[PL]第38節 レスター・シティ vs トッテナム・ホットスパー

2020-2021 プレミアリーグ 第38節

Leicester City 2 – 4 Tottenham Hotspur 

Stadium:キング・パワー・スタジアム 

得点
18分:ジェイミー・ヴァーディ(Foxes)
41分:ハリー・ケイン(Spurs)
52分:ジェイミー・ヴァーディ(Foxes)
76分:カスパー・シュマイケル(OG)(Spurs)
87分:ギャレス・ベイル(Spurs)
96分:ギャレス・ベイル(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン(93’ロドン)、ケイン、ベルフワイン(68’ベイル)
MF ホイビュア、アリ(68’ベイル)、ウィンクス
DF レギロン、アルデルヴァイレルト、サンチェス、ドハーティ
GK ロリス
sub:ハート、ダイアー、ジョン、ラメラ、ヴィニシウス、スカーレット

レスター・シティ
FW ヴァーディ、イヘアナチョ
MF トーマス、エンディディ、マディソン(62’ペレイラ)、ティーレマンス、オルブライトン(80’ペレス)
DF ソユンジュ、フォファナ(21’メンディ)、カスターニュ
GK シュマイケル
sub:ウォード、モーガン、フクス、アマーティ、チョードゥリー、プラート

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来季に繋がる試合だったかな

 やってきました最終節。レスターはCL権獲得に一縷の望みを賭け、スパーズはELかECLへの出場権を維持するためにいずれも勝利を欲している。結構意味のある試合だというのに、日本語実況さえつかない注目度なのかいDAZNさんよ。

 試合に触れる前にレスターのサポーター、素晴らしかったですね。ファンの存在がいかにスタジアムの空気を作っているのかがよくわかった。レスターは自分たちの勝利だけでなくチェルシーとリヴァプールの結果にも左右されるので、みんな携帯を手に他会場の結果に一喜一憂しながら観戦していた。ピッチの選手たちはどんな状況にあるのか手に取るようにわかったはず。最後には勝利を逃したけれど、終了の笛と共に大拍手が起こっていた。目の前で逃したCL権より、5位と奮闘したチームへの敬意は美しいものだった。

 さてスパーズサイドとして今日の試合、正直あまり期待はしていなかった。そんな気持ちに拍車をかけたのがメンバー発表だ。メイソン体制で初スタメンとなるサンチェスとドハーティの抜擢だけでなく、ロチェルソ、エンドンベレ、オーリエは怪我でベンチにも入らず、このタイミングでスカーレットとナイル・ジョンという若手が入っている。ヴィニシウスもいる。

 プレスに弱いスパーズなのでキックオフの瞬間からレスターのツートップが勢いよく向かってきて、ああこれは難しい試合になるだろうと思った。

 今日はまず、レスターのとった3-5-2のフォーメーションとの噛み合わせに戸惑っていた。誰がどこでプレッシャーをかけるか決めきれず、ベルフワインがホイビュアに怒られているシーンを見かけた。スリーバックの一人が攻撃参加してくるとスパーズの守備陣はたちまち混乱していた。

 ビルドアップが中途半端になるとレスターの武器が光り輝く。34歳になっても衰え知らずのジェイミー・ヴァーディはたった1人でカウンターを完結させてしまう怖さは健在だった。ヴァーディの抜け出しから2本のPK。おそらくスピード対策で起用されたサンチェスはまるで歯が立たずといったところ。終盤にも得意のキックミスを連発し、とてもヒヤヒヤさせられた。サンチェス以外にスピードに対応できる選手はいないから、他だったらもっとやられていたのかもしれないが。

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 しかし今日のスパーズは勇気を失わないチームだった。逃げずに後ろからボールを繋ぎ続けるし、2度もリードされていながらの逆転劇は予想していなかった。むしろずっとスパーズがやられていたような試合展開だ。12月の調子を崩してから、こうした接戦を制した試合があっただろうか。

 はっきり言って高度な試合内容ではなかった。後半なんかは闘志だけで戦っているんじゃないかっていうくらい、みんなバラバラなのに球際でそれぞれが負けないので結果的にボールを握っているような感じで、なんかちょっと熱くなった。

 早めに逃げ切り体制に入ったレスターを追い込み、ついに逆転をしてなおダメ押し弾まで決めてみせた。本当に久しぶりに、もう一度見たいと思える試合だった。あとで見ます。

 順位こそ去年より1つ下になったが、実は勝点は3ポイント多い。最低の最低ラインだったヨーロッパ・カンファレンス・リーグへの出場権も獲得したし、ギリギリでアーセナルよりも上で終われた。シーズンを通せば「失敗」のシーズンだけど、気分はそこまで悪くないよ。少なくともメイソンはいい仕事をしてくれた。

 モウリーニョに冷遇されていたアリ、ウィンクス、ベルフワインあたりは一定の自信を取り戻したし、攻撃的なスタイルで試合に魅力を取り戻した。選手を再生しつつ、ヨーロッパの大会への権利を獲得し、最後の最後に気持ちのこもった試合で勝利を掴んだ。これは間違いなく次に繋がる。橋渡し役の仕事としては十分だ。

 レンタルだったヴィニシウスとベイルはこの試合を持ってチームに戻る。いずれも少ない出場時間の中、かなり数字を積み上げてくれた。お世話になりました。ありがとう。来季に向けて監督の選定を始め色々動きはあるだろうけど、そんな動向を追いつつユーロを楽しめればいいね。チームはちょっと作り直しな感はあるけれど、来年はより良いシーズンになることを願いつつ、まずは1年間お疲れ様でした。

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