[PL]第17節 レスター・シティ vs トッテナム・ホットスパー

2021-2022 プレミアリーグ 第17節

Leicester City 2 – 3 Tottenham Hotspur 

Stadium:キング・パワー・スタジアム

得点
24分:パトソン・ダカ(Foxes)
38分:ハリー・ケイン(Spurs)
76分:ジェームズ・マディソン(Foxes)
90+5分:スティーブン・ベルフワイン(Spurs)
90+7分:スティーブン・ベルフワイン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ケイン、モウラ
MF レギロン(79’ベルフワイン)、ホイビュア、ウィンクス(74’ロチェルソ)、スキップ、エメルソン(46’ドハーティ)
DF デイビス、サンチェス、タンガンガ
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、セセニョン、アリ、ヒル、スカーレット

レスター・シティ
FW ルックマン、ダカ(75’バーンズ)
MF トーマス(63’ジャスティン)、デューズバリーホール(88’ソマーレ)、ティーレマンス、マディソン、オルブライトン
DF ソユンジュ、ヴェステルゴー、チョードゥリー
GK シュマイケル
sub:ウォード、ヤクポヴィッチ、マカティア、ブラント、ペレス

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劇的逆転オブザイヤー

 試合が延期になりすぎて、今年の年末年始は過密感がなかったスパーズだが、レスターも例に漏れず、なんとこの試合が2022年のプレミア初戦らしい。にもかかわらず負傷者が多数ぎて、満足のいくメンバーは組めていなかった。ベンチに入っている選手の半分は知らない。

 ソンの代役を誰にするのか注目していたが、純粋にアタッカーを交代するのではなく、好調な中盤の選手で組むことにしたようだ。ウィンクスがアンカーに入る3-1-4-2が採用された。システムに当てはめるのではなく、コンディションのいい選手を使う方針だ。

 レスター側の選手層の恩恵を受けた形でもあるが、今日もボールを握って押し込む時間の長い試合だった。序盤からケインを中心に決定機をいくつか作るも決めきれず、ポゼッションが9割近くなった時間帯もある前半にワンチャンスを決められて先行された。あまりに押し込む展開だったため、守備のバランスを考えるのは難しかったのかもしれないが、レスターがスパーズ陣内に入ると結構簡単に突破されることが多かった。ポゼッションに隠れてはいるがなかなかに守備が甘い。

 攻撃はというと、やっぱりチャンスメイクに長けた中盤の選手が一人は欲しいなと思ってしまう。ホイビュア、スキップ、ウィンクスだと堅実さはあるが意外性はない。ただエンドンベレが移籍先を探していて、後半に出てきたロチェルソが何も貢献していなかったことを考えると、この選出は正しいとも言えてしまう・・・

 そんなここ数試合の課題である崩しのアイデアが見出せないまま、レスターに効率よく得点を奪われ、90分が経過してアディショナルタイムは5分。みんなそうだと思うけど、この時点で勝つという可能性なんて考えていなかった。ベルフワインがソユンジュと喧嘩した時には諦めて寝てしまってもおかしくなかった。

 しかしここからスティーブン・ベルフワイン。カードをもらって火がついたのか、94分52秒から文字通り奇跡の逆転劇を演じてみせた。今季ここまでプレミアでの得点0の放出候補が、ここにきて英雄になった。衝撃度で言えば例のアヤックス戦を上回る。あの試合はアウェーゴールがあるから1点で勝敗をひっくり返せるものだったから。まさか94分を超えて2点を取るなんてバカなことは思いつかなかったよ。

 でも選手たちは信じていた。同点ゴールを蹴り込んだ瞬間に喜びもみせずにボールを回収しに行ったベルフワインとケインの姿勢が今のスパーズの強さの理由だ。この2年間、僕たちが求めていたものだった。

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結果を出したと言えるのは

 まずはベルフワイン。得点を求めて投入された以上、逆転の2ゴールで文句なしのMVPだ。コンテは中央に適性を見出しているらしく、たしかに小柄な割に体も強く、ボールタッチが柔らかいのでポストプレーも高いレベルでこなせている。十分にスタメンでもおかしくはないと思うし、今日の活躍を見ると放出には反対せざるを得ない。ベルフワインの問題は選手層やプレーレベルではなく、怪我が多いことだけです。

 続いてドハーティも良かった。前半に存在感がなかったエメルソンに替えて後半の頭から出てくると、いつも通りのフリーランニングでレスターの守備陣を撹乱していた。最近のように押し込む展開が多いなら、ドハーティの止まらないスタイルは変化を生んでくれて良いと思う。少なくとも、エメルソンが明確に勝っているとは思えない。だからこそ補強の噂も絶えないのだろうが、今のドハーティはいい感じだよ。

 悲しいことにロチェルソは何ももたらしてはくれなかった。ボールに触ってナンボの選手なのに、密集地帯に隠れてしまい存在感はゼロ。コンテが生かし方を見つけるまでは今の序列を掻き乱すことはなさそうだ。

 あとはサンチェスとタンガンガにも触れたい。プレビューでも言った通り、ここからのゲームメイクはやはり見られなかった。サンチェスは1本だけロングフィードを飛ばしていたけど、あとは前を伺うことも少なく、単調に横パスだけだった。タンガンガは前に出ることで貢献しようとはしていたが、特に効果的なプレーはなし。2人とも、ロメロとダイアーが戻ってきたらすぐに交代だろうな。守備面ではサンチェスは安定感が出てきたとは思うけど。

 これでまた、コンテ就任後のプレミア無敗記録が伸びた。試合数が少ないのに5位にまで浮上した。もう我々は自信を持ってCL圏内が目標だと言うことができる。こんなシーズンになるとは思わなかったな。楽しく試合が見られていることはとても幸せなことだね。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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