2018-2019 プレミアリーグ 第23節
Fulham 1 – 2 Tottenham Hotspur
Stadium:クレイヴン・コテージ
得点
17分:フェルナンド・ジョレンテ(OG)(Fulham)
51分:デレ・アリ(Spurs)
93分:ハリー・ウィンクス(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
ロリス、アルデルヴァイレルト、サンチェス、フェルトンゲン、トリッピアー、エリクセン、ウィンクス、ローズ、ラメラ(79’ダイアー)、アリ(86’エンクドゥ)、ジョレンテ
sub:ガッサニーガ、デイビス、フォイス、スキップ、スターリング
フルハム
リコ、オドイ、マルシャン、リアム、クリスティ、チェンバース、セリ(81’シセ)、ブライアン、シュールレ(72’ケバノ)、ミトロビッチ、バベル(56’セセニョン)
sub:ベッティネリ、ケアニー、アイテ、ビエット
攻撃の組み立てに苦労しましたが、
最後の最後に劇的な逆転劇を見せてくれました。
まさかまさかの救世主
前線が圧倒的に不足しているスパーズは予想通りスリーバックを採用しました。ボランチにエリクセンを置くことで最前線のジョレンテの下にはアリとラメラ。ベンチに入った攻撃的な選手はアカデミーの20歳、カザイア・スターリングと今シーズン出番のないジョルジュ・ケヴィン=エンクドゥのみ。勝ち越せずに終盤を迎えた場合にカードを切れなくなく未来が容易に想像できます。
まずはフルハム側の話ですが、19位のチームがこれだけの戦力を誇っているのがプレミアリーグの面白さであり厳しさだなあと改めて思いました。特にスリートップに配置されているのが、シュールレ、ミトロビッチ、そして新加入のライアン・バベル。バベルがいることには驚きました。2011年までは期待の若手としてリヴァプールに所属していましたが、開花するには至らず。オランダ、トルコ、UAE、スペインのクラブを転々としたのち、フルハムでプレミア再挑戦となったようです。
前線は技術もあり、それぞれがボールを収めることが出来る。中盤以下の選手が比較的守備よりの選手が多いので攻撃はもっぱら前の閃きまかせですが、十分推進力があり強さがあり脅威でした。それと今日の見所の一つはサンチェスvsミトロビッチのマッチアップ。ここだけほぼ格闘技のステージでした。
久々の先発となったジョレンテが幸先良くなく先制ゴールを決めて見せたおかげで、試合は終始スパーズがボールを握って進んでいきます。まあオウンゴール自体は批判するつもりはないけれど、ジョレンテはこの場面以外にもクロスボールに目の前の選手がブラインドになる形でボールの軌道を見失い、ミートできない場面が少なくとも2回はありました。何年やっているんだ。しっかりしてくれ。
ジョレンテは最前線に張っていて、そこにどうやってボールを供給するのかというのが今日の攻撃の目標でした。アリが左に流れローズとともにサイドを攻略しようとする努力を続けていました。しかしもう一人加われないのと、スリーバックにした分、重心が後ろ目でいつもより前に人がいないので中央突破の意識はほとんどありませんでした。対してフルハムは真ん中をしっかり固めてくるのでなかなかこじ開けることはできない。そのほかにもフルハムは極力前線からのプレッシャーを試みていた。ワントップがジョレンテで2列目にスピードタイプもいないのでロングカウンターを失ったスパーズ対策としては非常に理にかなっていました。
得点の匂いもしないまま、引き分けを覚悟したラストプレーで劇的な逆転弾が生まれました。左に大きく張ってボールを受けたのは負傷のアリに代わって急遽出番が回ってきたエンクドゥ。直前にも同じ場所から可能性ゼロのクロスをあげていたので、これはダメかなと思うと意外にも良さげなクロスを放ります。ジョレンテ、アルデルヴァイレルトの裏に飛んでしまうも、そこに飛び込んできたのはハリー・ウィンクス!エンクドゥのクロスからウィンクスのヘッドで逆転ゴールとは、予想できた人は世界中一人もいないでしょう。
笑ってしまうほどの負の連鎖
というか負傷の連鎖です。今日の試合で唯一点を奪える雰囲気を持っていたデレ・アリまでも負傷で失うことになりました。自らハムストリングを抑えて倒れ込んだところを見ると、何週間かは戻ってこないでしょうね。ポチェッティーノによると、ルーカス・モウラの準備は整ってきたそうです。ただしこの状況なら流石に補強なしではいられないです。レヴィ会長、頼みました。
今日みたいな試合展開では当然初出場のスターリングに任せるわけにはいかない。エンクドゥもよくやってくれたけど、スタメンで見たいかといえば期待値は低い。個人的にはアタッカー系が必要なら、エンクドゥよりローズの方が面白いとも思っています。別に今日もサイドで勝ち続けていたわけではないけど。
あとラメラには何度目かわかりませんが、がっかりでした。中央右寄りのポジションをふらふらしているばっかりで、たまにボールに触れてもトラップが乱れたり、判断が遅かったりで特に効果的なプレーはなし。ゴール前に飛び込む役割はアリの方に任せて、君は中継役になる方がいい。エンクドゥが次の試合で得点に絡むようなことがあれば、あっさり出番を失いますよ今日のような存在感では。
最後に今日のマン・オブ・ザ・マッチ、ハリー・ウィンクスを讃えておきます。エリクセンを前でプレーさせるため、基本的に中央の広大なスペースをスライドしてはパスを散らし続けていた。そしてもちろん最後のゴールシーン。90分を過ぎた段階で諦めずペナルティエリアまで走っていたことがまず素晴らしいし、そもそもこの場面はボールをカットしたウィンクスから始まっていました。よく走ったし、よく決めた。なんとこれがプレミア2ゴール目らしい。いや素晴らしい。。
今季は特に劇的な試合が多い。これでプレミア引き分けなし記録継続です。意味があるのかわかりませんが。
とはいえ次のチェルシー戦はかなり笑えない状況だし、そこから中2日で4連戦です。FAカップで大きなローテーションをするだけの戦力さえもはや見つかりません。仲間の復帰まで持ちこたえられるか。正念場です。