスはスリーバックの時に出番をもらう形になります。レベルの高いセンターバックをローテーションできるのは長いシーズンを戦う上でとても大きいですね。
可変型スパーズの成長
スタートはシンプルにスタンダードに4-2-3-1です。しかしユナイテッドの想定外のフォーメーションに戸惑ったか、後手後手に回る羽目になりました。いつか失点しそうな匂いがプンプンしていて、攻撃の糸口は見えない。
耐えしのいでリズムを掴み出したのは、劣勢の最中あえてモウラとアリとケインでスリートップ気味にして、相手の不慣れなスリーバックにプレッシャーをかけてから。明らかに嫌がっていてビルドアップを不安定にしたことで、ボールを拾える確率がグッと上がりました。ここでディフェンスラインにネガティブなイメージを植え付けたことが後半の崩壊に繋がったのかもしれません。
後半はモウラはケインとツートップにして4-4-2。さらにダイアーの位置次第でスリーバックとフォーバックを流動的に変えていました。ユナイテッドからするとプレスの掛け方が難しいようで、迷っている様子が伺えました。
その他選手にフォーカスすると、飲酒運転で捕まっていたロリスは何食わぬ顔でスタメン起用。キャプテンマークもきっちり巻いていました。日本人の感性では理解しがたいですが、ポチェッティーノも「キャプテンの剥奪は考えたこともないよ」とのこと。今日もビックセーブに救われました。今シーズン初のクリーンシートです。
しばらくぶりにスタメン起用されたローズは、2016-2017シーズンのイメージが拭えないので、良かったとは言い難い。得意のはずの攻撃面では存在感が出せず、守備ではポグバに狙われていました。というかユナイテッドはポグバ、ルカク、フェライニをローズとトリッピアーに当ててガンガン蹴ってきた方が強かった。いつもならやっていそうなのにその作戦を取らなかったのは、いつも以上にチームとしての出来が良かった弊害か。助かりました。ローズは本当に負けていたし、負けていたことに苛立ってカードをもらったのであれは純粋に戦力としての選手交代です。
最後にマン・オブ・ザ・マッチはルーカス・モウラ。2得点はもちろんの事、相変わらず守備がうまい。プレスをかけるタイミング、その迫力。お手本のような前線からのプレスです。それから小さいくせに意外とハイボールで負けていなかった。体の使い方と一瞬の動きの早さでかなりボールを収めていました。
これで開幕3連勝、オールドトラフォードで久しぶりに勝ちました。
さらにポチェッティーノPKを除いてトッテナムで123勝目。監督キャリア通算で200勝目だそうです。
難しい連戦が続きます。油断せずにいきましょう。