2023-2024 プレミアリーグ 第7節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Liverpool
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:75勝28敗10分(勝率:66%)
得点
36分:ソン・フンミン(Spurs)
45+4分:コーディ・ガクポ(Reds)
90+6分:ジョエル・マティプ(OG)(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW リシャルリソン、ソン(68’ソロモン)、クルゼフスキ
MF マディソン(90’ベリス)、ビスマ(90’ホイビュア)、サール(83’スキップ)
DF ウドギ(83’デイビス)、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、フィリップス、エメルソン、ドンリー
リヴァプール
FW ディアス(73’遠藤)、カクポ(46’ジョタ)、サラー(73’アーノルド)
MF ジョーンズ、マクアリスタ(80’グラフェンベルフ)、ショボスライ
DF ロバートソン、ファンダイク、マティプ、ゴメス(73’コナテ)
GK アリソン
sub:ケレハー、ツィミカス、エリオット、ヌニェス
勝ちは勝ち
ちゃんとデータを並べたわけじゃないが、近年最も相性が悪いのがこのリヴァプール。最後に勝ったのはカップ戦なども含めて2017年にまで遡る。去年の試合は記憶に新しい派手な試合だった。3点をリードされてからの猛追で、元エヴァートンのリシャルリソンがロスタイムに劇的な同点弾を叩き込んだ1分後に、モウラのパスミスからジョタに決められて敗退したアレだ。
アーセナルに対してもそうだが去年に戦った時は、このレベルに到達するまでには長い長い時間がかかるんだろうなとその距離の広さを痛感した。モウリーニョやコンテも、トップレベルの相手と渡り合うにはあと3、4回の移籍市場が必要だ。みたいなことをよく言っていた。それがどうだ。追いついたよ。
カーティス・ジョーンズが退場したせいで、試合のバランスは大きく崩れたが、それまでのおよそ20分間は、リヴァプールと完全に互角の試合が出来ていた。アーセナル戦以上に奪った後のスピード感が早く、ゴールに迫り、迫ってくる感覚があった。このまま90分を戦い抜いてどんな結果が得られるのか見てみたい気持ちはあるが、素晴らしい試合をして負けるよりは2人の退場とオフサイドの誤審で勝ったほうが良い。汚い行為をするのは認めないが、今回に関してうちに非はないからね。
先に話題の判定に関するコメントをしておくと、審判に問題があったのはディアスのゴールが取り消された場面だけだと認識しております。あれは明確なミスだった。リアルタイムで見ていてもよくわからなかったもんね。まあ詳細はいろんなニュース見てください。カードに関してはいずれも妥当。危険なタックルに選手の意図は関係ないし、ジョタの1枚目がどうこういうよりも、1枚目の直後に感情的なタックルをした部分を責めるべき。そもそも少しの接触でも真後ろから倒しちゃったのだから1枚目も問題なし。負けたのはオフサイドの誤審のせいじゃなくて、2人も退場者を出したからだよ。
さてこちらサイドからするとそんな話はどうでも良い。今日の試合で特に印象に残ったのは、リシャルリソンが左ウイングで躍動していたところ。エヴァートン時代のリシャルリソンって、主に左ウイングの選手だったよね?記憶怪しいんだけどさ。センターフォワードも出来るウイングの選手だったはず。左は選手が豊富だから試されもせずにきて、ペリシッチとジョンソンの怪我でチャンスが回ってきた。
自分の強みがサイドからのドリブル突破にないことを理解しているから、オーバーラップするウドギにシンプルにパスを出していた。使ってもらえるとウドギも走りがいがあって嬉しいだろうと思う。かといって難しい時は切り込んで行くこともあったし、クルゼフスキにもソロモンにもペリシッチにもない斜めに裏を狙うフリーランニングは結果にも繋がったし、ちゃんと脅威になっていた。
サイドで起点になりつつ中で勝負するストライカーの動きもする。その他にも前からのプレスや下がっての守備、そして相変わらず上手にファールをもらうプレーだったりと、リヴァプールの守備陣の嫌がることをひたすらに続けられる良い選手だった。真ん中に入るとどうも止まってボールを待ってしまうから、動きを付けやすいサイドの方があっているのかも。
あとは勝ったから言えることでもあるんだけど、ポステコグルーの交代策もとても面白かった。ソンを下げたのはコンディションの問題で決めていたことらしいので置いておいてその後よ。
完全にリバプールは引いていて、あとはスパーズが崩し切れるかどうかという最終盤にスパーズの攻撃陣は徐々に慎重になっていた。人数が多いからじっくり回せば隙を見つけられるはず。無理なシュートで相手にボールを渡して時間を使われたくない。アリソンが凄すぎるから適当なシュートは打てない・・・などなど。
中央を固めるリヴァプールに対し、サイドを広く使う戦術は悪くないが、回しすぎて勝負のパスを出すタイミングを失っていた。外からの一刺しを狙うマディソンやビスマを下げ、シンプルに捌くホイビュアと中に走り込むスキップ。そして中で仕留めるためのベリス、と監督の意思は明確だったと思う。どうせカウンターを打つ力は残っていないのだから、ボールを差し込んでこじ開けろ、と。
そうしてトッテナム・ホットスパー・スタジアムは、2試合連続の劇的弾の熱狂に沸くことになる。これで開幕から7戦無敗。しかもこの中にはユナイテッド、アーセナル、リヴァプールを消化済みだ。時期尚早かもしれないが、目標を上方修正しても良いかもしれない。少なくともここ2戦の戦いを経て、これまでの結果は偶然ではないと証明できた。ま、いいか。今はこの幸せな時間を出来るだけ長く堪能すること。これを目標にしておこうか。