2023-2024 プレミアリーグ 第14節
Manchester City 3 – 3 Tottenham Hotspur
Stadium:エティハド・スタジアム
得点
6分:ソン・フンミン(Spurs)
9分:ソン・フンミン(OG)(City)
31分:フィル・フォーデン(City)
69分:ジオバニ・ロ・チェルソ(Spurs)
81分:ジャック・グリーリッシュ(City)
90分:デヤン・クルゼフスキ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ヒル(46’ホイビュア)、ソン、ジョンソン(96’ドンリー)
MF ロチェルソ(79’スキップ)、ビスマ(87’リシャルリソン)、クルゼフスキ
DF ウドギ、デイビス、エメルソン、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、オースティン、ドリントン、サンティアゴ、ベリス
マンチェスター・シティ
FW ハーランド
MF ドク(52’グリーリッシュ)、シウバ、アカンジ、ロドリ、アルバレス(87’コバチッチ)、フォーデン(73’ルイス)
DF グバルディオル(87’アケ)、ディアス、ウォーカー
GK エデルソン
sub:オルテガ、ストーンズ、フィリップス、ゴメス、ボブ
これぞまさにシティキラー
起用できない選手は10人超、3連敗中で向かうはエティハド・スタジアム。どう考えても絶望的なはずだが、なぜかシティには負ける気がしない。ヴィラ戦でベンタンクールを失ったが、出場停止明けのビスマが帰ってきた。さらに思っていたよりだいぶ早くリシャルリソンが帰ってきた。そしてまた、ダイアーがベンチにも入っていない。
絶対王者シティが相手だろうが、真っ向勝負を挑むのがアンジェ・ポステコグルーの信条だ。どんなにハイプレスに苦しめられようがお構いなく後ろから繋ぐ姿勢は諦めない。ただしピッチ上で感じるプレッシャーはこれまでの比ではないらしく、判断に迷う部分や落ち着かないプレーが目立った。処理に迷って与えてしまったコーナーキックからまさかの先制ゴールを奪ってしまうのだから、つくづくサッカーはわからない。ヒルのキープも見事だったし、ソンのスピードと決定力は圧巻だった。世界最高のチームがどれだけ警戒しても今日もソンだけは止められない。
いつも通り先制点は奪えたが、その後の時間は苦しかった。シティのプレスから抜け出せず、実際のスコア以上にピンチを招いてしまった。特に気になったところは2点、まずはエメルソンところで技術的なミスが多すぎる。もちろん慣れないCBを任されているのだからそこは差し引いて考えたいが、単純なトラップやコントロールミスで奪われてしまうとどうしても目立つ。それでいて自信だけはあって際どいプレーを選択するのだから危うさは増し増しだ。こうしたチャレンジをやめさせないというのもポステコグルー流なのだろうが。
もう一つは前も言った気がするけど、CBがボールを持った際に右側にパスコースがないことだ。ジョンソンとクルゼフスキが高い位置をとり、ポロは内側を走るので、右のワイドにボールを逃せない。サールがいる時は気を利かせて下がってくるのでここは弱点になっていたと思う。
後半のホイビュアの投入で流れが変わったのは、ホイビュアがここを埋めてくれたからだ。さらにホイビュアは常に守備に寄ったポジションを取るので、ビスマがリスキーなドリブルで運びやすくなったというメリットもある。最後はそのドリブルが失点に繋がってしまったが、ビスマの打開は相当な武器だから、責めて良さを殺したくはない。挑戦は続けていこう。
毎試合毎試合ポステコグルーには感銘を受けているが、今日はこの後半の采配に心を打たれた。前半あれだけビルドアップを狙われて苦しんでおきながら、後半はもっと重心を下げて、絶対ここを打ち破るんだという強い気持ちで立ち向かった。開始1分以内にヴィカーリオのパスが引っかかって決定機を作られても、意固地になってボールを繋ぎ続けて結局押し込むまでに至ったのはもうこれだけで大勝利ですよ。
なんか試合の入りこそシティに恐れをなしてバタバタしていた印象があったが、何度失敗してもめげずに立ち向かっていくことで、選手に自信が漲って行くのが見て取れたように思う。まるでジャンプのスポーツ漫画のようだった。デイビスの魂のヘッダーからのロチェルソの仕掛け。あのシーンは誰もがソンにパスを出すと思った中で自ら勝負できたのは気持ちで負けない戦いをチームでやってきた結果だと思う。最後のゴールもそう。これまで申し訳ないがボールを持っても逃げる選択しかしてこなかったスキップが、ビスマの敵討ちをと言わんばかりの運びで状況を打開し、ヘロヘロになりながらウォーカーに1対1を仕掛けたジョンソンのメンタリティの勝利だった。
戦力的に見て、今がシーズンの底なんじゃないかと言える状況で、アウェーのシティを相手にこの戦いができるのなら、さらに選手が戻ってきた時、冬に選手を獲得した時、どんなチームになるのだろうか。直近の成績が3敗1分なのに、こんなにポジティブでいられるのは世界中でもスパーズサポーターだけに違いない。次は負傷者に先んじてロメロが帰ってくる。世界最先端の4サイドバックシステムは一旦封印して、少しは守れるようになるでしょう。次の試合は7日木曜の深夜(金曜の朝)なので、みなさんうっかりお見逃しなきようお気をつけて。