今年の昇格組の「アタリ」チームはここまではこのシェフィールド
順位は我々より5つも上です。
まやかしの好調
ここ4試合のうち、2回対戦しているレッドスターには合計9-0で勝利し、無敵のリヴァプールにはそれなりの戦いを見せるも1-2で惜敗。間のエヴァートン戦は退場者を出してしまい逃げ切ることができず1-1の引き分けです。こう書くとそんなに悪い状態ではないように見えてしまいますが、数字で見るほどに調子は上がっていない。プレミアでは4試合勝ちがありません。
対するシェフィールドは充実のシーズンを過ごしています。最低なスパーズとユナイテッドを置き去りに、6位につけている。試合は見ていませんが好チームであるとの評判で失点はリヴァプールに並んでリーグ最少の8です。得点は12と順位にしてはかなり少ないですが、アーセナルを倒すなど勝ち切る力を持っていることが証明されています。一昨年のバーンリーや去年のウルブズのような立ち位置を掴んでいるのがこのチームでしょう。
プレミア昇格初年度なので過去のデータは探していませんが、ここまでアウェー戦は1勝4分と一度も負けていません。トッテナムとは大違いですね。引かれた相手の崩し方が未だにわからないままのスパーズ攻撃陣にとっては、しっかりと守れるチームは今一番やりたくない部類の相手です。ようやく戦力になれそうな雰囲気を見せてくれているロチェルソやセセニョンあたりが変化をつけてくれるか。
ソンに頼りすぎずに
ショートカウンターは一つの武器として高いレベルにありますが、それ以外が本当にない。気がつくと中央に人数がかかり、自らスペースを埋めてしまうことで窮屈な縦パスを入れては奪われることを繰り返していたのが今シーズンのスパーズです。ようやく最近になってツートップを諦めると、左ワイドにソンがいることで幅は作れるようになった。そうなると今度はソンにかかる期待が大きくて、ボールが入れば一人で行けるでしょとなってしまうし、停滞した時に裏に飛び出していくのもこの人だけ。もちろんこれまで生まれてきた得点がソンの影響したもので全てではないけれど、他の選手たちに比べると、怖さを持ち続けているのはこの人だけです。
ケインは降りてきてゲームメイクするときはレベルの高さを見せてくれるのに、ペナルティエリアで待つときはそもそもそこまでボールを供給できていないので消えてしまう。輝いていたラメラは気がつくといつも通り負傷で離脱していました。エリクセンは輝きをなくしてしまい、アリはエリクセンのようなパサーがいる時は優秀なフィニッシャーになり得るのですが、いない時は自分はゲームメーカーにならなければいけないために、仕事量が多すぎで忙殺されています。
何より不憫なルーカス・モウラはワントップ採用時にケインを変えられないチーム事情と、余裕がある試合ではもっと若手や怪我明けの選手を出したいという状況に挟まれて、出場時間が限定的すぎて評価する要素がありません。さらに新加入の選手も存在感を出し始めたことによって、これからもっと難しい時間になっていくかもしれません。
ロチェルソは少なくとも今のエリクセンよりは何かしてくれそうな雰囲気を醸し始めているし、セセニョンも出れば純粋なサイドアタッカーとして面白い存在になっていくかもしれません。
まだ最適な組み合わせが見つかっていない熾烈な攻撃陣のポジション争いが、現状を打破するためには不可欠です。ソン以外には圧倒的に結果を残している選手がいない中で、ソンに任せず得点に迫る方法を見出してほしい。それはもちろんディフェンスやボランチも関わってくることです。ソンのタックルが注目を集めたおかげで隠れてしまっているけど、エヴァートン戦なんかはチャンスらしいチャンスはほとんど作れていなかったからね。
キックオフは日本時間24:00です。
トッテナム・ホットスパー:予想フォーメーション
FW ケイン
MF ソン、ウィンクス、アリ、シソコ、ロチェルソ
DF ローズ、サンチェス、アルデルヴァイレルト、フォイス
GK ガッサニーガ
シェフィールド・ユナイテッド:予想フォーメーション
FW ムセ、マクゴールドリック
MF スティーブンス、フレック、ノーウッド、ランドストラム、バルドック
DF オコネル、エーガン、バジャム
GK ヘンデルセン