2018-2019 UEFAチャンピオンズリーグ ファイナル
Tottenham Hotspur 0 – 2 Liverpool
Stadium:エスタディオ・ワンダ・メントロポリターノ
得点
5分:モハメド・サラー(Reds)
87分:ディボック・オリギ(Reds)
トッテナム・ホットスパー
ロリス、トリッピア、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ローズ、エリクセン、シソコ(74’ダイアー)、アリ(81’ジョレンテ)、ウィンクス(66’モウラ)、ソン、ケイン
sub:フォルム、ガッサニーガ、サンチェス、フォイス、オーリエ、デイビス、ウォーカー=ピータース、ワニャマ、ラメラ
リヴァプール
アリソン、アーノルド、マティプ、ダイク、ロバートソン、ヘンダーソン、ファビーニョ、ワイナルダム(62’ミルナー)、サラー、フィルミーノ(58’オリギ)、マネ(90’ゴメス)
sub:ミニョレ、ケレハー、ロブレン、モレーノ、ララーナ、チェンバレン、スタリッジ、シャキリ、ブリュースター
こんなに遠くに連れて来てくれてありがとう
スパーズの行進も一歩及ばず。
少しだけ勇気が足りなかった
ポチェッティーノが提案したという、試合前の記念撮影をベンチメンバーも含めた全員で撮るというアイデアは両チームの選手たちにとってもいいものだったと思います。オープニングアクトがスタジアムを盛り上げ、これまでで一番のチャンピオンズリーグアンセムが流れます。とても緊張する時間だった。
お互いに現時点でのベストと言えるメンバーを揃えました。ギリギリまでわからないと言われていたハリー・ケインとハリー・ウィンクスは共に先発。リヴァプールもフィルミーノが間に合いました。決勝進出の立役者、ルーカス・モウラはベンチスタートです。ここは議論の分かれるところか。
試合への入り方を見るまでもなく、あっという間にリヴァプールにPKが与えられ、サラーが決めて先制点はリヴァプール。本当にハンドだったのかと、あちこちで話題になっているようですが、あれは取らざるを得ないでしょう。解説の戸田さんも言っていたけど、ペナルティエリアでの守備にもかかわらず、大きく腕を上げていたシソコが軽率でした。味方に指示を出すための動きで悪質なものではなかったけど、それを見逃さずマネに狙われました。今シーズンあれだけ貢献してくれていたシソコに対して、サッカーの神様はとても残酷です。後半に負傷交代するまで、シソコは今日もベストプレイヤーの1人でした。
両者とも早めにゴールにゲームプランは崩れました。プレスはかけるも強度は控えめに無駄な失点を避けるようになる。試合を通じたスパーズのポゼッションは実に65%。35%の保持率で優勝したチームはモウリーニョ時代のインテル以来だそうです。
スパーズは失点からしっかりとビルドアップして攻撃に転ずる。リヴァプールのプレッシャーをウィンクスとセンターバックとロリスで引きつけ、やや高めに位置取った両サイドバックに預けてから前線を狙う。
これは準備してきたプレス対策だと思うけど、前に行き過ぎなくて良くなってしまったリヴァプールはディフェンスラインが出てこないので、サイドバックからの出しどころがない。
ケインは相手のディフェンスを押し下げるために中央に張り付くも、ファン・ダイクとマティプに挟まれ完全に沈黙します。異常にボールタッチが少なかった。エリクセンがファビーニョの周辺を狙うために、サイドで幅を取るのはアリの役割になりました。アリはサイドからドリブルしていくタイプではないので、ここも効果的には攻められず。サイドに張らせるならソンの方がよかったかな。得点の可能性の高いソンを中央寄りに置きたいのはわかるけど、まずはチャンスメイクを優先するべきだった。
後半に入りまた運がなかったのが、ウィンクス交代直後のシソコの負傷でした。ウィンクスのプレー自体は久しぶりとは思えないほど良かったし、負傷明けのために最初のカードとなったのは仕方ないけど、攻撃したい時間にダイアーを入れなければならないのは痛手です。ここでアリをボランチに下げる攻撃シフトに出来なかったのも、ファイナルという事実に負けたのかなと思っています。結果的にCLで結果を出していたモウラもジョレンテもやや遅めの采配でした。輝けなかったケインを下げる決断が出来なかったのも、やはり勇気が足りなかった部分であり、ケイン起用のリスクでした。
それでも1点取れば何かが変わる雰囲気があるまま、最終盤まで進みます。そんなスパーズの希望を打ち砕いたのは途中投入のオリギでした。こちらはフィルミーノが良くないとなれば、すぐに動いて来たその結果です。ただし単純な比較は出来ません。フィルミーノとケインではチーム内での存在感がまるで違う。フィルミーノは中心選手の1人ですが、ケインはスパーズの魂そのものだから。
それでもラストワンプレーまで、スパーズの選手が諦めた様子はありませんでした。リヴァプールはこれまで通り本当に固かったし、力の差はまだまだあるなと感じられたけど、今日の結果を批判することなどできません。シーズン中たびたび見せていた気の抜けたミスは一度もなく、気持ちがこもっているのは随所に感じられた。そもそもこの舞台まで連れて来てくれた選手たちには称賛の気持ちしかありません。現地のサポーターも試合後には拍手で選手を称えていました。最高のシーズンをありがとう。
もっと強くなって、必ず戻ってこよう
良くない試合も良くない時期もあったけど、夢のようなシーズンでした。
ポチェッティーノが言うように「ファイナルは結果が全て」かもしれない。
でもチャンピオンズリーグ準優勝をファンはみんな誇らしく思っているよ。
ちゃんと分析するために、もう一度見返そうと思っていたけど、まだそんな気分になれませんでした。
それでも悔しいという感情はそんなに強くはなく、割と穏やかな気持ちでいます。
きっとこの敗戦は、いつか大きな財産になる
そう信じてこれからも応援していきます。