2019-2020 チャンピオンズリーグ GS第2節
Tottenham Hotspur 2 – 7 Bayern München
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:7勝4敗1分(勝率:58%)
得点
12分:ソン・フンミン(Spurs)
15分:ヨシュア・キミッヒ(Bayern)
45分:ロベルト・レヴァンドフスキ(Bayern)
53分:セルジュ・ニャブリ(Bayern)
55分:セルジュ・ニャブリ(Bayern)
61分:ハリー・ケイン(Spurs)
83分:セルジュ・ニャブリ(Bayern)
87分:ロベルト・レヴァンドフスキ(Bayern)
88分:セルジュ・ニャブリ(Bayern)
トッテナム・ホットスパー
FW ケイン、ソン
MF エンドンベレ(64’エリクセン)、ウィンクス(81’ラメラ)、シソコ、アリ(71’モウラ)
DF ローズ、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルト、オーリエ
GK ロリス
sub:ガッサニーガ、サンチェス、デイビス、ダイアー
バイエルン・ミュンヘン
FW ニャブリ、レヴァンドフスキ、コマン(71’ペリシッチ)
MF トリッソ、コウチーニョ、キミッヒ
DF アラバ(46’チアゴ)、ズーレ、ボアテング(72’マルティネス)、パヴァール
GK ノイアー
sub:ウルライヒ、キゾンセ、デイビス、ミュラー
すごい結果になりましたね。
気持ちよく散ってここから始めましょうか。
前半も褒められないよ
いやはや長年応援してきましたが、これほどの大敗は記憶にない。まああったのでしょうが覚えていない。真正面からぶつかっていくであろうことは予想できていましたが、まさかこれほどに大敗するとは。肉を切らせて骨を断つような大胆な攻撃サッカーを見せてくれたけど、そんなに甘い相手ではなかった。今シーズン積み重ねてきたものはすべて失われました。
概ねメンバーも戦術もポチェッティーノらしいものでしたが、意外だったのは先発のアリです。コルチェスター戦のみスタメンだった選手がここにきて選ばれました。最初は疑問だったけど、試合を見ていくとなぜアリだったのかは理解できました。
勇気を持ったハイプレスを敢行し、自分たちのアイデンティティを見せ付けようとする前半戦だけを見れば、到底2-7で終わるような試合には見えませんでした。ケインとソンの二人がプレスのスイッチを入れると、アンカーのウィンクスを残し、エンドンベレとシソコも猛烈にプレスに加わってくる。全体的に前へ前へという意識が強く、バイエルンを自由にやらせていなかった。特にエンドンベレとシソコの二人がすごい。運動量も迫力もかなり高いレベルにある。さすがだと言わざるを得ません。
そこでデレ・アリの存在です。エリクセンやラメラに加えると、守備時のポジショニングは気が利いています。元々の性格もあるのでしょうが、相手が何をされたら嫌がるのかを常に心得ている人間です。ただ自分がプレスに行くだけでなく、周りの選手のプレスに合わせて相手のビルドアップを封殺するポジションを取って、ハイプレス戦術のキーマンに見えました。
じゃあ何故この前半戦を褒めたものではないと言えるのか。それは試合を通じて見たときに90分維持できる戦術では到底なかったから。スパーズのプレッシャーにも慌てすぎることもなく冷静にプレーし、後半の頭にはプレス剥がしのためにチアゴを投入してくるなど、大人だったバイエルン相手に勢いだけでは敵いません。過密日程の中、いつも通りのメンバーでエネルギッシュな作戦で挑めばどうしてもガス欠を起こしてしまう。確かに前半だけ見ればいい試合だったけど、1-4にされた時点でかなり精神的にもダメージを負ってしまい、最後まで盛り返すことはできなかった。勝つための戦術だったというよりは、よく見える時間を作るための戦術に思えてしまいました。
再生まで我慢の時期
中途半端に好ゲームを演じるよりも良かったのではないかと思っています。別にそんなに悔しいとかいう感情にもなりませんでした。むしろ終盤はもっと決めてくれないかななんて考えていたし。色々槍玉に上がっている4-3-1-2の限界もこれで認めざると得なくなる。けど、実際はフォーメーションが問題なわけではないでしょうね。
思えば補強なしで戦ったシーズンをあんな好成績で終える方がおかしいわけで、そのツケが今来ているだけ。奇跡はたまに起こるから奇跡なわけです。過去数シーズンに比べるとポジション争いは存在しているし、これから今年の新加入選手たちもそこに加わってきます。選手も試しつつフォーメーションも試している。去年で一旦完成されたようなチーム状態だったわけで、これまでを踏襲しているだけではもう一つ上には行けない。だからこそ今チャレンジを続けている。そう考えればまだ傷も和らぎますよ。
変革には痛みを伴う。この時期を乗り越えれば、きっとまた強いスパーズになってくれるから、長い目で見ていきましょうよ。他のクラブのように監督を代えるのは嫌でしょう。僕はまだマウリシオ・ポチェッティーノを信じてみたいと思っています。ただ今日に限ってはしっかり反省しろよ。それからだからな。