2019-2020 プレミアリーグ 第24節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Norwich City
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:14勝6敗3分(勝率:61%)
得点
38分:デレ・アリ(Spurs)
70分:テーモ・プッキ(Canaries)
79分:ソン・フンミン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW モウラ
MF ソン、ウィンクス(56’ダイアー)、アリ、ロチェルソ、ラメラ(62’エリクセン)
DF セセニョン、フェルトンゲン(75’フェルナンデス)、アルデルヴァイレルト、オーリエ
GK ロリス
sub:ガッサニーガ、サンチェス、タンガンガ、エンドンベレ
ノリッジ・シティ
FW プッキ
MF マクリーン(93’スティパーマン)、ドゥダ、キャントウェル、テティ(82’エルナンデス)、ルップ(86’ドゥルミッチ)
DF バイラム、ハントリ、ツィマーマン、アーロンズ
GK クルル
sub:マクゴバーン、ルイス、トリプル、アマドゥ
もっと求めていきたいけれど、
ひとまずは勝利に安堵しましょう。
見えた光明
この試合のプレビュー記事のタイトルは「次のポジティブを探そうか」我ながら良いネーミングでした。自分で言いながらさほど期待はしていませんでしたが、次のポジティブ見つけました。何と2つも。
まずはウーゴ・ロリス。肩の脱臼で長らく離脱していたチームキャプテンが、チームの最も苦しんでいるこの時期に帰ってきました。不在の期間にそのポジションを守ってきたパウロ・ガッサニーガのパフォーマンスは決して悪いものではありませんでした。だからこそロリスの先発復帰の決断は難しいものであったはずです。大声を出して味方を鼓舞する闘将タイプのキャプテンではありませんが、大黒柱ケイン、戦えるシソコ、指揮者エリクセンと欠いている中で精神的な支柱になれる選手が必要だった。静かでも最後尾にこの人が君臨しているということはみんなの支えになってくる。特にビッグセーブを連発してくれた試合ではなかったけれど、2020年プレミア初勝利への貢献度は非常に大きい。
それからもう一つはジオバニ・ロチェルソ。スパーズ加入直後から活躍する選手というのはこれまでもほとんどいなかったので、ロチェルソのパフォーマンスが上がってこないのもある程度受け入れられるものでした。しかし今日、ついにその真価を見せてくれた。夏に移籍がほぼ確定していたエリクセンの後釜という位置付けで獲得された理由がようやくわかりました。
ボランチの一角と言うべきか、インサイドハーフと言うべきかはわかりませんが、比較的低めの位置から攻撃のスイッチを入れるのが今日のロチェルソの役割でした。攻撃のギアを一段階上げてくれるスルーパス、中長距離のサイドチェンジを巧みに使い分けて攻めの起点になるだけでなく、攻撃から守備への切り替えも人一倍素早く、相手の攻撃の芽を摘みまくっていました。
先制点は仕掛けたオーリエが何故かシュートを放ったために終わったかと思われた攻撃のターンを、ロチェルソが鋭く回収して2次攻撃に繋げたところから。追加点の時は右ウイングにポジションを変えていて、高い位置でアリへスルーパスを出したのがロチェルソです。どちらも記録には残らないプレーですが、今のスパーズに足りなかったプレーです。いよいよエリクセンの移籍が決まりそうなこのタイミングでついにその穴が埋まる目処が立ってきましたね。
あのプレーが欲しい
もちろん最下位相手に苦しんだこの試合は手放しに褒められたものではありません。
個別にフォーカスを当てると、セセニョンはモウリーニョに何か言われたのか、攻撃面で少し積極性が出てきました。やっとドリブルが見られた。時間が経つにつれてそれも失われていったけど、ああいうチャレンジを繰り返して成長していって欲しい。しかしまだ守備面では甘さが見られます。ビッグゲームでは出られないでしょう。ローズも今の立場を受け入れられていないようですし、デイビスはまだいない。左右のサイドバックはやはり大きな問題のままです。
そういえばあのPK献上のシーン。別にセセニョンのプレーはいいんですが、あの時思ったのは右ワイドから斜めにランニングしてきたアーロンズのようなプレーが欲しいんだよ、ってこと。オーリエにもセセニョンにも思う。スパーズは綺麗にやられたし、うちの攻撃の時にもあれをやって欲しい。
あと今日はラメラの存在感が希薄でした。プレーどうこうと言うよりあまり印象に残っていません。見せ場も43分のラボーナくらい。相変わらず好不調の波が激しすぎる。いつまでも年に10試合だけ最高のラメラでいるようでは困る。アリもやや調子ダウンですかね。フリックやヒールだったりとアイデアは面白いけど、精度が低すぎて軽いプレーになってしまっている。それでも勝ちへの執念は枯れていないようで、最後まで前から追っていく姿勢でチームを引っ張ってくれました。さすがケインの背中を見続けてきただけはある。
アリに触発されてなのか、最後の10分間も引く事なく、前からプレッシャーをかけて終われたのはいい終わり方でした。あれが出来れば勝ち点は付いてくる。難しい時期を過ごしているのは我々だけではないようで、気づけば4位まで6ポイントに迫ってきました。十分に射程圏内だぞ。