[PL]第26節 マンチェスター・シティ vs トッテナム・ホットスパー

2021-2022 プレミアリーグ 第26節

Manchester City 2 – 3 Tottenham Hotspur 

Stadium:エディハド・スタジアム

得点
 4分:デヤン・クルゼフスキ(Spurs)
33分:イルカイ・ギュンドアン(City)
59分:ハリー・ケイン(Spurs)
90+2分:リヤド・マフレズ(City)
90+5分:ハリー・ケイン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン(80’モウラ)、ケイン、クルゼフスキ
MF セセニョン(94’サンチェス)、ホイビュア、ベンタンクール、エメルソン(83’ドハティ)
DF デイビス、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、ホワイト、ウィンクス、ベルフワイン、スカーレット

マンチェスター・シティ
FW スターリング(68’マフレズ)、シウバ、フォーデン
MF ギュンドアン、ロドリ、デブライネ
DF カンセロ、ラポルテ、ディアス、ウィーカー
GK エデルソン
sub:カーソン、ストーンズ、アケ、ジンチェンコ、フェルナンジーニョ、マカティ、ラビア、デラップ

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これがシティの倒し方だ

 痺れる試合だった。連敗から脱するべきスパーズにとっても、終盤戦の優勝争いを楽しみたいプレミアファンにとっても、ここでシティを止めたことは大きい。過去4年で3度の優勝を誇る絶対王者マンチェスター・シティに対し、シーズンダブルを達成した。間違いなく、この勝利は力になるだろう。

 ついにスタメンにダイアーが戻ってきた。やっとロメロと並べられる。ダイアーが中央でラインコントロールをしながらクロスを跳ね返し、ロメロは積極的に出ていってボールに食らいつく、この関係が今のベストだ。そして前節は屈辱の前半交代になったセセニョンは継続してスタメンに入った。レギロンはどうしたのだろうか。単に負傷だったらいいのだけど。そしてクルゼフスキも念願の初スタメンになった。

 そのクルゼフスキは最高の形で起用に答えてくれた。開始5分でケインとソンのホットラインで裏を取り、いつもならここでソンが決めるところをクルゼフスキがしっかりと並走していたためにパスの選択肢が生まれた。まさかの早さで先制点。シティファンとしてはいつも通りソンに裏を取られての失点だったためにフラストレーションの溜まるやられ方だっただろう。

 そこからはもう一方的な試合展開で、ハーフコートゲームならぬ3分の1コートゲームくらい押し込まれていた。もちろんこれは想定済みで、守備に人数を割いて速攻を狙う。しかしカウンターのキーマンであるソンにはしっかりウォーカーがついてくるのでチャンスは少なかった。

 結局のところ2失点はしたものの、相当な集中力を見せてくれた。やや心配だったセセニョンも守備に奮闘し、スパーズから見て右サイドを重点的に攻められるせいもあり、クルゼフスキはほぼサイドバックと言えるくらい守る時間が多かった。彼の凄いところはその上で攻撃時には必ず前に走ってくれること。これは97分に笛が鳴る直前までそうだった。とんでもないスタミナと献身性だよ。

 そして特筆したいことはシティから3ゴールを奪った攻撃の精度だ。カウンターを「ボールを奪い、相手が守備の形を整える前に攻撃に転じること」と定義するのなら、今日のゴールはカウンターではない。1点目はゴールキックからの左ビルドアップ、2点目もゴールキックに始まる右ビルドアップだった。3点目は流れの中でボールを奪ったところからだが、後ろに戻してちゃんと崩したものだった。特に最初の2点は完璧で、後方サイドから下がってきたケインに当てて、そこからソンを走らせる。狙いは明確だったがそれをあれだけ見事に決めるとは。

 やや悪い言い方になって申し訳ないが、シティに驕りと怠慢があったと思う。クルゼフスキが奪った1点目はソンが速すぎたことを褒めるとして、2点目と3点目の原因はハイプレスをかわされた後に前線や中盤が必死に戻っていかないところにある。いつもは中盤までに奪い切れるが故に、そこを突破されることを想像もしていなかったのだろう。

 とにかく、今日のプレーは完璧だった。まずはケイン。この展開の中で、前線でボールをキープし時間を作りながら決定的なパスを出す、そして恐るべき決定力。非の打ち所は見当たらない。ソンの存在にシティはずっと怯えていたし、クルゼフスキはひたすら守備に追われながらの1G1Aだ。

 エメルソンとセセニョンも攻撃時にはサボることなく上がっていた。ベンタンクールとホイビュアは中盤で盾となりつつ、ベンタンクールは正確な繋ぎ、ホイビュアは情熱を見せてくれた。3点目を取った後にクリアボールをたった一人追いかけて、ウォーカーとバチバチやっていたシーンは感動ものだったよ。

 デイビス、ダイアー、ロメロというボールを怖がらない3人がいることで、シティのプレスをうまく回避できていた。そこにロリスも加えた守備の要たちは本当にしんどい90分をよく戦い抜いてくれた。特に狙われていた右サイドで最後に立ちはだかるロメロの強さには脱帽でした。

 正直に言って、ソンを交代させた後に同点にされ、あそこから勝ち越す可能性を考えていたサポーターはいなかったと思っている。コンテが来てから最終盤まで諦めずに勝利を狙う姿勢が強く根付いてきているらしい。それを同じように信じられるように、僕らも変わらないといけないね。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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