2018-2019 UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 ファーストレグ
Tottenham Hotspur 3 – 0 Borussia Dortmund
Stadium:ウェンブリー・スタジアム
得点
47分:ソン・フンミン(Spurs)
83分:ヤン・フェルトンゲン(Spurs)
86分:フェルナンド・ジョレンテ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
ロリス、フォイス、サンチェス、アルデルヴァイレルト、オーリエ、シソコ(91’ワニャマ)、ウィンクス、フェルトンゲン、エリクセン、ソン(90’ラメラ)、モウラ(84’ジョレンテ)
sub:ガッサニーガ、トリッピア、ローズ、スキップ
ボルシア・ドルトムント
ビュルキ、ハキミ、トプラク、ザガドゥ(77’シュメルツァー)、ディアロ、ダフード、ヴィツェル、デラネイ、サンチョ(88’ゲレイロ)、ゲッツェ、プリシッチ(87’ラーセン)
sub:ヒッツ、バレルディ、フィリップ、ヴォルフ
内容以上の結果を持ち帰ることができました。
まずは先勝です。
狙いのショートカウンターが機能した
お互いに負傷者がいて完璧なスタメンが組めないことは試合前からわかっていました。うちはケイン、アリ、デイビス、ヤンセン、の4人に加えて、ローズがスタメンは厳しいという状況。ドルトムントもロイス、アルカセルに加え、ユリアン・ヴァイグル、ウカシュ・ピシュチュク、マヌエル・アカンジといった面々が離脱していました。
フェルトンゲンの左サイド起用、ジョレンテを外してモウラとソンの2トップはまあ予想の範疇でしたが、ファン・フォイスがスリーバックの一角に使われるというのは予想外でした。センターバックの頭数が揃って以降、出番が減っていました。メンバーを見るところ、フォイスとのポジション争いに敗れたのはラメラだと思っています。怪我明けということもあるけど、それを差し置いても日に日に信頼を減らしているように見えます。
前半立ち上がりからスパーズは高い位置からのプレスを見せます。相手が満足のいくディフェンスラインを組めていないということもあったかもしれません。明らかにプレッシャーを嫌がっていてドルトムントはボールを持っていても前に運ぶことができていませんでした。それでも次第に慣れてくるとプレスを剥がすことが出来るようになってきます。右のジェイドン・サンチョとアクラフ・ハキミの2人が攻撃の中心です。サンチョは狭いスペースでもドリブルで運んで行けるし、積極的にハキミが右サイドを駆け上がってくる。ウイングバックに不慣れなフェルトンゲンが入っていて、若干ポジショニングが悪かったので守り切れていなかった。
それからもう一つ狙われていたのが右センターバックに入ったフォイスのところ。簡単に逃げずにパスをしたりドリブルしたりするのでここにプレッシャーを強めてフォイスを潰してしまおうとする。何度か危ない場面になってしまったけど、フォイスは恐るべき強心臓の持ち主で、その後も何事もなかったかのように変わらぬプレーを見せていました。
前半はややドルトムント寄りのペースで進んでいくも、ロリスのビッグセーブもあり0-0で折り返しました。途中からハイプレスを控えめにしていたけど、後半立ち上がりに再び前から行く姿勢を見せると、先制ゴールが生まれます。ドルトムントのリズムを作っていたハキミからボールを奪うと、エリクセン、モウラ、フェルトンゲンがスムーズにパスを繋ぎ、素早くクロスを送ってそこにソン・フンミン。期待通りのドルトムント・キラーはこれで11戦9発目です。
得点が入ってもドルトムントは動く様子はない。今の戦力を考え、アウェーでの戦いということもあり、無理して攻めて追加点を奪われることの方を恐れていました。このまま終わるかなとも思えていた時に再びショートカウンターが決まります。ドルトムントがロングカウンターに入ろうかというところを奪い、オーリエが鋭いクロスを入れると決めたのはフェルトンゲンでした。オーリエはこのクロス以外は相変わらずフォワードをがっかりさせるようなクロスばっかり送っていたし、攻撃への関与も中途半端だったので、褒めすぎたくはない。逆にフェルトンゲンは慣れないポジションで素晴らしい出来だった。もしやローズとデイビスを差し置いてチーム1の左サイドバックかもしれない。
3点目を決めきったのが後半戦を有利にする
2点目が決まったことでドルトムントは少し動揺した。ベンチは動かないがピッチの選手はアウェーゴールを取りに行きたい。ここで仕事をしたのが途中交代のジョレンテ。入ってわずか2分で得点をあげ、勝利を確実にしてくれました。ここでドルトムント側も1点奪うべく選手を入れてくるも時すでに遅し。アウェーゴールを与えることなく、盤石の勝利を決めきりました。
結果的には3−0という理想的な結果になりましたが、先に点を取られていたら逆の展開になっていた可能性は高い。試合を見ていてもそこまでの差はなかったし、攻撃に出る時に切れるカードはジョレンテくらいだったから。しかしセカンドレグにはケインも帰ってくるだろうし、1点でも取ってしまえばドルトムントは5点が必要になります。そもそも今シーズン4点差以上つけられて負けたことはまだありません。4失点以上したのもバルセロナ戦とアーセナル戦の4-2の2試合だけです。
3点奪ったのは本当に大きい。セカンドレグの前にはチェルシー戦とアーセナル戦が控えていて、厳しい連戦ですが気持ちを楽にすることができました。珍しくウェンブリーの最上席にもお客さんが入っていたし、いい試合でしたね。まだ勝ち上がりが決まったわけではないけれど、いまは喜びに浸りましょう。