[PL]第1節 トッテナム・ホットスパー vs マンチェスター・シティ

2021-2022 プレミアリーグ 第1節

Tottenham Hotspur 1 – 0 Manchester City  

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:39勝16敗6分(勝率:64%) 

得点
55分:ソン・フンミン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ベルフワイン(77’ロチェルソ)、ソン、モウラ
MF アリ、スキップ、ホイビュア(90’ロメロ)
DF レギロン、ダイアー、サンチェス、タンガンガ(83’ドハーティ)
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、デイビス、ウィンクス、ヒル、シソコ、スカーレット

マンチェスター・シティ
FW スターリング(70’ジェズス)、トーレス、マフレズ(79’デブライネ)
MF グリーリッシュ、フェルナンジーニョ、ギュンドアン
DF メンディ(79’ジンチェンコ)、アケ、ディアス、カンセロ
GK エデルソン
sub:シュテフェン、ウォーカー、ストーンズ、ラポルテ、ロドリ、シウバ

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こんな試合を待っていたんだ!

 新シーズンの開幕戦、新体制での初戦。上手くいかなかった2年間を取り戻すための旅がここから始まっていく。金曜日には開幕していたプレミアリーグの1節最後のカードに選ばれたのはスパーズvsシティ。今日は自信を持って言わせてほしい。シーズン最初のBIG6同士の試合だ。

 先発に新加入の選手は入らず、プレシーズンでやっていた形をそのまま持ってきた。渦中のケインはベンチにも入らず、FW登録の控えはスカーレットのみ。ユーロやコパに出ていない選手のコンディション不良ってなんなんだ。ベンチまで並んだ選手層には差がありすぎる。

 ヌーノ・サントの選んだ布陣はスキップをアンカーに置いた4-3-3だった。守備時の構成はかなり特徴的で、ウイングに入ったモウラとベルフワインが中央に絞って真ん中からの攻撃を牽制する。サイドにパスを出されたらインサイドハーフのホイビュアとアリがそこに寄せていく。ウイングはカウンターのために攻め残り、必要以上に戻って守備をすることはなかった。表記的には4-3-2-1の方がしっくりくるかもしれない。

 攻撃は当然カウンターが中心になる。ボールを奪うとスリートップが一気に前を向いて真っ直ぐにゴールに向かっていく。鍵を握るはルーカス・モウラ、何人に囲まれようと容赦ないドリブルで状況を打開していた。モウラが運べるのでソンもベルフワインも迷いなく前に走ってその次を考えられる。この3人を並べる形はポチェッティーノもモウリーニョも試していたけど、イマイチ機能していなかった。そんなにドリブラーを並べてどうするのかとあの頃は思っていたが、今日その答えがわかったような気がする。

 ゴールはまさに理想的な形、クリアボールをモウラがベルフワインに繋ぎ、運んだところでソンに渡す。そこからはもう何度見たかわからないソン・フンミンの得意技、右サイドから切れ込んでの左足一閃。完璧なコースに放たれたシュートにはエデルソンも動けなかった。

 直後の決定機をベルフワインが決めきれなかったときは不安もあったけど、試合の締め方まで完璧だった。選手交代では守備を固める選手を投入しながら、決して後ろ向きにはならなかった。昨シーズン飽きるほど見た終盤に押し込まれる形に今日はならなかった。あくまでも前を向いて敵陣でボールを持って時間を進めるという強者の勝ち方。王者シティにつける10年振りの開幕戦黒星は最高のスタートダッシュだ。

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MVPは誰にあげるべきか

 良くなかったと批評したい選手は1人もいない。いたらシティに勝つことはできなかっただろう。その上でMVPを誰にあげるべきか。まず候補の1番手は右サイドバックでの先発を勝ち取った、ジェフェット・タンガンガから。

 スタメン発表の時点で大仕事が待っていることは確定だった。シティ側の左サイド、スパーズ側の右サイドがシティの攻撃の中心だ。そこにタンガンガは臆することのなく前に出る積極的な守備を完遂。ドリブルやテクニックで違いを生む選手たちにクリーンでタイトに寄せていく。間を開けることなく体をぶつけることで自由を奪っていく。スターリングとグリーリッシュを相手にしてこれほどに守れる選手は今シーズンどれほど見られることだろうか。

 そのタンガンガをサポートしながら、攻撃にも出ていたホイビュアも高い貢献度だ。この2人がいることでシティの左の創造性は消えた。ホイビュアは相手の油断を見逃すことなくボールを刈り取ってはカウンターを生み出していたし、超高速の前線についていってラストパスを受けた場面まである。去年のように守備専門にするのではなく、攻守に動かすデンマーク代表のようなやり方が正解かもしれない。

 堅牢に中央を締めたサンチェスにダイアー、マフレズを止めつつ前にも出ていくレギロン。最初はややプレミアのスピード感に戸惑っていたものの、難しいアンカーとして的確に判断を続けたスキップ。チームで一番走っていたアリにこれまで以上に攻撃への貢献を見せたベルフワイン。前述したドリブルでシティディフェンスを破壊し続けたモウラ、そして決勝ゴールのソン。やっぱり今日はタンガンガの日かな。次点はモウラで。

 それと忘れちゃいけないのはスタジアムに詰めかけたサポーターの存在だ。同じ世界を生きているとは思えないような素晴らしい光景だった。白い旗を振り、聖者の行進を歌う力強さは圧巻だった。今日の試合を戦い抜く上で、無関係だったと言うことはできない。やはりホームスタジアムによるアドバンテージはある。開幕戦10試合のうち、ホームが勝った試合は7試合だった。

 開幕戦ということでシティも万全ではなかったかもしれない。でもそれを言えばスパーズの方が状況は悪い。金を出さないくせに口だけ出してきたシティのせいでこっちはエースを使えなかったんだから。にもかかわらず、完璧な試合を見せてくれた選手たちは素晴らしかった。まだ1試合が終わっただけでこの先のことなんてわからないが、今日のような試合が見たくていつも応援しているんだと思えたのはいつ振りだろうか。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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