[PL]第4節 クリスタル・パレス vs トッテナム・ホットスパー

2021-2022 プレミアリーグ 第4節

Crystal Palace 3 – 0 Tottenham Hotspur

Stadium:セルハースト・パーク 

得点
76分:ウィルフリード・ザハ(Eagles)
84分:オドソンヌ・エドゥアール(Eagles)
93分:オドソンヌ・エドゥアール(Eagles)

トッテナム・ホットスパー
FW ケイン、モウラ
MF ウィンクス(60’デイビス)、アリ、スキップ、ホイビュア
DF レギロン、ダイアー(12’ロドン)、タンガンガ、エメルソン
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ドハーティ、オモレ、エンドンベレ、ヒル、マーカンディ、スカーレット

クリスタル・パレス
FW ザハ、ベンテケ(84’エドゥアール)、アイェウ(86’オリズ)
MF マッカーサー、クヤテ(67’ミリボイェビッチ)、ギャラガー
DF ミッチェル、グエイ、アンデルセン、ウォード
GK グアイタ
sub:バートランド、トムキンス、ケリー、クライン、リーデヴァルト、ヒューズ

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失っただけのゲーム

 首位から見下ろす夢の時間は儚くも終わり、それどころか苦しい現実を突きつけられるような試合だった。始まる前から難しい試合になるという予想は立ったものの、ここまで何もできず無惨にやられるとは。

 今季は首都ロンドンに拠点を構えるクラブは6チームがプレミアに在籍しており、スパーズにとっては今季最初のロンドンダービーとなる。かたやパレスは開幕から4戦連続のダービーらしい。そんなに多いと熱量維持できるんですかね現地の人たちは。

 さてわかっていた通り、スパーズは代表ウィークを経て異常に離脱者が増えてしまったことで、4試合目にしてスタメンに変化が出た。タンガンガはCBに移り、RSBには新加入のエメルソン・ロイヤルがデビューとなる。中盤はダイヤモンド型になり、アンカーはスキップで左右にウィンクスとホイビュア、頂点にアリが入った。

 試合が始まってからもトラブルは続き、ダイアーを負傷で早々に失うと、後半にはタンガンガが喧嘩と軽率なスライディングで退場するという失態を犯し、試合は完全に崩れてしまった。この試合を記事にするなら

「首位トッテナム、CBを負傷と退場で失い、苦しんだ末に敗戦」

 とかなるんだろうけど、ダイアーの怪我も元はと言えばロリスとダイアーの連携ミスでボールが流れたのが原因だし、タンガンガの退場も感情を抑えられなかったことに起因するわけで必要なカードではなかったはずだ。要するに自滅。ただでさえ選手がいない中で最悪の展開を自分たちで作ってしまった結果だ。

 もっというと、11人で戦っていた時間も全然良くなかった。むしろこれが一番深刻なことだ。ビルドアップが全くできず、攻撃はモウラが一人で奇跡を起こすことに賭けるのみ。中盤の構成が悪すぎる。

 ウィンクス、スキップ、ホイビュアは3人とも下がってボールを捌きたいタイプなのでみんなが横一列に並んでしまい前にボールが運べなくなっていた。相手からしても自分たちの前に選手が並んでいるだけなので守りやすい。中盤で既に3枚が引いているのでアリもケインも下がって受けるわけにいかない。そうすれば前線に選手がいなくなるだけだから。

この中盤3枚は誰かが縦に動けるようにならないとダメだ。おそらくはコンディションの良い選手を上から11人選んでそれぞれに合う形として4-3-1-2にしたのだろうが、選手の性質を考えてもこれは失敗だった。やるならもっと動きを指示しないと。お任せにするとこうなるよ。後ろでのプレーに強みを持つ選手なんだから。

 しかし前半で既に上記の問題は明確で、全く良いところがなかったのに後半に入っても何の修正もなかったのはさらに痛い。ウインガーを入れて4-3-3に戻すなり、既存の選手の動きを調整するなりが何も見られなかった。起用できる選手が限られている時こそ監督の腕の見せ所じゃないのかい。2失点してからはベンチで諦め顔してたからねサントは。

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離脱者が多いとはいえ

 試合前も試合中も散々言われていたように、たしかに起用できなかった選手は多い。でも今日の敗因をそこにするべきじゃないと思う。何よりスタメンを見ると実は変更は2箇所しかない。サンチェスの代わりにエメルソン。ソンの代わりにウィンクスが入っただけだ。

 並びは変わったが、だからと言ってあそこまで試合を作れなかった言い訳にはならない。まあ1年以上もロクなビルドアップは出来ていないのだから期待していたわけじゃないんだけどね。もういっそサントには結果は度外視してでも攻撃のできるチームを作る努力をしてほしいとホントに思ってきた。他のクラブの試合を見ていてもここまで繋げないチームなんて見つからないぜ。

 そういえば触れていなかったけどデビュー戦のエメルソン・ロイヤル。うん、まあお世辞にも良いデビューにはならなかったな。ザハに好き放題されてたね。プレミアのスピード感や強度に早く順応しないと厳しい。相手がザハだからという意見もあるだろうが、プレミアはトップのチームを除いてもニューカッスルのサンマクシマンだったり、ウルブズのアダマ・トラオレだったりという一癖も二癖もあるウインガーは少なくない。今はとにかく頑張ってください。

 さあここからはまた連戦が続く。週末のプレミアに加え平日には各種カップ戦が目白押しだ。選手が戻って来られなければ若手起用も増えていくんだろうが誰かが数合わせの以上の存在感を見せてくれると嬉しい。今日はとにかく沈むしかない試合だった。

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